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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
4章 黄燐ノ竜編

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幕間 ~神々の対談~

4章の最後として幕間を用意しました!

何と新たな神の名前が明らかになります!

 リベアムール城 リベアムールの部屋にて〜


 リベアムールが紅茶を飲みながら、大きな長方形のテーブルの中央の席で窓の外を眺めていた。窓から吹き入って来るほのかな風を感じながら今日城に来る客人を待っていた。その客人というのも、フォース地方とフィフ地方を統べるリベアムールと地位が同じ神が訪れる日だった。


 テーブルに並べた資料を見ながら、その二柱の神を待っているとゆっくりと部屋のドアが開けられる。

 どうやら、メイドが来客を伝えに来た様だ。


「リベアムール様、二柱の方々がお見えになりました」


「そうか、入って良いぞ」


「では……二柱様、こちらにどうぞ」


 そうメイドが促すと、2体の神々が入って来る。


「よーー!! 来たよ来たよリーベ!!」


「あらあら、ご機嫌様♪」


 入って来たのは小柄でピンク色の髪をツインテールにして、背中に悪魔の様な羽を小さく付けた

『"色欲神(サタン)" ライラ=サタナエール』


 と


 長い薄紫色の髪を垂らし、特徴的な狐耳と大きな9つの尻尾に豊満な胸を覗かせた和服の様な服を着た

『”冥界神(ペルセポネ”シェリル=ゴンゲン』


 である。


「ふたりとも、忙しい中よく来てくれたな」


「まぁね!! リーベがどうしてもって言うからしょうがなく来てあげたんじゃない!」


「あらあら♪ 本当はいつも一人だから寂しかったんでしょ? ライラちゃん?」


「そそそそんなことないもん!! 私は孤高の神だから1人なのは当り前じゃない! 決して……寂しいだなんて……しゅん……」


「あらあら♪ いつも愛おしいねぇライラちゃん♡」


「ううるさいわよ!!」


 目の前で起こる会話は日常茶飯事であることをリベアムールは理解していた。


「とりあえず座ってくれ」


「はーーい♪」


「失礼いたします♪」


 リベアムールの目の前に二人の神が座る。


「さて、来てもらって早々で悪いがこの前の話についての答えを聞きたいんだ」


「この前? なんだっけ?」


「ライラちゃん、リーベちゃんがちゃんと言ってたじゃないの……みんなで力を合わせるための契約書を読んできてって」


「あ、ああああああああああ!!!!」


 ライラは脂汗をだらだらと出しながらこの世の終わりのような顔で頭を抱えた。


「あらあら♪ 忘れてたのね♪」


「だ……だってあんな堅苦しい文章、誰だっていやになるわよ!!」


 リベアムールはあきれた様子ではぁ……っとため息を漏らす。そして、黙って後ろの引き出しから一枚の紙をライラに渡した。


 その紙には『六地方緊急同盟契約書』と書いてある。


「今から少し説明してやるから読んで」


「ご……ごめんなさい」


「落ち込んでるライラも愛おしい♪」


 ライラは紙に目を落としながら急いで紙の内容を理解しようとする。

 そんなライラの様子をシェリルはニコニコと隣で見ている。


「今回集まった理由というのは最近また魔物の異常出現が多発するようになった。サーティ地方のケテルネスからはフェンリルの確保情報などが出ている。妾の地方でも生息するはずのない魔物が出現している。それにシェリルのいるフォース地方とライラのいるフィフ地方でも同じ事が起きているとこの前話してくれたな」


