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時には逃げる事も必要なんだって

 ヘンリエッタ王女どころか、エリスやイブ、それどころかマリエルにすら生暖かい目で見られて、何とも居心地の悪い気分になったんで、執務を理由に解散って事にした。

 ヘンリエッタ王女にしたって、教会建設の関係で忙しいだろうし、エリスだって早々長居なんざしていられない筈だしな。

 とは言え、態々来たんだし、『少しの間でも羽を休めて行くが良いぞ?』とは言っておいた。何でか生暖かい目が加速したが。


 後、『計画を早目に進めた方が良いかも知れんのじゃ』とか物騒な事を呟いていたが、扉閉めてから舞い戻るのも何かアレだったんで、モヤッとはしたが流すしかなかったのが悔やまれる。

 こう言うのって後々だと、更に聞きづらいんよなぁ。


 ……よし、忘れよう。


 確かに情報は大切だし『知らないと言うのは罪』だが、世の中には『知り過ぎる罠』と言うのも確かに有るからな! うん。


『【確認】それは現実逃避では?』


 いや、今出てるだけの情報を統合すれば、全容の輪郭位は見えるけどさ、多分、エリスの言う“計画”ってヤツは、成功すると、彼女の自由が保証出来る様に成る()()なんだろう。それも婚姻ってか自由恋愛的に? だからこそ、あまり俺が関わらない方が良い様な気がするんだよなぁ。下手に係わると既成事実が出来ちまうような予感がするんよね……政治的にさぁ。


 俺も、前世からの記憶があるから、腹に一物を持った者同士の、迂遠で厭らしい腹の探り合い程度なら、どうとでも出来るけどさ、貴族同士の真綿で徐々に周囲から巻き込む様な、真綿だと思ってたら煙に変わってた様な、ああ言うやり方って苦手なんよね。

 何と言うか『茹でガエル理論』みたいなさぁ。沸騰したお湯に蛙を投げ込むとすぐに逃げるが、常温からゆっくりと加熱して行くと最後まで逃げられずに、茹で上がってしまうって言うアレ。現実的には、沸騰したお湯に投げ入れた時点で、逃げる事も出来ずに煮えるらしいけど。

 『茹でガエル理論』じゃなく『ゆで理論』なら好物な方なんだがねぇ。


 まぁ、それは置いておいて執務が溜まってるのも事実なんで、消化せにゃ成らんのよね。何せ、俺主催って事に成ってる大会が、この短期間で連なったからね。

 それ関係の報告やら予算関係やらの処理を優先してた所為で通常業務の方が溜まっててなぁ。


 それに、そろそろ王城の方の年末年始も有るんで、王都に向かわんと行けんのがね。

 俺達だけならキャンピングカー使って、文字通り“飛んで”行くってのも出来るんだが、王女様やらを俺等の野宿やら雑魚寝に付き合わせる訳にもいかないから、普通の馬車使って、なるべく宿屋に泊まる方向にせにゃ成らんのよね。

 いや、ヘンリエッタ王女やネフェル王女は長旅の経験も有るし、本人達に言えば『そんな気を使わなくて大丈夫です』とか言いそうだけど、実際、そう言う訳にもいかんし、その為の護衛の選定とかも有るし、そう言った護衛や侍女の宿も貸りにゃいかんし。

 貴族って、貴族ってだけでお金使うんだなぁとか改めて思ったわ。

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