第7話 ストイック
僕の憧れてるヴォーカルは、とてもストイック。
毎日10kmランニング
卵、乳成分、グルテンはとらない。
カフェインは年1回
お酒は年3回
僕には何ができるだろうか。考える。
うーん、ふたつかな。
毎日10kmランニング
カフェイン年1回
はできるかも。とりあえずやってみよう。
あ、あと黒豆茶買ってみよ。
ポエムノートとは別になんか欲しいな。
僕の好きな『LEORGIA COFFEE』明日最後の1本飲も。
あとは、音楽を知る。言葉を知る。
明日本屋だな。よし、休日の予定できた。
さあ、じゃあ10kmランニングしてくるか、
スマホにランニングのアプリを入れてっと、
「しずくどこ行くの?」
「ちょっとランニングしてくる」
「え!なんで!珍しい〜。好きな子でもできたのかしら。行ってらっしゃい」
「うん行ってくる」
* * *
夜。空気が綺麗。星も綺麗。
(なんか夜っていいな。)
そう思いながら、少し散歩。
「よし、行くか」
3、2、1、START
ランニングアプリのタイムが進み出した。
タッタッタッタッ
タッタッタッタッ
「6分45秒。1km到達。平均ペース1km6分45秒」
ランニングアプリのタイム計測係が棒読みで伝えてくる。
(陸上部のマネージャーの声のほうが100倍いいな。)
そんなことを思いながら、駆ける。
タッタッタッタッ
「ハッハッフッフッ」
タッタッタッタッ
「ハッハッハッフッ」
タッタッタッタッ
「ハアハッフーフッ」
「13分15秒。2km到達。平均ペース1km6分35秒」
タッタッタッタッ
「ハアハアハアフッフーッハアハア」
タッタッタッタッタッ。
「ハアハアハアハアハアハアハア」
「あー、限界だ。ハアハア」
「お疲れ様でした。タイム15分3秒。距離2.35キロ到達。平均ペース1km6分35秒。」
ランニング終了。
* * *
走ってきた道を歩いて戻る。
毎日10km、、、舐めていた。こんなに辛いのか、まじかよ。
続ける凄さ。塵も積もれば山となるか。
明日は3kmだな。
(なんか今日は充実したなあ。)
〜今日のポエム〜
動かない。何もしない。
そんな一日が充実だと思っていた。
だけど正解はその真逆だった。
やってみなくちゃわからないこと。
そんなことだらけの世界で生きてる僕ら
やらなくてもわかること
それは人はいつか死ぬ。ただ、それだけ。