【肆の巻の登場人物一覧】
・猫風蒼雲:十五歳。化け猫を使役して悪鬼悪霊と戦う「猫使い」の一族、猫風家の次期当主。灰色の長毛猫・風霧と、白黒の長毛猫・雲風の2匹の化け猫を使い魔として使役している。蒼魔刀という太刀を祓魔に使う。この国の霊的守護の要、天御柱の術者で、戦闘系呪術師で組織される兵部に所属している。現在は、天御柱の下部組織である霊泉学院(高校に相当)に通っている。幼い頃から化け猫との生活を強いられてきたので、一般常識に疎く、ストイックな性格。
・御鏡裕樹:十六歳。植物の精霊を使役して悪鬼悪霊と戦う「木霊使い」。天御柱の術者。御鏡家は剣術を得意とし、裕樹も、妖樟鬼切丸という宝刀を使う。猫風家とは、ペアを組んで戦うことが多く、蒼雲とペアを組んでいる。霊泉学院(高校に相当)に通っており、猫風家の東京の屋敷に下宿中。十歳まで自分の家の秘密を知らされず呪術とは無縁の生活をしてきたため、一般市民の感覚に一番近い常識人。
・賢木:田原つゆ子の家に生えていた榊の木の精霊。裕樹が呪術で呼び出した。
・猫森梓乃:十五歳。森の一族の「猫使い」猫森家の長女。同じく霊泉学院に通っている。三毛長毛猫の七枝を使役している。弓術を得意とする呪術者の卵。猫森家の猫使いは、幻術を得意とするが、梓乃も、七枝とのコンビで強力な幻術を使いこなす。言動はおしとやかなお嬢様。蒼雲とは家同士が決めた許嫁同士で、「蒼雲の人となりを知るために」という名目で、猫風家に下宿している。すでに猫使いとして活躍している兄と、幼い双子の妹がいる。
・遠山雅哉:十五歳。役小角末裔と言われる遠山衆の跡取り息子。遠山衆は、山岳修験の流れをくむ呪術集団で、仏教系の呪符を用いた退魔術を扱う。徒手空拳の使い手。一族の期待を一身に受けているため、人生に悲観的。
・賀茂光李:雅哉の姉。幼い頃から、雅哉の母、弥生の実家である暦道を扱う賀茂家で養育されたため、雅哉もここ数年ほとんど会っていない。暦道を用いた占術のエキスパートで天御柱の呪術師。現在、占司の京都本部に所属。
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・猫風蒼龍:風の一族の猫使い猫風家の当主であり、蒼雲の父。「猫使い」各家の頂点に立ち、天御柱の最高責任者でもある。多くの化け猫を使役するが、普段は、虎風、龍風という2匹を連れている。厳格な性格で、息子の蒼雲には、幼い頃から非常に厳しい修行を課している。霊泉学院では、蒼雲や裕樹たちのクラス担任を務める。
・猫風瑠威:故人。猫風蒼雲の母親で、蒼龍の妻。優秀な猫使いだったが、蒼雲が三歳の時に、蒼雲をかばって死亡。
・御鏡俊樹:裕樹の父。御鏡家の現当主。裕樹が子供の頃は、表向きは樹木医としての仕事をしているように見せていたが(実際に樹木医の仕事もしているが)、実際は呪術師。蒼龍とペアを組む木霊使いであり、天御柱一の使い手と評される剣の使い手。裕樹や蒼雲たちのクラスの副担任。蒼龍と対照的な穏やかな性格だが、息子たちの修行には妥協しない。
・風守宗徳:蒼雲の専属従者として仕える初老の男性。風守家は、代々、猫風家に仕える風の一族の一員。宗徳の息子・宗鷹も蒼雲の専属従者を務めている。猫風家には、東京の屋敷だけでも三十人ほどの使用人が仕える。ちなみに、「宗」が付く名前は従者としての役職名のようなもの。
・風祭光流:猫風家所属の天御柱の術師。兵部でも十指に入るほどの式神法の使い手。多くの場合、猫風家当主である蒼龍の側近として護衛任務に従事。
・賀茂弥生:警察庁刑事局超常現象捜査班(通称K-SICS)の統括班長。左右非対称のショートボブに、ボディコンシャスなミニスカスーツがトレードマークで、年齢よりも若々しく見える。精神感応系の呪法に精通し、精神への干渉、感情や記憶の強制的な読み出しなどを得意とする。遠山雅哉の母親。遠山富嶽とは夫婦。雅哉には、心理カウンセラーをしていると長年信じ込ませていた。雅哉の他に娘(光李)もいる。
・遠山富嶽:超常現象捜査班の防衛省側組織(通称J-SICS)の隊長。普段は市ヶ谷の統合幕僚監部に勤めている。役小角の血を引く修験道系の呪術集団・遠山衆を束ねる頭領。ガタイが良く、圧倒的なパワーで戦う徒衆空拳の使い手で退魔法に優れた術者。存在だけで魔を圧倒する迫力を持ったような人物。遠山雅哉の父親。
・梨木賢太郎:SICS所属の術師。弥生の側近。
・猫森柾一郎:猫森家の長男。次期当主。警察庁警備局に勤務。弓術のほか、猫森家の長子にのみ伝えられている近接格闘術「森の牙」の使い手。使い魔は、長毛黒キジトラ猫の森景。
・猫塚耀次郎:警察庁警備局所属の呪術師。警備局にいる「猫さんトリオ」の一人、猫塚家の次男。使い魔は、茶トラの長毛猫の塚姫。式神法を得意とし、通信網を利用した追跡呪法のスペシャリスト。首都防衛のためのネットワークを管理している。
・森川:佐々木とは同級生コンビ。聞き込み等を行う捜査班に所属しており、相手の意識を阻害する呪法に優れ、記憶の一部を消すことができる。裕樹と梓乃を火災現場に案内するのに同行した。
