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正しい魔法の対処法

「ば、馬鹿な!!」


 フラグ通りに無傷の俺。驚くカンツァレラ子爵一家。

 次男君ですら、ギョッとしてこちらを見ている。いや、戦ってる最中、それは悪手中の悪手だろう。


「馬鹿ですか、アナタは」


 次男君の鳩尾を打ち抜き、一発で意識を奪った後、倒れ伏した彼を見下ろしながら、ネフェル王女が言い放つ。


 言い訳も出来ない程の正論だわ。言い訳なんざ出来る状態じゃぁ無いだろうが。気絶してるし。


「ひ、ひいいぃぃぃっ!!」

「な、何をやってるんだ!! もう一発!! もう一発だ!!」


 (おのの)く末っ子君に発破を掛ける三男君。意を決してか、さっきのソレより気合の入った【ファイアボール】やね。しかし、そうして放たれた【ファイアボール】は、敢えて掌で受け止めた後に、【フォートレス】の【カームフィールド】を【エクステンション】して包んで、握り潰して消滅させる。一寸意識高い系の発言みたいで字面が煩いな。


「は、はあぁ?」


 意味が分からないとばかりに目を見張る末っ子君。

 いや、また爆発させたら危ないじゃんね。自分達で身を守ってる俺の身内は兎も角、周囲で右往左往してたり気絶してたりしてるメイドさん達とか。うんうん、阿鼻叫喚、阿鼻叫喚。

 さっきの爆発でガラスとか割れてるし、これ以上ガラスを飛び散らされるのは危険が危ないやね。特に失神して倒れたメイドさん達とかとか。


「ば、馬鹿な!! 【ドラゴンスレイヤー】は創られた偶像で、実は周囲の人間が操って居る傀儡だから、本人はただの無知無力なお子様なんだと!! あの話は嘘だったのか!?」

「それ、何処ソースよ」


 あーいや、アザゼルがそう言ってたんだろうな。詰りは、件の『【ドラゴンスレイヤー】実は弱い説』を吹聴してる内の一柱な訳だ。アザゼル。

 とは言え、だからと言って黒幕の魔族の仲間とは限らんのだよな。ただ便乗してるだけかも知れんし。

 てか、無力なお子様だと思ってて、初手長剣での真っ向唐竹割りとか、頭膿んでるんじゃねぇか? いや、マジで。


 最早、自身の理解の範疇を超えてしまったのか、末っ子君が取り乱し、ガタガタ震えながらタクトを向けて来るが、あれじゃぁ、まともに狙いなんざつけられんだろうに。まぁ誤射っても、【結界】内にいる限り、ヘンリエッタ王女も第二夫人も平気だろうし、ネフェル王女も回避なら楽勝だろう。まぁ俺も【魔力外装】で対応出来るんで、こっちは問題無しっちゃ、問題無しなんだが。


 どうやら自信の元に成ってたのが、アザゼルに吹き込まれてた『【ドラゴンスレイヤー】実は弱い説』だったっぽい三男君も顔色が悪く成ってるんじゃが。


 いや、本当に短絡的過ぎんか? この家族。


 とは言え、下手に被害を拡大されても困るんで、特にメイドさんとかメイドさんとか。部屋? 崩れ落ちなきゃ良いんじゃないかな?


「取り敢えず、おまい等は、落ちとけ」


 【身体能(フィジカルエ)力向上(ンハンスメント)】からの【アドアップ】及び【ブースト】で、末っ子君の反応速度を置き去りにして、後ろに回って送襟絞め。須臾の間に絞め落とした後、同じ様に、反応なぞさせん内に三男君へと。こっちは十字絞めで真っ正面から落とす。


 さて、あと残ってるのはカンツァレラ子爵夫人のみな訳だが、さっきから動いてる様子がないのは何でだ?


 いや、戦闘力とか皆無なのは確かだから、成り行きを見守ってるのか、息子達を信じて動かなかったのか……


「って……えぇ……」

「どうしました? 師父」


 困惑の声を上げる俺に、次男君の服を使って拘束し終わったネフェル王女が声を掛けてくる。いや、どうしたもこうしたもさぁ。


「気絶してんじゃん」


 立ったままなぁ。

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― 新着の感想 ―
根性が貧弱! いやまぁ貴族的に心の太さの方向性がねぇ。
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