第1話 はじまり
「俺は学生のとき、独りだった。だから、毎日ポエムを書いてた。」
好きな歌手のライブMCを聞いていた。
ポエム。
なんかそれは、ちょっとダサい。
というかそういうのを書いている人って浮いてるイメージだなあ。
国語の比喩表現とはまた違うような、くさいというか、なんというか、、
「おい、また音楽聞いてんのか?しずく
昼休みくらい遊ぼうぜ、みんなと。高校のスタートダッシュ遅れるぞ。」
小学生からの同級生の緑川瀧が声をかけてきた。
「ったくうるせえなあ、せっかくライブ音源聞いてたんだから、邪魔するなよな。」
「また聞いてたのかよ!好きだなあ、そんなことよりさ、ドッチボールやりに行こうぜ」
「僕はいいよ。どうせすぐ当たるよ。」
「んもー!なんでだよー!あ、もしかして、お前、はなのこと好きなのか?だから行かないのか?それはしゃあないなあ!」
高橋 英クラスの女子の名前だ。
顔は結構可愛くて、クラスの男子から人気だ。
まあ、俺は、タイプじゃない。
「あ?んなわけねえだろ?俺はそういうの興味無い。小学校から一緒にいるからわかんだろ」
「いやー、でももう高校生だぜ?そういうの興味もてよー。あっ、もうこんな時間かよ!おい!あとからこいよ!」
「おせーぞ!瀧!体育館使われるぞ!」
「わりい!今行く!
おい、しずく。あとから来いよ。独りになっちまうぞ」
「おう、わかったよ」
僕は瀧にそう返答したけど、行かない。
ポエムを書こうと思ったから。
それが僕のポエマーらいふのはじまりだった。
〜今日のポエム〜
好きっていう気持ちはまるで曇り空
伝えたくても伝えられないもどかしさ
いつかこの気持ちは晴れるかな