この所の王都周辺
色々と忙しく、前日中に更新ができまさんでした。
申し訳ない。
その後も順調に同性愛者ファンを増やしつつ、王都に到着。
ラボラス侯とは王都の貴族門で別れて、俺等は貰ったタウンハウスの方へ。
先触れは出してあったけど、こう、ズラッと並んで待たれると、何とも言えない申し訳無さが湧くやね。心は小市民なんで。
そんな俺とは違って、生れつき傅かれる事に慣れてる王女'Sは、当たり前のようにメイドさん達が花道を作ってる間を歩き出す。
ぬぅ、俺に出来ない事をアッサリとやってのけてくれる! そこにしびれぬ、あこがれぬぅ!
「では、部屋の方で着替えて参りますね、師父!」
「わたくしは先に礼拝堂の方へ」
「良し、一寸待とうかおまいら」
何で、既に自室とか礼拝堂とかが有る。俺が貰った王都邸に。前に来た時は客室に泊まらせてたよな? そして俺の記憶が確かなら、以前は礼拝堂なんて存在は無かった筈じゃが!?
「はい、陛下からの命で、造らせました『以降も来るだろう』からと」
あのオッサン……油断も隙もありゃしねぇ。いや、この屋敷も管理者も、国王陛下の手配だし、この国の最高権力者に逆らえないってのも分からんでもないけんどもよ!
巨人族の先祖返りっぽいネフェル王女に専用の部屋が必要なのも、聖女でもあるヘンリエッタ王女に礼拝堂を手配するのも分からんでもないし、むしろ助かってるってまで有るけど、流石に自由過ぎんだろ!!
そんな俺の葛藤が分かったのか、第二夫人が俺の肩に手を置く。
「許可を出したのは私ですから」
「エスパーデル夫人っ!」
犯人は身内だった!! いや、王都滞在時にこの屋敷使って良いとは言ったけれどっ! その際に自由に改装とかしても構わないとは言ったけれどもっ!!
「陛下のお話は、私にも都合が良かったので、乗らせて頂いたの。だって、改装費が国持ちに成るし、どの道、部屋は余り気味だったでしょう?」
「まぁ、そうですが」
俺が知らんとかどうよ? これでも一応、当主のはずなんじゃが?
「ふふっ、サプライズよ?」
子持ちとは思えない若々しい笑顔だわ。一時のやつれ具合とか、面影もない。
こう言う笑顔を見せられると、『まぁ、良いか』とか思っちまうわ。
う、ジョアンナさんが生暖かい目で見てる。
何にせよ、玄関先で突っ立ってるのもなんなんで、一先ず旅装を解いたほうが良いか。
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王都の方での情報収集ってか、噂に成ってる様な話なんかを家令さんに聞いてみた訳なんだが、矢張り王都周辺での盗賊被害が増えてきてるとかって話なんだわ。
「何でも、新興の犯罪組織が幅を利かせ始めているとか」
「それは……王都の兵士の怠慢的な?」
「いえ、状況から、そうではないかと。其々の集団は小規模なのですが、その配置が絶妙で、裏に何者かの意思が介在している様だ、と」
言ったのは軍務卿かな? 取り敢えず、第一王子を絞め上げる事には成らない様だわ。ヨカッタヨカッタ。




