多分分岐
PCの不調で遅くなってしまいました。
申し訳無い。
ラボラス侯からのお願いについては、俺個人で返答できる類の物じゃ無いんで一旦持ち帰り。いや、断る為のフリじゃ無いからね? 本当にドワーフ連中と話をする為に持ち帰るんだからね?
一応、ドワーフ連中が、俺の領地に態々越して来たのは確かだし、色んな意味で、俺が上司的立ち位置ではあるんだけんどもさ。俺としては同じ町を経営してるってぇつもりなんで、一方的に命令してってぇのは、やりたくないんよね。
なんで、持ち帰り。その結果『やっぱだめ』とかって事はあり得るけど、現時点では話聞かなきゃ分からないってのが正直な所。
ラボラス侯爵としては、出て行った職人連中が戻って来る、ってのが理想なんだろうけど、『代替わりしました』『はい、じゃあ戻ります』ってぇ訳にも行かないだろうさ。何せ、一旦は、住んでた場所を捨てる決意をする位に、追い詰められた訳だからなぁ。
なんで、俺に出来る事は、ドワーフ連中に話を通して、彼等の伝で、ラボラス領に行っても構わないって人間を探すか、ラボラス侯爵が見繕った人材を家の領に留学させて、技術を学ばせるかの2択に成る訳だ。
何にせよ、俺が直接携われる訳じゃぁ無いから、ドワーフ連中に丸投げって形に成る。
なんで、尚の事、俺が勝手に『ええでぇ』とか言う訳にゃいかんのよね。
俺に話を通せたからか、ラボラス侯がホッとした表情に成る。まぁ、領民の生活とかも背負ってた訳だし、色々プレッシャーも有ったんだろう。
「いや、まだ解決したわけでは無いので……」
「え? あぁ、そ、そうですね」
ここで気を抜くのはまだまだ早いし、別の方策も考えておかんと。
ただ、個人的には、上手く行って欲しいってのが、正直な所。
別に、絆されたとか同情しただとか、そう言った事では無く、下手に追い詰められて、邪神と通じて魔族に成ったり、ましてや邪神が降臨する様な事に成ったら厄介だからなぁ。
魔族ってのは、その存在の維持に、【オド】を必要とする関係上、他者から【オド】を奪い取るのが常なんよね。
これ、別に生き物から発せられる【オド】で有るならどんな物でも構わないっぽいんだけど、自然発生する【オド】程度じゃ、体の維持には足りない様で、基本的には、積極的に【オド】が発生する状況を作ろうとする。
それは、感情が大きく動く時であり、命が尽きる寸前であったりするらしい。
それに、感情が大きく動く時って、怒りであったり嫉妬であったりって言う、ネガティブな方面が多いし、ポジティブな喜びな方面でも、虚飾や見栄の様な、一寸、仄暗い感情の方が、好みだったりするらしく、まぁ、そう言った方向に状況を整えると成れば、碌な事にならないであろう事は、火を見るより明らかな訳だ。
ただまぁ、バフォメットの様に、戦意やら反骨心と言った感情の【オド】を好む輩も居るがね。
それだって、大量に集める為に、戦争を引き起こそうとかしてた訳だし、そもそも自重せずに奪い取られれば、生命の危機に関わるしなぁ。
そんな人類の不倶戴天の天敵が生まれかねない状況ってのは、少しでも潰して置いた方が良いと思うんよね。




