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5 スペシャルスペック その2

<登場人物>

古河 経→ケルト


佐野 卯月→ユシリズ


増岡 柳太郎→ユウビス


岡田 学人→ガクト


三ツ矢 弾→ダン


阿野部 慎→アマ



 俺はこの威力に動揺を隠し切れなかった。ぽかーんと突っ立っている俺を尻目にアマは余裕な表情だった。


「ふ~ん……やり過ぎた」


≪『電気支配』の能力により以下のスキルを行いました≫


 応用スキル:電磁砲(ショックガン)

 属性:雷

 効果:貯めた電流を100メートル先まで一直線に放出する。

 威力:中~超特大




「お前……雷使い?」


「そうらしい」


 俺はこいつが少し怖くなった。あまり怒らせるようなことさせてはならないと強く心に決めた。俺がほっとしたのもつかの間、遠くからユシリズの悲鳴が聞こえてくる。


「なんだこれーーーー!!!」


 なんだ!? 敵か!?


「アマ! いくぞ」


「ほい」


 俺達はすぐさまユシリズの元へ向かった。向かってみると尻餅をついたユシリズと呆然と立っているユウビスがおり、その先には広範囲に燃え広がった木々の様子があった。


「どうした? 敵でも出たか」


「いや……手から……」


 ユシリズは少し困惑した様子だった。


「めっちゃ燃えてるんだけど」


 アマが言うとおり火の燃え広がり方は尋常じゃなかった。この辺に火元はあったか?


「さっきなんか遠くから光が出たと思ったら、俺たちの目の前の木が吹っ飛んでそれに驚いて腰をがぬけて……そしたらこいつの後ろから今度は火が立ち上がったんだ!!」


 ユウビスの状況説明を聞く限り、間違いなくアマのスキルの被害者だな。アマあとで謝っとけよ。そして尻餅をついたユシリズが口を開く。


「いや、あの、これは多分俺がやったと思われる」


 木々に発火している炎の量は尋常ではない。まさか……俺は慌ててユシリズに確認する。


「お前……ステータス見たか?」


「え? それはなんだ?」


「いいから確認して」


 俺がそう言うとユシリズは目線を前に向ける。


≪ユシリズ様のスペシャルスペックは解析済みです≫


≪解析率60%で表示します≫


 Name:ユシリズ

 SEX;男

 スペシャルスペック:

火術者(アグニスト) Lv.2】


 SSステータス:

 破壊性:SS 支援性:C

 応用性:A 成長性:S

 自己防衛性:A


 初期スキル

 :【武術:極】

  一般人よりも優れた格闘・体術を使う事ができる。


 :【火炎支配】

  自ら生み出した、または外部から生み出された火を自在に操ることができる


 :???

 :???


「どうだった?ユシリズ」


「俺……能力手に入れたぜ……」


「おめでとさん」


<<『火炎生成』の能力により以下のスキルを行いました>>


 応用スキル:大発火


 属性:火


 効果:火を瞬時に生み出し、手前に大きな爆発を起こす。


 威力:小〜大



「あ! スキルゲット!」


 どうやらこの流れからすると、俺達全員が能力持っているのでは無いのだろうか。こんなに順調に事が進んでるということはもしかしたらもしかするかも。俺はユウビスに目を向ける。


「ユウビス、も一応ステータス確認しておいて」


「え? お、おう」


≪ユウビス様のスペシャルスペックは解析済みです≫


≪解析率60%で表示します≫

 Name:ユウビス

 SEX;男

 スペシャルスペック(SS):

時操者タイムキーパーLv.2】


 スペシャルスペックステータス:

 破壊性:B 支援性:SSS

 応用性:D 成長性:C

 自己防衛性:SS


 初期スキル

 :【時間支配】

 空間やものに対する時間の流れを自在に操る事ができる。時を巻き戻しや早送りが可能



 :【時間無効】

  外部からの時間による空間的支配を無効化にする

 

 :???

 :???


「え?俺、こんなの持ってたの?」


「やっぱりか」


 俺はユウビスの反応から一瞬で察することができた。こいつも能力を持った。一体どんな能力なのだろうか。すごく気になる……


「ユウビスはさぁ、能力はあった?」


「うん、あったにはあった」


 ユシリズが躊躇なく聞いた。ナイスタイミングだ。


「どんなの?」


「えっと……多分、時を操る系だよ」


 ユウビスは半笑いで答えた。


「え!! いいなぁ!!」


「まじかよ」


 ユウビスもアマもうらやましそうにしていた。内心俺もうらやましく思っている。


「ちょ、なんかやってよ」


「なんかって何だよ」


「えぇーー時間ならでわのものがあるだろーー」


「は? どうやるんだよ」


 その時、ユウビスのシステムが反応する。


≪『時間支配』を使いますか?≫


「なんか出た、これで『はい』?」


≪確認しました≫


≪巻き戻し? 早送り?≫



「巻き戻すか」



≪確認しました≫


≪『時間支配』発動≫


 するとみんなの目の前の荒れ果てた一角の木々や地面が吹っ飛ばされたものは逆再生のごとく元の場所に戻るように地に綺麗に戻り、燃えた木々も灰が一気に緑の巨木に元通りとなった。


「……戻った」


 スキルを使った本人も見せられた俺たちも唖然としていた。俺は改めて思う。俺たちはやばいのかもしれない。まぁまだよく分からないけど、自覚しなくても良いのかもな。逆にしない方が何かと平和そうだし。


「そう言えばケルトはどんな能力だったんだ?」


 ユウビスが聞いてきた。そういえば言ってなかったか。


「なんか俺はよく分からんけど、俺の見解では能力を作る能力らしい」


「……は?」


 一同は固まっていた。俺なんか言ったか?

