尾
「状況は!?」
「今 第二防衛ラインが突破されました!
敵は戦車を用いて 包囲をしようとしています」
「わかった
とりあえず全部隊に最終防衛ラインのヴィズナニ河まで下がるように
そこで止められなければ終わりだ
気合を入れてやるしかない
あと さっきからデウリア方面の報告しかないが・・・」
「フランシアは攻勢こそかけてきていますが
我らが突破されるには至っていません」
「ならば よし
下がれ」
「はっ」
さて どうなるか
しかし なぜフランシア側は突破できていないんだ?
奴らも最新装備に身を包んでいるはずだ・・・
まぁ いい
あとは連邦のものが早く届けば
装備が充足する
陛下の外交がうまかったのか
最新装備も送ってもらえるらしい
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「早く突破しろ!
速度だ速度が大事だ!
というかフランシアはどうなってんだ!
全然突破できてないらしいじゃないか!」
「彼らがいうには
デレンが交渉した
連邦の植民地に彼らの植民地が接しているので
連邦が参戦してくるのが怖くて
戦力が分散してるらしいですよ」
「なんだそれ
かの国には我々の諜報員が潜入してるんだろ?
さっさとさせればいいんじゃないか?」
「それが
国王の近くまではいってるらしいですが
かの国も頑張っているみたいで
要職の近くにはいけていないみたいです」
「そうなのか・・・
無駄なことしやがって・・・
まぁ いい
とりあえず前進だ!
全軍! 進めぇ!!
敵に反撃させる隙を見せるなぁ!!」
『了解!!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「まだか・・・
まだ 届かないのか・・・」
まだ連邦の物資はとどいていない
帝国の要塞に対する攻撃も日に日に強くなっている
どうすればいい・・・・
このまま何もできずに国家が滅びるのは
悲惨なことになる
いや帝国の攻撃にこんだけ耐えているというのは
中小国としては快挙かもしれないが・・・
陛下の意向とは違うはずだ・・・・
いやこれは独断すぎるか
一旦 陛下に聞いてみるか
いや陛下は私に軍事の裁量の全てを与えてくださった
自力でどうにかするか
バタっと強い音で
扉が開かれる
「帝国の攻撃の圧が
弱まりました!
全部隊が反撃の合図を待っています!!」
ついにきた
反撃のチャンス
この攻撃の弱まりが帝国によって作られたものであろうと
このようなことはもう起こらないだろう
声が震える
この一つの声で全てが決まる
その圧を再確認させられる
「閣下!お願いします!!
ここに反撃開始の声を!」
部下が急かしてくる
我々王国はやるしかない
それはもう明白で最初からわかっていたことだ
視界が白黒になる
自分が何を言っているのかわからなくなっていく
だが 一つ言えるのは
自分の口が勝手に動き
無線に向かって
『反撃を開始せよ』
と命令したことだった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
要塞内の全部隊に
閣下の反撃を命ずる声が
無線を介して伝わった
将兵が歓喜の表情を浮かべ
武器の手入れをし始める
一般兵士は
「奴らに目にものを見せてやろう」と
「奴らに軍靴の音を思い出させてやろう」と
叫びはしないが
ここまで来た戦友と勇ましく若者同士で語り合っている
高級将官は計画もクソもない
ただの突撃計画に頭を抱えている
ただの現場に任せるという
脳死作戦に嫌気がさす
だが その割には気分が高揚している
自分に気がついている
夜明けが近く
空は白く染まってくる
太陽が徐々に昇ってくる
双方の軍部のトップが
自らの勝利を信じてやまない
この戦争はどこに向かうのか?
それは誰も知らない
彼らの要塞からは
将兵の『突撃』の声が響き渡り
両国の軍は混乱に陥る
一時の戦線の押し上げに成功
年末には終わると予想された
この中小国と大国戦争の決着は
次の年に持ち越される
長引く戦争に
さらなる領土獲得を狙う列強が動き出す
戦争は世界大戦へ
世界は混乱の渦に
戦火の広がりは中小国に希望を与える
これが今日のユーヴァルト地域を形作るきっかけになった
戦争である
今年は大変な年でしたが
来年はいい年になることを祈ります
皆さんも良いお年を




