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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
1章 妖精ノ園編

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16 エルフ救済

 俺たちは殺し屋達を撃退し、旅を始めてからかれこれ2日はかかっていた。歩いては休み、歩いては休み、日が暮れたら野宿というように旅をしていた。食料はみんなと共同し、落ちている木の実や果物を採集したり、鹿などの動物を狩ったりして調達をしている。テレビで見ていたサバイバル生活番組を俺たちが本気でやっているかのようだ。まあ、本気でやってるんだけど。

 そんな生活も今日で三日目になろうとしていた。今日も長い道のりを歩いていると途中から草木が生い茂り、木々が辺りに立ち並ぶ場所に着いていた。きっと妖精の園に近づいていることの暗示なのかも知れない。


「どうやらここから森みたいだな」


「森林やな~またあの時みたいに迷いの呪文やらが無ければいいんやけどな~」


ダンは生い茂った雑草を踏み歩き、道を作りながら歩いていた。それの後ろを俺たちは付いていく。 俺たちが最初に訪れた森は魔物によって迷いの森に変えられていた経験からダンの言うことも可能性は無いことはない。


「多分そんなことは無いと思うけど強い魔物がいるみたいだからみんな注意してね」


 俺は周りに注意しつつ、森を進んでいく。森の中は、大きく巨大な木々に囲まれておりその木々に阻まれて漏れ出た日差しがなんとも幻想的で綺麗な雰囲気を漂わせている。普段では感じたことがない神聖な感じが伝わってきた。さすが妖精さん達だ。伊達に森の住人をしているわけではないことが分かるよ。


「それにしても魔物の姿なんて見えないんだが」


 アマの言うとおり、人々からは危険地域とされているわりには、魔物や生物の姿が見えない。何かがおかしい……


 そう感じたそのときだった。森の奥からこちらに向かって走ってくる足跡が聞こえた。


「足音!? また敵か?」


 俺たちは足音の聞こえる方向に構える。足跡は鳴り止まずに近づいてくる一方だった。俺は息を呑む。草木が動き何かが飛び出した。


「誰だ!」


「お願い切らないで! 助けて!」


 飛び出してきたのは、身長が高めで耳が長く、綺麗な青い目と透き通るような白い肌をしている女性がいたのだ。髪は綺麗なエメラルドの色をしたショートヘア、服は薄い青色のワンピースをきている。大きさから見て俺らと同じ大学生程度に見える容姿だった。


「女の子? 大丈夫か?」


 ユシリズが手を貸して耳の長い女性を起こす。


「逃げて! やつが来るわ!」


「やつ?」


 女性が逃げてきた方からまだ足音が聞こえてくる。それは激しい騒音を響かせながらこちらに向かってくる。こいつは明らかに魔物か何かだと感じ俺たちは再び構える。


「ヴォワワワワワワワワーーーーーー!!」


 けたたましい鳴き声と共に現れたのは巨大な四足歩行のトカゲのような生物だった。皮膚はうろこで覆われており、口には鋭い牙が並べられピラニアのようだった。やつの大きな瞳がこちらをギョロギョロとにらみつけている。


「サーティ地方に生息する爬虫類です! 気をつけて!」


「解析完了したで!」


 ダンの能力によって解析した敵の能力が送られてきた。


<<生物情報を取得しました。内容は以下の通りです>>

 Name:大型ドレイク


 種族:竜


 危険度:B+


一般スキル:[咆哮]


 耐性:[電気耐性] [竜の鱗]


 魔法:

【物理魔法:電撃】……【電球術ボルテックス】【落雷術ライトニング


 詳細情報:この生物は常に体に電流をまとわせている。竜の鱗に覆われ斬撃系統の攻撃が通りません。知力が魔物の中で比較的に高い。


 弱点:腹


「こいつ電気効かないからあと任せるわ」


「じゃあアマはその子を守っといてちょうだい」


 アマと女の子を後衛に置かせて、俺たちは魔物の前に出た。


 敵はけたたましい鳴き声を上げる。


<<発動:咆哮>>


 鳴き声は衝撃波となって俺たちに襲いかかった。


「ぐあぁっ!!」


 俺はなんとか衝撃に耐えたがユシリズとユウビス、そしてダンが吹き飛ばされてしまった。こいつは今までの奴らとは力が違う。知力が高く、自分でスキルの発動を試みれる厄介な相手だった。それにスキルの威力が高い。


