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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
1章 妖精ノ園編

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12 中央国家モリカへ

 俺たちケルト一行は宿屋から離れ、北へと歩みを進めていた。歩き始めてから、2時間ほど歩くと、目線の遠くの方に巨大な建物が見えてくる。きっとあれがワンス地方最大の都市国家モリカだ。

 俺たちがさらに歩み続けると、距離が近づくにつれてこの都市の巨大さを感じることができた。都市の周りは城壁がそびえ立ち、出入り口である巨大な門は分厚い木犀の木々でできている物でとても頑丈そう。門にはこの国の兵士であろう重そうな鎧に身をまとった兵士達が門番をしているのが見えてくる。そして俺たちはその門の前までやってきた。


「うわぁ……やっぱりおっきいね」


「すごい、ゲームでしか見たことなかった……生で見るとやっぱり迫力が違う……」


 サラとユウビスがそびえ立つ門を見上げた。


「これってどうやって入るんやろ?」


 ダンはキョロキョロ入り口付近を見る。


「えっとね、あの門番さん達に話しかけてこの都市に入るための入場料を支払わなきゃいけないの」


「ちょっと待ってサラ……入場料なんてあるの?」


「うん! だからね、お母さんからみんなの入場料ももらってるからこれで中には入れるよ!」


「え? エルマさんが!?」


「みんな都市への入場のことなんて分からないと思うからって持たせてくれたんです。あ!気にしないでくださいね!!入場料は100Gで安いですから」


 エルマさん……なんていい人なんだ。

 無知な俺たちにまさか入場料まで出してくれるなんて……後でいつかお礼をしないと。


「サラ、本当にありがとう」


 俺は一礼すると、サラはあたふたとしていた。


「別に良いのよ!さあ、入る手続きしましょう!」


 俺たちは門の近くに進むと門番が左右から出てきて道を阻む。近くで見ると結構しっかりした素材の鎧のようでその輝きから、一流の騎士達が集まっていることを察することができた。門番達は手に持っていた大槍を見せつけるかのように威嚇をしてくる。


「此処は我が神リベアムール様が統治するワンス地方最大の国家モリカである。此処にはどういった理由で入国だ?」


 サラが俺たちの前に出る。


「私たちは此処で買い物をしたいの!やっぱりモリカの商品の流通はすごいですからね♡」


「なるほど、それでは我が国の忠誠金100Gを払ってもらおうか」


「はいどうぞ!」


 サラはポケットから小さな袋を取り出して渡し、門番達がそれを確認すると塞いでいた道を開いてくれた。


「確かに受け取った!! ようこそ愛と豊穣の神に守られた都市へ!!」


 門番の声と共にあの分厚い門は大きな音を立てて開いた。


「さあ、いきましょう!」


 そう言うとサラはるんるんと門の中へと入っていった。俺たちもそれに続いて入っていく。

 入った途端たくさんの人たちで賑わっており、生き生きとしている。大きな一本道の通りはまるでお祭りの屋台のように出店が並んでおり、果物や魚などの食料品から首飾りや髪飾りなどのアクセサリーまで売っていた。

 あまりの人の多さから俺たちは少し戸惑いを感じたが、前世で行った東京の街に比べたら屁でもなかった。


「どう?来てみて」


 サラが俺の顔をのぞき込んでくる。

 サラの顔はわくわくしているような感じだった。


「驚いたよ!あんなに人と会わなかったのに此処にはたくさんの人がいるなんて」


「外は最近危険になってきてるから仕事以外はみんなここにいるからね。年中フェスティバルなのよ♪」


「サラちゃんは此処に来たことがあるんかいな?」


「はい!小さい頃、お父さんとお母さんによく連れてきてもらってました!

…でも、お父さんが死んでからは此処への買い出しはすべてお母さんがするようになってあまりこれなくなっていたんですが」


 サラは少し顔が暗くなるもすぐに顔をあげて笑顔になる。


「でも、ケルトちゃんや皆さん達と出会ったおかげでまたここに来ることができました!ありがとうございます!!」


 この子はほんとに強い子だ。自分の家族を亡くしても前向きに生きようとすることができるのはすごいことだ。きっとエルマさんもそんな感じなんだろう。


 俺は優しくサラの頭をなでてやった。


「ケルトちゃぁぁぁん!!!!!♡♡♡」


「だから急に抱きついちゃだめぇ!!」


 サラは気持ちが落ち着くまで待った。

 この不意打ちで抱きつくのはだめだよ……


「それでは私は買い出しに行ってくるので皆さんはお店など見に行ってみてください!」


「サラ、1人で大丈夫か? 女の子一人で行くのは危なくないか?」


 ユシリズが気にかけてくれたようだ。


「いえ、私は此処のこと分かるので私は一人でも大丈夫です! 此処のマーケットは結構いろんな物があるんですよ! 皆さん見に行ってみてはどうでしょうか? 1時間後にこの先の広場で集合にすれば迷うことはないです!」


