日々の積み重ねってぇやつ
色々有って遅くなりました。
申し訳ない。
状況的には、アレゴロウ有利で試合は進んでいた。まぁ、その辺は当然だろう。えらく乱暴に言えば、パンチなりキックなりを当てて居れば良いだけのアレゴロウと、掴み、倒し、カウントを取らなければいけないスターリンでは、そもそもスターリンの方が不利なんだ。
この試合の決着は、審判による選手の試合続行不可能判定か、マットに両肩を付けての3カウント。そして、リング外に20秒以上出ていた場合の場外負けの3つに成る。
そして本来なら握り拳での攻撃は、プロレスに於いては反則なんだが、選手の一人がストライカー系って事も有って、それは許可されているんよ。それ以外の急所攻撃、噛みつき、目つぶし、凶器は反則だがね。
つまりはスターリンの方も別に拳での攻撃は許可されているんだけど、そこはまぁ、プロレスラーとしての矜持ってのも有るんだろうさね。まぁ、それだけじゃぁ無いかもしれんが。
そんな訳で、あくまで3カウントでの決着を狙うスターリンとKO,もしくはTKOでケリの付けられるアレゴロウとではアレゴロウの方が有利なんよね。
とは言え、果敢に掴み掛るスターリンを相手に、アレゴロウの方はパンチでの迎撃。確かに被弾数は、防御を固めた時より多くは成っているものの、それでも引きながらの攻撃の為だろう。ダメージ的には大きくはない様に見える。とは言え、ダメージが入ってるのも事実では有るんだが。
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1ラウンド5分での2ラウンド目。攻防としては1ラウンドと変わりはない様に見えはする。だが、1ラウンド目と明らかに違っているのは、スターリンの片目が明らかに腫れて居る事と、1ラウンド目よりも、アレゴロウがクリンチの状態まで持って行かれる事が多く成ったって事か。
被弾覚悟の上での特攻とは言え、ああやって目が腫れてしまえば、今まで以上に相手を掴むのが難しくなる。片目が見えなくなる事で距離感がつかみ辛く成るからな。
そして、クリンチが多くなった理由は、アレゴロウのスタミナが尽きて来てるからだろう。
スタミナが尽きて、動きに精彩を欠いたアレゴロウと、距離感がつかめないスターリン。その結果がクリンチ擬きであり、逆に言えばスターリンの目を潰しておく事が出来たが故に、速攻で終わって居なかったってぇ事な訳だ。
思った通り、アレゴロウの方は才能型なんだろう。“出来る”が故に、それ以上の努力って物が必要なく、逆に努力が必要なものについてはやる気が無い。
スターリンの方は少なくとも家の領地に来てからは努力型であり、毎日の鍛錬をかかさず、その鍛錬にしても、自身の限界を超えるまで行こなっていた。
だからこそ、得る事の出来たタフネスでありスタミナな訳だな。努力と言う物は裏切る事が無い。努力してできない場合は、努力が足りないか。努力の方向を間違っているかだ。
何時だって、“努力”を裏切るのは人間の方なのだ。
それはそれとして、毎日の様に限界に挑戦していたスターリンのスタミナってか体力は、才能型で日々の地道な努力って物をしていなかったアレゴロウのソレを遥かに上回っているんよね。