「そうなのよーー、最近魔物が悪さしてるからって兵達を派遣したらシック地方に生息する魔物がいたりしてたのよねーー」


「わ、私は! あ……」


「あらあら♪ 何も知らないのね♪」


「ごめんなざいぃぃぃ……」


「……という様に、邪神の活動の広がりが増している事態だ。そこで、そなたらと一時的に協力関係を結ぶ協定契約がしたいという話だ。どうだろう?」


「この資料を読んで思ったのだけれど素敵な提案ではありませんか♪ 契約なんて結ばなくともお互い良神として仲良くしましょ? ね、ライラちゃんもそう思うわよね?」


「ふ、ふん! 別に仲良くなんてしたいわけじゃないけどどうしてもって言うんなら付き合ってあげても良いけど!!」


 どうやら、ライラとシェリルはこの提案に友好的なようだった。特にもライラはお尻に着いた細い悪魔のしっぽが激しく揺らいでいる様子から相当うれしいかったんだろう。

 ともかく、この二人については良しとする。ケテルネスについてはまた話をつけてくる予定だ。前に提案をリベアムール自ら話に向かったときは


「あーーしはあーーしのやり方でやる!!」


 とか言われて断られたけどやはり相手の力も強大だ。確実に倒せるように連携を取るためにもお互い仲良くしたいのだが……急には気が変わらないものなのか……


「そういえばリーベちゃん、マキナちゃんにはこの話の事は伝えたのかしら?」


 シェリルの言う『マキナちゃん』とはセカン地方を統べる『”知識神アテナ”マキナ=グラウコーピス』の事である。


「ああ、あいつは自分からこちらに出向くことができないから手紙を送った。しかし、おかしいことに返事が返ってこないのだ。心配だが、妾も仕事がある。それに先に話を進めていたケテルネスの方が優先だ」


「じゃあマキマキのことどうすんのーー?」


「そうだな……止むを得んがあいつらに頼むしかない」


 あいつらとはケルトたちの事だ。また、新たな依頼として地方に向かわせればリベアムール自身も仕事を並行してこなすことができる。契約が結べるかはケルトたちの仕事の結果にもよるが……


「リーベーーあいつらって誰?」


「最近、面白い人間を雇ってみたんだ」


「ふーーん、どれくらい面白いの?」


「神権を使用して黙秘する」


「何よそれ!! あーーあ、もういいもん!!」


 ライラは頬を膨らませて、椅子から立ち上がると部屋の隅にあるソファーに向かって寝転がり、いじけ始めた。


「あらあら、ライラちゃんたら♪ そういえばリーベ、わたくしのところにも面白いことを言う人族がやってきたわねぇ。何て言ったかしら自分の事を『異世界人』だなんて言ってたかしら? 

 素っ頓狂なこと言う人族だったから面白くて色々お話聞いたんだけどどうやら同じ『お仲間』を探してたみたいねぇ」


「異世界人だと?」


「ええ、確か名前がメフユって言ってたかしら。聞いたことあるかしら?」


「ふむ……聞いたことないが、異世界人と名乗るその者はどうした?」


「ここは面白い地方だととてもほめてくださったから自由にしてって言っちゃった♪」


 シェリルは褒められたことがうれしかったのか両手を頬にあてて、身体をくねらせる。9つの尻尾もブンブンと左右に振られていた。


 シェリルのお人よしの良さは相変わらずなのだがそんな異世界人と名乗るよくわからない者がいることに少々何か疑問を抱く。エスデスの力で様々な異変が起きている中で異世界人などと言う素っ頓狂なことを言われては警戒をしないわけがないのだ。


「そなた、もしそのメフユと言う異世界人を名乗るものが我らが世界を脅かすものだとしたらどうするのだ?」


 本人も一応分かっているとは思うが危機感があるか確認を取る。


「その時には……わたくしが……始末しますわ。気持ちよく、冥界に葬ってあげる」


 いつものシェリルの優しそうな表情が消え、鋭い口調となる。その様子を見てリベアムールは一応、安心する


「そういうリーベも……気をつけなさいよ。どんなおもちゃを拾ったのか知らないけど……私たちを邪魔する者なら、あなたが一番分かってるわよね?」


「ええ、その時は全力で消すつもりだ」


「……うふふ♪ ならいいわ♪ さて、契約についてはここにいるわたくし含めてライラちゃんも契約を結ぶに承諾と言う形で……良いわね? ライラちゃん?」


シェリルの表情が戻り、いつものおっとりとした顔に戻る。


「はーーい、良いですよーーだ!」


ライラは顔も向けず、足をじたばたさせながらソファーに顔をうずめたままでいた。


「あらあら♪ うふふ♪」


 これにて、リベアムール、ライラ、シェリルの三柱は邪神討伐のための協定契約が無事結ぶことができた。


 しかし、シェリルの話していた『異世界人』とやらについてやはり心残りがリベアムールにはあった。


 ケルトたちに何か関係しているのかは分からないがそのメフユと言う突然現れた存在の調査も頼むか……今後も仕事は増える一方だ……


「ねぇりーべぇ……」


「なんだ?」


「私もその面白い人族見てみたい……会っちゃ駄目?」


 ライラはつぶらな瞳に涙を貯めながら顔を向け、リベアムールにおねだり顔を見せつける。


「いずれ会うかもな」


「え! ほんと!? やったぁ~~♪」


 ライラは笑顔で両手を上げ、喜びながら、空を飛び回り始める。

 リベアムールはやれやれと思いつつ、再び次の資料へと目を向けるのであった。




神の名前の変更:ライラ=サタナエール

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