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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
5章 同盟交渉編

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111 汚物は焼却炉へ

 アマとダンがキュマイラを撃破している最中、場面はケルト達に変わる。ケルト、アルト、ライザはドロドロに溶けてそれでも尚戦う意志を見せているアンドルフとの決戦が始まろうとしていた。

 俺はは一度死にかけた。しかし、ライザの力によって助け出された事を忘れはしない。何としてでもライザさんを助ける。その為にも、こいつを倒さなくてはならない。

 俺はもう一度アンドルフのステータスを確認すると伏せられていたスキルが更新されていた。


≪スキルが更新され、解析率100%になりました≫

 name:アンドルフ=オルフィレス


 種族:豚鬼(オーク)


 スペシャルスペック:【魔学者(メイジ)

<初期スキル>

 ・【高速学習(ファストスタディ)】(スペシャルスペック専用スキル)

 ・【高速詠唱】

 ・【魔法制御・呪殺】

 ・【魔法知識・極】


狂乱者(ベルセルク)

<初期スキル>

 ・【身体変異・異形】

 ・【肉体強化・極】

 ・【怪力】

 ・【発狂の対価】(スペシャルスペック専用スキル)

≪所持スキルソート≫

 スペシャルスペック・・・【魔学者(メイジ)】【狂乱者(ベルセルク)

 基本スキル・・・【身体変異・異形】

 応用スキル・・・【増殖】【触手化】【液体化】

 特殊スキル・・・【高速学習】【高速詠唱】【怪力】【発狂の対価】

 一般スキル・・・【魔法制御・呪殺】【魔法知識・極】【肉体強化・極】

 EXスキル・・・【異端者の刻印】

 耐性・・・【物理攻撃弱点】【特殊属性弱点】【火属性耐性】【風属性弱点】

≪魔法≫

 全物理魔法取得

 暗黒呪文:呪殺・・・【呪霊術】【闇球術】

 暗黒呪文:覚醒・・・【異形術】【暴走術】

 暗黒呪文:降魔・・・【麻痺術】

 神聖呪文:天啓・・・【魔法吸収術】

 特殊呪文:禁術・・・【即死術】

 特殊呪文:汎用・・・【浮遊術】


≪スキル詳細≫

 発狂の対価・・・弱点がランダムで3つ増える代わりに弱点に対しての【高速再生】が発動する。



 流石ライザさんだ、ギリギリまで奴のステータスを解析してくれていたんだ。お陰で敵の能力が丸裸である。なるほどね、この発狂の対価って言うスキルのおかげで弱点でも自己再生されてたんだ。つまり実質無効化状態。だけど、痛みはかなりあると言うまさに発狂者に相応しいスキルだ。……ん? 火炎耐性? あれ? さっき、ライザさん普通に火属性魔法で攻撃してたような……


「ライザさん、一つだけ良いですか?」


「手短にね」


「こいつ、火炎耐性持ってたならどうして火属性魔法を?」


「よくスキルを見て、『弱点に対して高速再生が発動』」


 あ! そう言うことか、つまりライザさんは弱点以外の攻撃で無理やりダメージを負わせたと言うパワープレイを見せたのだ。


「でも、どうして火属性魔法を?」


「……私が1番好きな属性だから」


 単純明快、たったそれだけの理由だったがその言葉には真言な気持ちが込められ、その瞳はブレてはいなかった。この瞳の感じはどこかリベアムールに似ている。強い意志を持って決断してきた女の勇ましい瞳だ。俺は静かに縦に首を振り、目の前の敵に集中することにした。


「よくもやってくれたな」


 そう言ってまたしても、アルトがアンドルフへと向かっていく、アンドルフも言葉に出来ない怒りによって大きく咆哮すると、ドロドロに溶けた肉が触手へと変わりアルトへ襲い掛かる。しかし、ここはアルトは避けようとせずにそのままぐるぐる巻きにされて拘束されてしまった。


「アルト何やってるの⁉︎」


「……なぁご主人、お前の力少し使ってみても良いかな」


 そうアルトが呟くとアルトの様子が少しおかしい。さっきまで捕まって焦っている様子があるのだが、至って冷静だった。そして何やら、アルトに絡み付いている肉がプルプルと震えだす。アンドルフもどうやら異変は察知していた。


