幕間〜ケルトの女の子事情〜
TSと言えば!!回です(〃ω〃)
夜、宿屋の自室に戻った俺は1人鏡の前でもじもじとしていた。勿論、俺は男から女の子になってしまったのだから自分の身体に何らかの違和感があってもおかしくはない。部屋で1人になり、改めて自分の体を見直す。すらっとした身体付き、抱きしめられたら潰れそうなほど小さくなった肩幅、ツルツルで純白な白い肌、そして白髪の長い髪の毛。もうこれは完全に女体化のテンプレが詰まった身体なのだが、やはり自分で見ていて恥ずかしいものがある。
「本当に女の子になっちゃったんだ……」
TSしてまず最初にやること……そう、膨らんだ自分の胸を触ること!! 男の子なら絶対やる行為……まさか、俺がやる時が来るなんて思わなかった。勿論、女の子の身体など触った事は歳と同じ程無く、ドキドキと期待が高まって行く。
意を決して俺は自分の胸を鷲掴みにした。
「んぅ……」
自分の胸を揉もうとしてみるが、思っていたよりもぺったんこで少しがっかりだったが触った瞬間、服の布が胸の先端に擦れ、少しくすぐったくて変な声が出てしまった。危ない、こんな声を他人に聞かれていたら死ぬしかない。上半身はこれで良い。下半身は……その……股辺りがやはり違和感でしかない。前までは男としての証拠がついていたのだが、無くなってからはバランス調整がつかめない。
スカートを履いている時なんて特に風通しが良くてスースーするし、トイレだって……ああ!! 思い出したら自分で恥ずかしくなってきた!!
あれ……俺……女の子の日ってあるのか?
……いや、今はやめよう……
サラから貰ったシャツだって、なんか胸のあたりに違和感あるし、パンツだって……お尻がキュッてなって変な気分になってくる。
女の子はこんなきついパンツを履いて過ごしてるのか……
お風呂の後、パンツをまじまじと見ていたところをサラに突っ込まれた時は恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ちになったのは嫌な思い出だ。
これも慣れなきゃいけないのか……
そんな感じで、なんやかんやで自分でも女の子になった事に悩みを抱えていた。
「本当に……やっていけるのかな……みんなは受け入れてくれるのかな……」
心配する癖のある俺は仲間達からの目の方が心配だった。
みんなの前では女になってしまったのだからしょうがない! とか前向きに言ってしまったけどどうしたらいいものか。
「歩き方とかも矯正しなきゃいけないのかな? こう……」
ベッドから立ち上がり、鏡の方を見ながら自分が見てきた可愛い女の子の歩き方を真似してみる。
我ながら目の前にいた自分が中々可愛いので少しずつノリノリになってくる。
「あれ? 案外、いける?」
そんな変な稽古をしていると急にドアが開く。
「ケルトーー! 起きてるか……って……」
「あ……」
ユシリズと目と目が合う。
ユシリズは鳩が豆鉄砲を食らった顔をして、俺は女の子歩きの途中から静止したまま、顔がひきつる。
「ごめん」
そう言うとユシリズはゆっくりと閉めようとするのを俺は焦って止める。
「いや何見てはいけないもの見て申し訳なさそうにする母親みたいな反応して去ろうとするの!? 入っていいよ!!」
……で、なんとかユシリズを引き留めて、部屋の中へと入れた。
「……それで、どうしたのこんな時間に?」
「いや、みんな寝たから起きてっかなって」
「そうなんだ。ねぇユシリズ」
「ん? どうした?」
「あのさ、少し聞きたいことがあるんだけど良い?」
「何だよ? 勿体ぶらず話してみろよ」
「……俺、女の子になっちゃったけど、気持ち悪くない?」
「……はぁ? 何言ってんだ?」
「いや、ほら……俺がこんなになっちゃったからみんな受け入れてくれるかなって……」
ユシリズは少し、無言になってから俺の方に目を向ける。
「お前がたとえどんな姿になっても記憶が変わらないならお前はお前だ。確かに、みんなお前が女になってることは内心驚いてる奴が多いと思う。けど、経はケルトだし、ケルトは経だ! 今まで付き合ってきてお前を受け入れてきてるんだ。女になった事くらい受け入れるに決まってる」
ユシリズの言葉が心に響き、涙が出そうになる。
しかし、それをグッと堪えてそれを笑顔に変える。
「えへへ、よかった……」
「お前……そう言うとこだぞ」
「へ? 何が?」
「お前、女の適応力が高すぎるんだよ! そんな初っ端からえへへなんて言えねーーよ!!」
「そうかな?」
「そうだよ……まるで前の姿が嘘みたいだ」
「……ユシリズーー♡」
そう言って、俺は後ろから胸を強調するようにちっぱいを押し付けながら、後ろから抱きつく。
「だぁーー!!!! 止めろい!!!!」
ユシリズは顔を赤くさせて振り払おうとする。
女って楽しい。そして、男ってちょろい!!
これで女になって良かった事が少し増えました。
俺はこれからこの体で頑張っていきます。
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