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ポエマーらいふ   作者: 夢 現代
3/8

第3話 興奮

家に帰り、眠れないままベッドの中にいた。


(あー、明日も学校なのになあ、何時だろう)


目をつぶると、思い出すあの一言。


「じゃあ、俺。楽器屋でギター買ってくるわ。お前が好きなバンド超えるくらいでかいバンドになろうぜ」


まあ、冗談か。冗談だよな。


変な期待持ちすぎだよな。寝よ寝よ、もう2時過ぎくらいか。あーあ、明日も早いのになあ、


時計をみた。



「え、うそ。またまた〜、そんなわけない。短い針4のとこにあるんだけど。そんなに起きてるわけない。」



もう一度みた。


「えー!!!!!!よっっっ4時??!!

やべ!寝なきゃ寝なきゃ!」



* * *




「しずく起きなさい!行く時間よ!」


お母さんの声だ。もう起きる時間か、


「うーん、んー、ねむい。起きるかあ〜!」


僕の癖。起きるときに、「起きるかあ〜!」


と言ってしまう。つい出てしまう。


仕方ないことだ。つい出てしまうものなのだから。


「よし、忘れ物は〜、な〜。

あ!あるわ!あっぶねえ〜。ポエムノート忘れるところだった。」


よし、いってきまーす!




* * *



学校に着き、いつもの左角前の席に座って、考え事をしていた。


うーん、今日はどんなポエムを書こうか。


やっぱ毎日ポエム書くってすげえな。


なんかこう。自分なりっていうのがなあ、うーん、


そんなことを考えてると、瀧がきた。


「おは!未来のスーパーボーカルさん!」


「おはよ。スーパーの方になったのね、未来のハイパーギタリストさん」


「おー!なにそれ!かっこいいじゃないか!ハイパーギタリスト!おー!いいネーミングセンス!」


「ああ、そうかい。そりゃどうも。」


僕は川の流れのような受け流しをした。


と、次の瞬間。しまった。と思った。


遅かった。


「あ!それにしたんだね!ってカエルかよ、なんでカエルなの?」


瀧にポエムノートを見られてしまった。


今年1番のショックだ。


「別になんでもいいだろ?俺が気に入ったんだ。ちっちゃいことは気にするな。」


「それワカチコワカチコ!!」


瀧はこういうことをするからモテないんだよなあ、って思う。


「ねえ、しずく見せてよ〜!そのポエムノート!いいだろ?なあ、いいだろ?」


瀧に見せたら、絶対クラス中に広まる。と思った。

それすなわち、ORE NO OWARIだ。


それだけは避けなければ。


「これはまじで嫌だ。見たらはなさんにチクるからな。人のもの勝手に見る変態だって」


(ふん!どうだ。これで見れまい。俺の勝ちだ。久しぶりにやってやった。)


すると瀧が


「別にいいよ、チクってみろよ?」


ちょっと予想外だった。


(意外と食い下がらないなあ、まあでも俺の勝利は確信している。次で終わりさ!)


「いいんだな?チクっても?後悔はしないんだな?」


すると瀧は、なにも恐れない。普通の顔で、


「言ってみろよ?言えるのか、はなに!

チクられたってポエムノート見るよりは軽いさ」


(あ、まずい。見られるやつだ)


俺は終わりを確信した。大逆転敗北だ。


オセロで角ひとつとって有利になったと思いきや、最後角3つ取られて負けた気分だ。


「へへ〜!買ったと思ったか!まだまだだな!しずく!」


そう言って瀧は僕のポエムノートをみた。


終わった。終わったんだ。高校生活は。


たった8日で。終わった、、


と思った。


しかし、瀧が放った次の一言は予想外だった。


「おい、いいじゃんか。才能あるぞ。」


「っえ?」


思わず声が裏返ってしまった。


「昨日のポエムなかなかいいよ!」


瀧は子供のようにはしゃいで、そう言った。


僕にも才能はあったんだ。


瀧が気づかせてくれた。


瀧にはバレないように、目からしずくを一滴こぼした。


〜今日のポエム〜

才能は、たまたま道路に1000円落ちてた。みたいな感覚でわかるもの。

君にしかないものが必ずあるんだよ。

才能が欲しいとか言わなくてもいい。

もう君は持ってる。唯一無二のものを。



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