99 啓蒙ノ塔 第1階層
今日は12時投稿って言ってたのはあれは嘘だ(^∇^)
塔の守護者を倒したことによって、塔に入る事を許された(?)ので塔にやっと入ることができる。
塔の扉は何の風変りもない大きな木の扉である。この先に様々な試練が待ち構えていると思うと不安な気持ちとどんなことが待ち受けているのかワクワクしてしまう好奇心の心がせめぎ合っている。これが男の子の証であり、男の子の運命と言うものである。
「みんな、入るよ?」
「「う……うん」」
俺が扉へと手を伸ばすと塔の扉は木と石がこすれる音と共にゆっくりと開かれる。
俺たちはその扉の先へと恐る恐る入って行くと目の前には人の身長ぐらいの石碑が置いてあり、それ以外は特に何もない。上に向かう階段もなければ下に向かう階段も扉もない。ただただ空洞である。
「なんやねん? これだけかいな? 俺はてっきり魔物とかが潜んでるのかと思ったで」
「ダン、お前の目で何かわからないのか?」
「ん、見てみるわ」
ダンとアマが部屋の中を物色している中、俺はどうして目の前にある石碑を調べないのかと言う突っ込みを心にしまいつつ、俺はその石碑へと歩み寄る。
普通の石のようにも見えるその石碑から少しだけ変なオーラを感じる。石碑には文字が刻まれており、俺でも読めるくらい石碑は劣化してはいなかった。
”汝、己の知識を示せ。精霊が宿いし4つの知恵、自然を揺るがす3つの力。7つの知識をこの間で示せ”
石碑にはそう書いてあるようだ。
「うーーん、だめや。この部屋には壁紙がおしゃれなこと以外は特に目ぼしいものは無いみたいやで」
ダンたちの調査はどうやら何の成果も得られて無いようだ。
「おーーいみんなーー!! ちょっと来てぇーー!!」
俺がブンブンと手を大きく振ってみんなを呼ぶ。
「この石碑を読んだけど、多分これが先に進むためのヒントなのかも?」
「読ませて」
アマも黙々と読むと、なるほどっと一言だけ呟く。
「何かわかった?」
「うん、多分だけどここで魔法を唱えるんだと思う。エルマさんから少し魔法について教えてもらってたから。この”精霊が宿いし4つの知恵”ってのは精霊魔法の事。精霊魔法も火炎、疾風、氷結、地震の4種類だからこれに当てはまる。そしてこの”自然を揺るがす3つの力”っていうのが物理魔法だと思う。これも電撃、衝撃、重力の3つを表している。”7つの知識をこの間で示せ”つまり、ここで7種類の魔法をここで披露すれば良いはず」
「そうなんや、なら魔法がすぐできるのは……ケルトちゃんだけやな」
「私が7つの魔法を作れば良いのね? OK! 任せなさい!!」
と、言うことで俺のスキルで魔法を生み出すことにした。えっと……確か……火炎、疾風、氷結、地震、電撃、衝撃、重力、この7つの魔法を使えるようになりたい!!
そんな風に思ったら、早速システムの通知が届く。
≪【能力作成】の効果で7つの魔法・1つのスキルを獲得しました≫
魔法:【精霊魔法:火炎】全習得
【精霊魔法:疾風】全習得
【精霊魔法:氷結】全習得
【精霊魔法:地震】全習得
【物理魔法:電撃】全習得
【物理魔法:衝撃】全習得
【物理魔法:重力】全習得
スキル名:【魔法知識:極】
種別:一般
詳細:【上級】までの魔法を使うことができることを表す。
よし、これで全部取得したっと。まぁ、最初は適当に上から唱えていくか。
俺は、手を前に出し、魔法詠唱に集中すると目の前に赤い魔方陣が生まれる。色から察するに精霊魔法の火炎の詠唱の準備ができたのだろう。とりあえず適当に……
≪詠唱:【精霊魔法:火炎】火種術≫
魔法によって赤い魔方陣から勢いよく火の塊が出ると地面に火種と言うより、火だるまがそこに置かれる。
「「「おおぉ……」」」
3人揃って魔法で作られた炎に声が出る。そして、この部屋の壁の一つの紋章が赤く光る。よく見ると周りの壁には柄のような紋章があり、それも7種類ある。つまり、この紋章の明かりが確認の印なのだろう。
そうと決まれば、早速魔法の詠唱をしていくことにした。
≪詠唱:【精霊魔法:疾風】竜巻術≫
今度は魔方陣が現れ、目の前に自分の身長ほどの竜巻が生まれる。すると一つの壁の紋章が緑色に光る。
ここからは同じことを繰り返し行うだけなのでダイジェストでお送りするよ!!
≪詠唱:【精霊魔法:氷結】冷却術≫
青い魔方陣から冷たい冷気が解き放たれ、射線にある物が凍り付く。
≪詠唱:【精霊魔法:地震】創石術≫
茶色の魔方陣が地面に現れ、ごつごつとした石が地面から生えてくる。
≪詠唱:【物理魔法:電撃】落雷術≫
黄色の魔方陣が空から現れ、一光の雷が地に落ちる。
≪詠唱:【物理魔法:衝撃】殴打術≫
橙色の魔方陣が俺の目の前に現れ、魔方陣から衝撃の音波が放たれ、壁に直撃する。
≪詠唱:【物理魔法:重力】重圧術≫
地面に紫色の魔方陣が現れ、魔方陣の範囲の地面が陥没する。
それぞれの魔法の行使が終わると壁には魔方陣にあてはめられた7つの色の紋章が光輝く。
全ての色が光を取り戻すと、石碑の前に天へと続く薄緑いろの光が出現した。
「これ、もしかしてテレポーターってやつやないか!? これで次の階に行けるかもな!!」
「これが第一の試練だったのね。結構簡単じゃない、この調子なら順調に行けるかもね! よーーし、次へ行こう!!」
3人は出現した光の中に入ると一瞬にしてその場から姿を消した。





