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楽しい晩餐

 領主館に向かうと、満面の笑みで迎えてくれるのは、カンツァレラ子爵御本人及び夫人と、次男以下末っ子迄の5人。

 長男こそ、既に王都の方に向ってるらしいんだが、子爵曰く『日程が合っていれば、ご同行させる事が出来ましたのに』との事。全然悔しそうじゃない辺り、リップサービスなのが良く分かる。


 むしろ、次男以下を紹介してる時の方が熱量凄いし。

 第二夫人(ママン)は言わすもがな、ネフェル王女にしろヘンリエッタ王女とマリエルにしろ、整った顔立と、王侯貴族故の気品が有って、すこぶる付きの美人な訳だ。

 態々、名指しで招待受けたってぇ事もあって、今日はネフェル王女も何時ものドレスアーマーじゃぁ無く、褐色の肌に良く有った真紅のドレスを身に纏っている。

 ちなみに第二夫人は濃紺の、ヘンリエッタ王女は浅葱色のドレス。マリエルは騎士の礼装だけどさ。

 かく言う俺は、ディナージャケットとか呼ばれる礼装。みんな、最低限失礼に当たらない程度の品質のソレだけれども。


 イブやファティマにジャンヌ、ラミアーとセフィ。それにティネッツァちゃんと犬達も、今夜はお留守番。大分ゴネられたけど、流石に招待されてない面子まで連れては来れなかったよ。

 その代わり、宿の方には、一番高い夕食のコースを頼んでおいたけど。


 晩餐はねぇ。何と言うか下心が丸分かりと言うか、俺に話し掛けようって輩が一人も居ないのがなぁ。


 まぁ、当主と夫人が第二夫人に話し掛けるのは良いよ? なんだかんだ言っても、王女に次いで地位が高いのが第二夫人だし、年代的にも、話題として合うだろう相手はご当主とその夫人だけだろうからなぁ。


 ただねぇ、次男以下の子息達、俺の方になんざ見向きもせんで、熱心に王女二人に話し掛け続けてるのがなぁ。


「はい、それでワタクシがその騎士団長に一本を入れまして! 知っていますか? 我がカンツァレラの騎士団は、この辺一帯では無類の力を誇ってまして、その騎士団長ともなれば、それこそ頂点と言っても良いほどの武力を有してる訳です!! そんな騎士団長に一本入れられるのなんて、兄ですらできない事で、それはつまり、ワタクシの剣の腕の高さを表して……」

「はぁ……」

「そうなんですか、凄いのでしょうね」


 まくしたてる様に自分の剣の腕を自慢しているらしい、次男くんの話を適当に流すネフェル王女と、イマイチ興味をそそられないと言った様子のヘンリエッタ王女。自分の所の騎士団を自慢して、その騎士団の団長と良い勝負が出来る自分は強いんだってぇ論調なんだろうけど、結局、それ、騎士団長の方が強いって事だし、恐らくは相手の力量って物を感じ取れるネフェル王女にしてみれば、目の前の次男くん程度の腕じゃ、あまり興味も持てないんだろう。ヘンリエッタ王女に至っては、力自慢されるより信仰心の方が大切だろうし。


「あ、では、最近流行っているカードゲームはどうですか? 『ティーシージー』と言うのですが、中々品薄で、持って居る輩もそれほど多くは無いのですが、王女様方になら特別にお見せしましょう!! なので、晩餐が終わった後、自分の部屋にでも……」

「いえ、それには及びません」

「そうですね、皆さんでお話しするのも良いと思いますよ?」


 三男君に至っては、TCG(それ)作ってるの俺の領地だからな?

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