 アマは吹き出す。


「お前が一番強いぞ」


「え?」


「ちょっとやってみてよ」


 アマに促されて俺はシステムに伝える。


≪エラーが発生しました≫


「あれ?できない……」


「まじ?」


 もう一度試す。


≪エラーが発生しました≫


「やっぱだめだよ……」


「よく分からんな」


 何だろう、俺はみんなと違って操れていないのかな?でも、化け物に襲われたとき使えたよな。うーん……よく分からない。もう少し探る余地があるのかも。


「まあ、いつか出るよ」


 俺は半笑いで言った。


「楽しみにしてるさ」


 思ってねーだろユウビス……

 ユシリズが周りをキョロキョロする。


「そういえば、ダンどこ行った」


 辺りを見回すと確かにダンの姿がない。


「どこ行ったの!?てか、ガクトのトイレ長いわよ!」


「なんで女の子口調なんだよ」


「え?一応女の子だから」


「今更かよ!」


 辺りを見回すと確かにダンの姿がない。


「この足跡ダンのじゃね?」


 ユウビスの見つけたその足跡は池に沿って森の奥へ続いている。


「行ってみよう」


 俺たちは足跡を頼りに森の奥へ向かった。足跡は森のかなり奥まで続いている。それに伴い、木が益々生い茂り、薄暗く、不気味な雰囲気が漂い始めた。


「おぉーーい! ダン! どこだーー!」


 俺は大声で叫びながら歩いた。

 しかし、その言葉に対する返答はなく、森の中にただ吸い込まれいくだけであった。さらに奥に進むと木々に囲まれ、行き止まりになった空間に入った。そこで俺たちは1つの大きな墓を見つける。足跡はこの墓の後ろに続いているようだった。


「ダン!大丈夫か!?」


 俺たちが墓の後ろに回る。見るとガクトとダンが倒れていた。


「ダン!大丈夫か!?ガクトお前トイレどこまで行ってるんだよ!」


 ユウビスがダンとガクトの肩を揺する。しかし、起きない。揺さぶっても、叩いても、殴っても、つねっても起きない。


「駄目だ、起きない」


 ユウビスは額の汗を拭った。


「何が起こってるんだよ……」


 ユシリズが不安げに言う。俺も何が起こっているのかは分からない。けど、明らかにこの森自体が大変危険な場所である事だけは感じることができる。そしてこの空間だけ空気が違っている気がした。


 何かがいるに違いない。そんな事を思ったその時、墓から黒い靄のような物が溢れ出て、その靄が一点に集まり始める。


「今度はなんなのよ」


「だからなんで女口調なんだよ」


「女だからよ」


「それやめて」


「え?なんで」


「キモい」


「いや♡」


 俺とユウビスの夫婦漫才じみた会話しているうちに靄は1つの塊となる。


「本当に注意したほうがいいわね」


 ケルト、アマ、ユウビス、ユシリズは身構える。


 黒い靄の塊はやがて上半身だけ男の姿となった。黒い顔から目が赤く光る。男の姿をした靄が口を開いた。


「ワレノニワニシンニュウスルモノ、ワレココノアルジ」


「うわ、喋った」


 ユシリズが退く。


「庭? ここの事?」


 俺は墓の周りを指差す。


「ワレノニワ、モリゼンタイ」


 俺はある事に気づいた。


「なるほど…こいつか、どうりでおかしいと思った」


「なるほどね」


 俺に続きアマも理解したようだ。


「何が分かった?」


 ユウビスが疑問の表情で聞く。


「こいつがこの森全体を仕切っている」


「うん」


「俺達、今まで歩いてきたよね? 大体3時間もだ」


「そうだけど……ん?」


「おかしいと思うだろ、ずっと歩いてるのに『出口が見えない』なんて」


「ああ! そうだわ」


「そう、多分俺たちがいるところはゲームで言う『迷いの森』にいるのかもしれない」


「じゃあつまり……」


「こいつ倒さねえと出られないかもなって話よ、多分こいつのせいでじじいもガクトも寝てるのかも」


「なるほど」


 俺達の会話に割り込み、上半身が男の姿の靄が話す。


「ゼンインワレノニワノイチブトナレ」


 男は手に黒い靄を集め、俺たちに手を伸ばす。


「暗黒魔法:神経【睡眠術(スリープ)】」


 そう何かぶつぶつと言葉を言うと靄の玉が飛び出す。

 俺たちは飛び出し、避けて、受け身をとった。


「能力持ったし、やるよ!!」


「おす」


「うぃ」


「やったるぞ!」


 俺は緊張している。今の状態で勝てるのかどうか……




最後までお読み頂きありがとうございます!


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2020/03/08 2:03 一部ステータスと表記を変更


2020/07/31/22:07 小説内容を改稿

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[良い点] まだ冒頭なので少しだけですが。 主人公達のやりとりが良いですね〜先が気になります 個性的なキャラで、面白いです
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