「たぁあああああ‼︎‼︎」


 アルト声を上げると自身を拘束していた触手を自ら腕の力で内側から引きちぎって見せたのだ。


「ええぇ!?」


「相手の能力がわかったんだ。なら奪えば良いんだ」


≪アルトが【能力作成】使用、以下のスキル獲得≫

 name:【怪力】

 種別:特殊スキル

 効果:自身の力を底上げし、物理攻撃ダメージを大幅に増加させる。


 name:【肉体強化・極】

 種別:一般スキル

 効果:自身の運動能力を持続的に向上させる。物理攻撃ダメージの増加、超人的運動神経で動く事が可能になる。


 俺のシステムにアルトが勝手に作ったスキルが表示される。分身体であるアルトも俺の能力をもう使いこなしたようで最も容易くスキルを生み出してしまった。


「折角だから他のも貰っとくか、ついでに耐性もつけときたいし」


「ああ! ちょっ⁉︎」


 俺が止めようとした時にはもう遅かった。システムから大量の通知が届く。


≪以下のスキルを作成しました。簡易表示します≫

<魔法>

 ・全物理魔法取得

 ・ 全暗黒魔法習得

 神聖呪文:天啓・・・【魔法吸収術】

 特殊呪文:汎用・・・【浮遊術】


≪暗黒魔法が一定以上取得したので全暗黒魔法取得に変更されました≫


<耐性>

 ・物理攻撃無効

 ・基本属性無効

 ・状態異常無効


 どんどん出てくる文字の羅列に俺はポカーンとしていたが、このままではアルトが好き放題してしまう。


「中々良いんじゃないか? 便利なスキルを持ってるご主人だ」


「アルト‼︎ もうやめなさい‼︎」


 俺はまるで母親のような言い方でアルトに向かって怒鳴る。急に怒った俺を見てアルトは驚いていた。


「え……だって沢山作れば俺たち強くなって……」


「この力は誤って使うと大変なの‼︎ だから無闇矢鱈に使うのはやめて‼︎ 作っちゃった物はしょうがないけど……話が聞けないなら私の中に戻らせるから‼︎」


「……分かった」


 俺の言葉が伝わったのか、アルトが無闇に能力を生み出すことを止めさせる事ができた。

 少し、落ち込んだ顔をしたアルトだったが顔を直ぐに変えてアンドルフの方へと向かった。

 俺も負けじとアンドルフの方へと向かっていく。アンドルフが伸ばす触手が襲いかかってくるも軽々と交わす事ができる。身体が軽い……これが肉体強化の力か……作ってもらってよかったと一瞬頭によぎったが……


 そして、近づいてみたものの物理攻撃が効かないなら近づいても意味ないのでは?と思ったがまたライザさんが次の魔法のために魔力を溜めてくれている。

 俺たちは前衛でアンドルフからライザさんへの気を逸らすために動く。



 攻撃を避け続けて、気がつくとライザさんの杖がまた光輝く。


「ケルト! 離れろ! また行くぞ‼︎」


 そう言ってアンドルフの下に赤い魔法陣が出来上がる。

 ここで俺は良いことを思いついた。


「アルト! 私たちも魔法使うよ!」


「ああ、行くぞ‼︎」


 そう言って俺たちライザさんの作った魔法陣に向けてそれに重ねるように魔法陣を作る。すると出来上がった魔法陣がさらに大きくなり、アンドルフの周りを包み込む。

 そして、3人は息を合わせて合図し魔法を放った。


≪詠唱:合体魔法 冥界焼却炉(インフェルノ)


 赤い魔法陣から生み出されたのは赤黒い炎、その中へアンドルフは包み込まれ、悲痛な叫び声を上げていた。俺たちはそのアンドルフの肉が一つでも残らないように魔法を行使し続ける。全てが燃え尽きるまでその苦しんだ、声までもが消えてなくなるまでに燃やし続けた。

 そして、数分経って、俺達は魔法を解いた。そこにはアンドルフの姿は無く、もはや液体となった肉すらも蒸発して消えてしまった。燃やしていた時、別に怒りなどがあったわけじゃない。ただ、敵であっても殺さなくてはと必死になっていた自分の気持ちが少しだけ恐ろしくなった。殺されかけた時の気持ちが蘇り、『殺さなくては殺される』そんな思いも気持ちの深いところにあったに違いない。

 俺がアンドルフが居たであろう焼き焦げた地面へと向いているとアルトが俺の中へと帰っていく。

 そして、ライザもそれに合わせて声をかけてきてくれた。


「ケルト、ありがとう。奴を倒せたのもお前のおかげだ。本当に……まさか、貴方に助けられるなんて思いもしなかったから本当びっくりよ」


「ライザさん……」


 ライザは笑顔で俺に近づくと俺の頭を撫でてくれた。

 ライザさんが撫でるとどこか心地が良く、撫で慣れていると言ったような感じだった。


「私も、多分生きていたら今は君くらいの歳になっている妹がいるんだが……」


「……妹さん、亡くなったんですか?」


 俺はその言葉自然に出てしまっていた。話した時にはデリカシーが無いなって思ってしまったけど、ライザさんの話が聞きたくなったから遂、出てしまった言葉なのである。


「……ああ、魔物の襲撃に巻き込まれてね」


 その言葉を言う時、少しライザは唇を噛み締めているのが見えた。俺はその話をもっと聞きたくなった。


「ライザさん、私でよかったら聞かせて下さい! 貴方の妹さんのこと」


「貴方に他人事を聞かせても……」


「他人じゃ無いです‼︎ 私達はもう友達です‼︎ それに、私はライザさんの事がもっと知りたいから……図々しいし、役に立たないかもしれないけど……私は貴方の話が聞きたいの‼︎」


 俺が真剣にそう告げると、ライザは少し驚いた表情を見せたが、直ぐにもその顔は緩み、はにかみながら溜息を漏らすと近くの椅子をテーブルから引いてここに座るよう促した。お互い隣り合って椅子に座るとライザは帽子を脱いで

 杖にかける。


「本当に面白い子ね君……良いわよ話してあげるわ。最悪の日の出来事を」


 そうして、ライザは俺に過去の事を語り始めた。





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