 サラが指さした広場はこの大通りを抜けた先の場所にあった。中心にある大きな噴水が目印となっていてわかりやすい。


「それでは行ってきます!」


 そう言うとサラは籠を手に提げ、人混みへと入ってしまった。

 サラを見送った後、ユウビスは苦笑いをして言った。


「まぁこの通りなら一本線で迷わないから、俺たちも見に行ってみるか」


「行ってみよう! なんか面白い物ありそうかも」


 サラが言ったように俺たちはその提案に乗り、このマーケットを見て回ることにした。売っている物はリンゴやバナナ、オレンジのような実や鮭のような魚など前にいた世界に似た物がある。それぞれが取れたてのようで、スーパーに売っている物よりも新鮮でおいしそうだった。


「そこのお兄さん達!! 見かけない顔だけど新入りかい? これ食べてみなさい!」


 俺たちはお肉屋の出店の前を通ったとき、元気の良いおっちゃんが俺たちに試食品をくれた。受け取ると串にはトカゲのような生物が串刺しになって丸焼きになっているもので、前の世界にはないことが分かる。みんな初めての物を食しようとするときは意外と戸惑う。


「これ食べれるの? トカゲだよね?」


「いや、ほら、異文化交流みたいな物だから見た目だけの判断は良くないよ……」


 アマとユウビスがこのトカゲの丸焼きを口に運ぶことができないでいた。確かにその見た目はグロテスクで食欲がそそられない。簡単に例えるなら、あのワラスボみたいな物だ。

 その光景を見て、俺は関係なしに口に頬張った。


「はむっ!! もぐもぐ……」


 俺が豪快にかぶりついたのを見て、一同は驚きの顔を見せる。


「そんなにおなかすいてたんかいな! 味の方はどうなんや!?」


 食べてみると、食感は固めだが、鶏肉のような味がして醤油ベースのような香ばしいスパイスが効いてとてもおいしかった。これはこれでいける。


「うんま~♪ おじさんこれすごいおいしい!!」


「それは良かった!! これはミニリザードの丸焼きでこの町の名物の1つなんだ!!お嬢ちゃん可愛いから特別にただで6本もっていきな!!」


「ありがとうおじちゃん♪」


 お金のない俺たちにはただでもらうことはとてもラッキーな物だった。


 それからというもの……


 果物屋ではおばさまにもかわいがられ、


「あら~♡人形さんみたいな子ね~これ持って行って!」


 と果物の盛り合わせをもらったり、アクセサリー屋ではおじいさんにも、


「わしにもお前さんくらいの可愛い孫がおってなぁ、うちの孫にそっくりじゃ。その首飾りお代はいらないから持って行きなさい」


 と首飾りをくれたり。


 その後、行く先々で俺のメロメロパワーかどうか知らないが、このマーケットの人は可愛い子にはただで物をくれるみたいだ。日本では考えられない。みんな良い人達だった。


「お前すごいな……確かにお前可愛いけど、ここまでとは」


 ユウビスはジト目で俺のことを見るが、俺はお菓子屋でもらった棒付きキャンディーに夢中だった。歩き疲れた俺たちは一足早く広場で休憩をとることにした。俺たちはもらった食べ物を食べながらベンチに座っていると近くにいた2、3人のおばさん達の噂話が耳に入ってくる。


「聞いた? 最近この町都市にも奴隷商人が来てるらしいの。何でもひとけのないとこで人を襲って商品にしたり別のところに売ったりするみたいなのよ~」


「それはこわいわぁ~気をつけないと~」


 この世界にもやはり奴隷制が存在するのか。

 この時はまだ、物騒な話だな程度にしか聞いてなかったのだった。












 別の場所にて。


「んぅ……此処はどこ?」


 私が目を開けるとそこは薄暗いとこだった。ランプの明かりだけが私を照らし、部屋の様子は分からない。分かるのは私が檻の中に入れられていることくらいだった。


「あれ……私……確かみんなと別れて、買い物の途中に……」


 その後が思い出せなかった。私はどうして此処に? 色々と頭がパンクしそうだった。


「あ、起きたね。だいじょうぶですか~?」


 後ろから男の声が聞こえ、驚いて振り返ると私と同じおりに入れられた男の子がいた。


「誰なの?」


「僕わぁ~右京、いや……今はメフユ。此処は奴隷商人の倉庫だよ。君はどこからきたの~?」


 状況について行けなかった。でも私が即座に思ったのは……

 皆さん……私を助けて……







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2019/12/25 一部地の文を修正

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