「食らえっ!」


<<発動:荒ぶる大気>>


 俺は激しい風圧による衝撃を食らわせるが魔物は微動だにしていなかった。

きっとあの堅い鱗が鎧の代わりになっているのだろう。飛ばされた3人はまだ立ち上がることができていない。今いるのは俺とガクトだけだった。


「せめて、あいつを吹き飛ばせれば……」


「吹き飛ばせば良いんだろ?」


 そう言うとガクトは魔物の方へと歩いて行った。魔物は近づいてくるガクトに向かって体に電流をまといながら襲いかかる。


「ガクト危ない!」


 俺が助けようとしたときだった。ガクトがふと腕を出すと吹き飛んだのはガクトではなく魔物の方だった。よく見るとガクトの腕が変異し、黒に変色していた。高速パンチであの巨体を吹っ飛ばしたのだ。


「なめるなよ、俺を……」


<<ガクト様のスペシャルスペックは解析済みです>>


<<解析率50%で表示します>>


<<情報は以下の通りです>>

Name:ガクト


SEX;男


スペシャルスペック(SS):

変異者(ミュータント) Lv.1】


スペシャルスペックステータス:

破壊性:∞ 支援性:E

応用性:S 成長性:E

自己防衛性:∞


 初期スキル(SSスキル)

 :【身体変異(ウロボロス):人】

 自分の体の形状や質を自由に変えることができる。


 :【自己再生(スーパーバイタル)

 身体のダメージや欠損を高速な自己治癒能力により再生する。


 :???

 :???


<<『身体変異ウロボロス』により、スキルを取得しました>>


 応用スキル:身体硬化


 効果:体の一部又は全体を硬化し、身を守る鎧や強力な武器としても扱うことができる。硬化部分は黒く染まる。


 吹き飛ばされた魔物はまた立ち上がった。殴られた部分の鱗がポロポロと剥げ落ちている。ガクトの身体硬化はあの魔物の鱗よりも硬いことが分かった。たたみかけてガクトは魔物に殴りかかった。魔物はガクトの連撃をくらい、びっしりとついていた鱗もすべて剥がされていた。そしてガクトの最後の一撃が鱗の無い脳天に直撃し、魔物は息絶えたのである。


「はぁ……終わった終わった」


 ガクトの黒く染まっていた右手が元に戻っていく。


「ガクトやっぱりお前もか……」


 俺は初めてガクトの能力を見た。これで俺たち全員が能力を持っていることが証明された。こいつの能力も俺が管理しないとな。相も変わらず強力な能力だ。気が抜けない。そんなこんなで魔物を倒した俺たちは倒れた奴らを起こして集合した。


「ありがとうございます! なんとお礼を言ったら……」


「いや、気にしなくても大丈夫だよ。そんなことよりもどうしてこんなところに?」


「実は私ここの近くにある妖精の園で暮らしているエルフなんです。私、お花摘みにこの森を歩いてたのだけど急にあの魔物が現れて、危うく殺されてしまうところでした。本当にありがとう!」


 エルフの女の子は深々と頭を下げた。


「そうなのか、耳が長かったからそうだとは思ってたけどね。私はケルト! 私たちも妖精の園に用があってきたんだけれどよければ案内してくれないかしら?」


 そう言うと女の子は顔が少し困り顔になった。


「命の恩人ですから案内します。けれども、妖精さんたちは人間が急に来ると驚いてしまうので長に話をしてからでもよろしいですか?」


「大丈夫だよ、私たちは危害を加えに来たわけではないし、長とも話したかったところだったからよろしくお願いします」


 そう言うと女の子は笑顔になる。


「ありがとうございます! ご紹介が遅れました。私はエルフのセルフィアと申します! それでは妖精の園へ案内いたしますね!」


 そうして俺たちはセルフィアの案内によって妖精の園へと向かうことになった。妖精達と仲良くできる期待と何が起こるか分からない不安を胸に。






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