追加で来たよ
一寸、ここまでで精一杯でした。
遅く成った上に、短くて申し訳無い。
あの後メチャクチャ怒られた。魔人族国女王が、聖弓に。
『【懊悩】そろそろ本気で、個体名【トール】様の所に身を寄せたい所存ですわ』
『【拒絶】断固拒否』
『【同意】こっち見るな! デスゥ』
気持ちは分からんでもないが、聖弓が居ないとエリス、本気で困るだろうから、勘弁してやって欲しい。家の領地と違って、文官が足りないって事は無いだろうが、それでも聖弓並みの演算能力のある人材って殆ど居ないからなぁ。家? 二体程居ますが? まぁ、家は単純に手が足りてないんだけんどもさ。
数は力なんだよ兄さん!! 兄さん?
「反省はしろよ?」
「うぬう、反省はしたのじゃ。だが、後悔はしないのじゃ!!」
これ、反省はしても改めないパターンだな。いやまぁ、女王が突発的に出掛けても問題無い体制に成ってるなら構わん気はするが、だとしても家臣を置いてけぼりにするのは拙いと思うの。
家の方でイベントやってから、エリスが来るまでのタイミング考えると、恐らくは、国境の砦までは、ちゃんと女王様御一行って事で大人しくしてたが、家の街までもうすぐって事で、タガが外れたってぇ事なんだろうけどさ。
聖弓の来るまでの時間の短さを考えても、多分正しいだろう。
「てか、何で来たんだ?」
実際、各種イベントは終わっちまってるし、この後すぐに何か有るっで訳でもない。
「ふぬぅ、相変わらずイケズなのじゃ。会えない時間が愛を高めるのだと理解して欲しいのじゃ」
『【説明】個体名【トール】様の領地において、立て続けに異変が観測されたので、その、調査と言う名目ですわ』
「ああ……」
エリスが何か戯言をほざいてたが、聖弓が、すぐに理由をバラす。
名目ってのは、詰り、諜報員からの報告と、聖武器ネットワークによる情報の共有は行ってるけど、それ以外の実情確認をしたかったってぇ事なんだろうな。
実際、邪神の降臨ってぇ事態までに成ると、一辺境都市だけでどうこうって訳にゃぁいかんしな。
だとしても、エリスまで来る理由は無いが。
『【追加】それと、異変近くの砦に対する労いの意味を込めた慰労訪問と……この所、女王陛下がブチブチと煩いので、飴でも与えて憤懣を解消しようかと思ったのですわ』
「ぶっちゃけたな!?」




