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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
5章 同盟交渉編

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87 アミュラ初めてのお仕事

シリアスが続いたので章の初めはまったりとしたお話をどうぞ(。-_-。)

 そして、翌日。カリンとノイの親子を含めた竜人族の団体は一度村に報告と商売のための品物を持ってくるために一度荷馬車を借りてアナンタ村へと帰っていった。



 新しい施設が出来ることを楽しみに待ちつつ、いつもの日常に今日から戻る。そしてそれと同じくしてアミュラには新しい事が始まろうとしていた。


「じゃあ……今日から宿屋バニランテ、3人目の看板娘にアミュラちゃんを就任したいと思いまーーす♪」


 エルマさんは両手を大きく挙げて、子供のような笑顔を見せる。


「はい! きょ……今日からよろしくお願いします!」


 宿屋バニランテいつもの制服を身に纏ったアミュラがペコペコとエルマさんに頭を下げている。

 遠くからそれを見ていた俺は何か、就職に受かった新人社員のように見えるその姿がとても初々しく、可愛らしかった。


「はわぁ~~可愛いぃ……」


 俺は思わず、頬に手をおいて小動物を見るかのようにアミュラを眺めていた。


「おい、アミュラの事ばっかり見てないでしっかり洗濯物運べ」


「わかってますーーぶぅ……」


 ガクトに注意され、頬を膨らせながら籠いっぱいに入った洗濯物を物干しまで運ぶ。


「じゃあ早速アミュラちゃんにはお風呂場の掃除して貰おっかな! お風呂結構広いからサラと一緒に作業して頂戴ね」


「はい! 分かりました!」


 そう言ってブラシを持って浴場の方へとアミュラが向かうと1人でせっせとお風呂掃除をしているサラがいた。


「ふぅ……」


「サラちゃん!! お、お手伝いに来ました!」


「おや! アミュラちゃんうちの制服似合ってるね♪ もうこれでアミュラちゃんも私たちの仲間入りだね!」


 サラは親指を立てて無邪気な笑顔を向ける。


「あ、ありがとう!! 私どこ洗えば良いかな?」


「じゃあ~~ここは洗ったから手前から洗っていこうか!」


「うん!」


 作業を始めると黙々と掃除に取りかかる。ゴシゴシとブラシをかけるだけで息が上がってくる。

 いざやってみると重労働であることに気づかされる。

 額ににじんだ汗を拭いながら、アミュラはサラの方を見るといつもヘラヘラしている顔とは一変して真剣な表情で浴場を磨き続けている。そんな真剣な表情がアミュラにとってどこかかっこよさを感じた。



 私も頑張らなきゃ!



 そう思い、いざ本腰を入れようとしたとき、咄嗟にサラに話しかけられる。


「ねぇアミュラちゃん!!」


「え!? あ!! はぅわぁああ!?」


 驚いた拍子に足を滑らせてズテーーン!! と言う音を鳴らしてお尻持ちを付いてしまった。

 更に近くにあったバケツを蹴り上げてしまいそのバケツがサラに当たる。


「痛ぁーー!!!!」


 それによってサラも転ぶ。最終的にバケツの水が2人に降り注いだ。


 浴場の近くで作業していたガクトはその騒音に気がつくと溜息をつきながら様子を見に行った。


「おーーい、お前ら大丈夫……か?」


 ガクトが見た光景はびしょびしょになって目を回している2人だった。


「あーー……タオル持ってきてやるから……」


 その後、エルマにタオルで身体を拭いて貰いながら、新しい服に着替えた。


「ご……ごめんなさい!!」


 アミュラが激しくサラに頭を下げる。


「いやぁ~~私が急に話しかけて驚かせちゃったのが悪いから気にしないで~~」


 サラは赤くなった自分の鼻をさすりながら半泣きのアミュラの頭を撫でる。


「誰にだって失敗はあるんだから~~」


「うぅ……ほんとにごめんなさい……」


 アミュラの尻尾が地にパタッとしおれる。初めてのお手伝いでなかなか上手くいかない事に相当ショックのようだった。


「あ!! じゃあ、厨房の方でカナが仕込みの作業してると思うからアミュラちゃんそっちやってみよう!! 何事も挑戦だよ!!」


「う……うん!! 行ってきます!!」


 次にアミュラが向かったのは厨房、ここで宿屋バニランテが提供する料理を作る場所である。

 そこに行くと黙々と作業しているカナの姿があった。どうやら、スープを作っているようで、グツグツと煮込まれたスープの匂いがへいっぱいに広がり、アミュラの食欲がそそられていた。


「美味しそうな匂い……♡」


 ふらふらとその匂いの元へと向かうとカナがせっせと野菜を切っているのが見えた。

 そんなふらふらとやってきた竜娘に気が付くとスープの火を止めた。


「ア、アミュラちゃんどうしたの?」


「美味しそうな匂いが……じゃなくてーー! えっと、何かお手伝いすることないかなって!」


「ん~~じゃあ、この鍋に入ってるスープを焦がさないようにかき混ぜててくれるかな? その中に私が色々具材を入れてくから!」


「分かりました!」


 そう言ってカナは壁にかけていたおたまをアミュラに渡す。


「じゃ、一緒にがんばろ♪」


「がんばりましゅ!!」


 そして、また鍋は火にかけられグツグツとスープが煮立ち始める。さっきの反省を生かして落ち着いてゆっくりとスープをかき混ぜていく。


 優しくかき混ぜられているスープにどんどん肉や野菜を入れていくカナ。そして、それをずっと混ぜるアミュラ。


 さっきとはうって変わりアミュラの仕事がうまくいっている。そうして、カナが味付けをするために黒コショウをかけ始める。


 スパイシーな香りになっていくスープに涎を垂らしながら完成を楽しみにしているアミュラの鼻に違和感を感じた。


「あ……は……」


 そう、アミュラの鼻に塩コショウが入ってしまい


「は……はっくちょん!!!!」


 大きなくしゃみをしてしまった。


 そのくしゃみによって振りかけられ、空中にあった塩コショウが飛ばされ、粉がカナの目を襲った。


「ふにゃああああああああ!!!!!!」


 カナが目の痛みで思わず厨房を飛び出していく。


「ご、ごめんなさーーいぃぃぃ!!!!」


「……心配だ」


 ラミーのバーカウンターで金の玉の置物として置かれていたファンロンが思わずそう呟いた。


 頑張れアミュラ!! まだ仕事は始まったばかりだ!!






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