第8話 1週間を振り返って
よし、ポエムノート見直してみるか。
1ページ目と2ページ目の途中。
自分が書いた記録。
「こんなこと書いてたんだな。すげ」
自分のことなのに、めっちゃ驚いた。
歌で聞くと、もっと良くなる。そう確信する言葉がチラホラ。
まだまだいいポエム書ける。
何となく走りたくなった。
本屋まで約3km。走りきる。
「ハッハッハッハッ」
昨日の筋肉痛。今日の状態。今の自分と会話しながら。
「ハッハッハッハッ」
(今日の俺は、いける)
「ハッハッハッハッ」
「13分45秒。2km到達。平均ペース、1km6分35秒」
「よし、あと1キロ」
思わず声が出た。
「ハッハッハッハッ」
「ハッハッハッハッ」
「ハッハッハッハア」
(いける。あの角を曲がれば)
「ハア、ハア、ハッハッ」
「21分00秒。平均ペース。3km到達。平均ペース、1km7分00秒」
「ハア、ハア、ハア、ハッ」
(もうちょい。もうちょい。)
角を曲がる。ゴールは近い。
「ハア、ハア、ハア、ハア」
(もうちょい、もうちょい!!!)
「っしゃ!」
思わず叫んだ。周りの声など気にしない。
(お前らはわかるまい。このつらさ。)
本屋に着いた。
よし、A4の「QAMPASノート」
これだけのためにこんだけ走った。
『夢々ノート』
タッキーの黒ペンで書いた。
これはお母さんに見つかっちゃまずい。
奥深くに隠した。
来週も充実するのが楽しみだ。
〜今日のポエム〜
車。列車。飛行機。全て便利で。
便利に頼る生き方も悪くないけど
便利すぎる生活は逆に苦しめる。
車の窓からじゃ見えない本当の綺麗さ
空模様、夜景、街並み、人々の声
全てが美しい