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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
0章 女体化転生編

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9 残された家族たちへ

Q,システムって何?

A,この世界で主人公たちの手助けをしてくれるコマンドバー

 今のところ転生者にしか見えないようだが……

 まぁ……詳しいことはしかるべき時が来たら説明しましょう


<登場人物>

古河 経→ケルト


佐野 卯月→ユシリズ


増岡 柳太郎→ユウビス


岡田 学人→ガクト


三ツ矢 弾→ダン


阿野部 慎→アマ



 金髪美少女の包容力と明るい無垢な笑顔に負け、お金がないのに店に入ってしまった俺たちは少女に手を取られてフロントに向かった。

 そこにはこの少女と瓜二つのような金髪の女性がいた。


「ママ! 旅人のお客様だよ!」


 どうやらこの人はお母さんだったらしい。

 おっとりとした感じで片側だけ編んでまとめた髪がとても若々しく、大学生ですと言われてもおかしくないほどの美人だった。あと胸が大きい……。


「あらあら、いらっしゃいませ~此処のご利用は初めてですよね?」


 ニコッとした笑顔が娘さんと一緒でかわいらしく、デレてしまいそうだった。

 いかんいかん、そうじゃない、ちゃんと断らないと。


「すいません、折角来たところ申し訳ないんですけど、おれ……私たち全員分の宿代が足りなくて帰ろうとしてたところだったんです」


 俺は素直にお姉さんに話した。


「えぇー! 泊まってくれないんですかー! 折角サービスしようと思ったのに……」


 少女は不機嫌そうに口をとがらせた。


「そうだったのーー? あら? あなたたち珍しい服を着てるわね?」


 お姉さんは俺たちの服装を珍しいものを見るような顔で言った。

 そういえばこの世界に来てからも、前の世界の服装のままであった。


「あなたたちこの辺りの人じゃないのかしら?」


 お姉さんは頭にはてなマークが浮かんでいるような顔になった。


 俺はここでありのまま自分たちのことを、何があったのかも正直に話した。


「別の世界からやってきた?」


「そうです。気がついたらあの森に倒れていたみたいで、その後はいろいろありましたけど何とか抜けることができて……」


 お姉さんは森と聞いた途端驚いた顔をした。


「森ってあの迷いの森ですか!?あそこは一般の人なら決して立ち入っては行けない場所でしたのに……入ったら最後、あの森からは2度と戻っては来られないって噂が……」


 少女が青ざめた表情になった。


「そこには……私の……」


 お姉さんのさっきまでの笑顔が急に沈み、静かに目を遠くに向けていた。その先は俺たちが歩いてきた道の方を向いていた。


 するとダンが急に俺の腕を引っ張ると耳打ちをしてきた。


「なぁ……森のあのお化けを倒した時に落ちたあのペンダントってもしかして」


「私も思った……」


 俺はポケットからペンダントを取り出す。


「そのペンダントは?」


「実は森の中でこれを拾いまして」


 俺はお姉さんにペンダントを渡すと、口に手を当てて驚いた様子だった。


「これは……夫の……?」


「やっぱりあなた方のでしたか、それだけじゃないんです、それが落ちていた近くにはお墓もありました」


 それを告げると、女性は膝から崩れ落ち、大量の涙を流した。


「やっぱり……やっぱり、あなたは……」


「お母さん!? お母さん大丈夫!?」


 少女は泣いている母親のそばに駆け寄る。

 お姉さんは大粒の涙を拭うと俺たちに顔を上げた。


「このペンダントは間違いなく私の夫であり、この子の父親であるウェスタ=バニランテのものです、昔、仕事であの森へと仲間と行くと言って、私の夫だけ帰ってきませんでした……」


「え!? じゃあこれはお父さんの……」


 少女は自分の父親の事情を察したらしく、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。父親の死に悲しむ2人の姿を見て、俺たちはただ見守ることしかできなかった。しばらくの間悲しい空気が漂い、その時間はまるで長く感じた。


 時間が経つと、お姉さんは立ち上がり赤い目をこすってこちらに顔を向ける。


「ごめんなさい……お客様の前でこんなところを見せてしまって……ちゃんとしなくては……」


 少女もそれを見て赤い目をこすり、またあの明るい笑顔を見せた。


「お兄ちゃん達、お父さんを連れてきてくれてありがとう!」


 俺たちは静かにうなずいた。


「本当にありがとうございます!よろしければここに泊まって言ってください!お代は結構ですから」


「いやいやそれはさすがに悪いです!」


 俺は全力で遠慮した。お金がないからって、6人分の宿代がチャラなんてさすがに快くは受け入れづらい。


「いえいえ、お礼をさせてください!愛していた人の帰り道を導いてくださったのですから」


 少女は俺の手を握る。


「泊まっていってください!何か困ったことがあれば何でも力になりますから!」


 さっきまで悲しいことが起きていたのに、笑顔は輝きを取り戻していた。

 どうやら本当に俺たちのことを信頼しているらしい。

 そんな笑顔をされたら押し負けるに決まってるじゃないか。


「分かったよ、それじゃよろしくお願いします」


 俺たち6人は一礼する。


「私はここの女主人のエルマ=バニランテ、この子は娘のサラ=バニランテです」


「サラです!よろしくね!」


 こうして俺たちは2人の美女、美少女のいるこの宿屋に泊まることにした。ここでいろいろとこの世界についての情報を聞こう。この人達のたくましさを見習って、俺たちもこの世界で生きる希望を持たなくては。


……それにしてもお母さんの方のおっぱいもなかなかのものですな……。


 俺、このお母さん好きになっちゃうかもしれない。

……何考えてんだ俺は。



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