・佐々木:森川とは同級生コンビ。裕樹と梓乃を火災現場に案内するのに同行した。佐々木と森川は、遠山雅哉の姉、賀茂光李の学院時代の同級生。
・田原つゆ子:秩父を拠点に活動していた七十代の呪術師。神降ろしや人霊の降霊を得意とし、信奉者も多かった。口寄せの巫女と呼ばれていた。除霊にかけて超一流ともいえる術者だったが、SICSから依頼されたある事件に失敗し行方不明になっていたが、秩父の山中での御霊寄せによって召喚され、蒼雲に後のことを託した。
・犬成:SICSの兵部の呪術師。式神として複数の犬を召喚して使役する狗神使い。
・金守良正:SICS所属。結界術を担当する術師の中でも最強のチームと言われる金守班を率いるリーダー。天御柱の呪術師。一定の領域を強固な結界で覆い、一般市民への影響を最小限にすることができる領域結界のスペシャリスト。
・藤崎:神楽坂家の事件の際に派遣されたSICSの担当官。
・深大寺:神楽坂家の事件の際に派遣されたSICSの担当官を束ねる責任者
・猫火烽尚:火の猫使いと呼ばれる、猫火家の次期当主。隠り世の業火の扱いに優れており、神楽坂家の事件の際、鬼火の消化を担当するために派遣された。
・吉兆瀬麻衣:霊泉学院の同級生。非戦闘系の呪術師の卵で、2組1班(2−1クラス)所属。占術と、神降ろしを得意とする。蒼雲たちとは弓術の授業を一緒に受けている。
・神楽坂祥子:霊泉学院の同級生。非戦闘系の呪術師の卵で、2−1クラス所属。神楽坂家は、代々、巫女舞を用いた鎮魂術を生業とする。蒼雲たちとは弓術の授業を一緒に受けている。神楽坂家の地下に封印されている呪物が狙われる事件があり、祥子の両親や使用人などが殺されている。
・丸山:神楽坂家の使用人。祥子の送迎を担当する運転手の一人だったが、土蜘蛛衆に利用され、神楽坂家の信徒の殺害等に関与。SICSに逮捕された。
・神楽坂三宝子:祥子の母。天御柱の呪術組織としての「神楽坂家」の当主。巫女舞を継承し、地下神殿に祀られた「あるもの」を代々守ってきた。
・神楽坂弥栄子:三宝子の年の離れた妹。神楽坂家に同居し、巫女舞を担う。天御柱の術者。
・神楽坂祥馬:祥子の父。神楽坂家の敷地内に立つ御玉神社の神主。天御柱の術者。
・潜木麻由香:吉兆瀬と神楽坂の所属する2−1クラスの担任の一人。かつて、花田萌の担任もしていたことがある。神楽坂祥子の母、三宝子の一学年下の後輩に当たる。
・真山:SICS所属の術者。弥生の部下として会議に参加。操作資料を管理している。
・田山:裕樹の鳥取出張任務を補助した中務の担当官。普段は学院内におり、生徒の出張任務の事務を担当している。羽田空港まで同行し、裕樹に色々と説明をしてくれた。
・斎藤:航空会社のスタッフとして羽田空港に常駐している中務の担当官の一人。
・吉田:鳥取で業務にあたる天御柱の中務の担当官。
・高根沢:鳥取で業務にあたる天御柱の中務の担当官。
・鳥ヶ谷:SICSから鳥取県警に派遣されている特務管理官。SICS の刑部に所属する呪術師。
・林智勇:観世寺の住職。天御柱の呪術師で、霊視のほか、厄除け方位除けなどの祈祷を得意としている。
・木村:ドリーミーという占い館を経営する経営者。所属している占い師の一人、鈴木は、木村の愛人。木村は、裏で『呪い集団ROKU』という怪しげな祈祷を請け負う裏の仕事を経営しており、鈴木の他に、丸田、笠井そして、飯坂という女性を使っている。悪質な霊障や呪殺を伴う事案をいくつか発生させており、丑の刻参りの呪詛の件でSICSの操作対象になっている。
・田淵愛美:市民病院のナース。呪い集団ROKUの顧客で、丑の刻参りを依頼した。
・坂巻利昌:田淵に呪われた相手。実は元々は田淵に対するDVの加害者。
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・土御門典膳:高天原の支配に反抗し国家転覆を企てている、土蜘蛛衆を束ねる術者であり、天赦鬼道宗の教祖。かつて一度調伏されたはずだが、再び暗躍し始めたようである。さまざまな悪鬼悪霊が関わった事件の黒幕であると目されている。わずか1歳で、鬼を操り、両親を呪詛したという噂があり、その呪術の才能をかわれ、土御門家の分家の一派に養子として迎えられた経緯がある。
・戸賀昇:ヨガや自己啓発系のイベント企画運営する『MORINAKAYOGA』という会社の代表。さいたま市出身の二十七歳。戸賀家に養子に入った経緯は不明だが、元々の血脈は土蜘蛛衆の有力呪術師の息子らしい。記憶の操作、人工的な記憶の書き換えなどができる模様。『MORINAKAYOGA』は、天赦鬼道宗の資金源になっているらしい。
・花田萌:神楽坂祥子の従姉妹にあたる。学院を三年途中に除籍になってから神楽坂家で巫女として働いていたが、戸賀と付き合うようになり、彼に利用される形で一族を裏切り、大虐殺を伴う炎上事件を起こした。
どこまで載せるか悩むけど、まだまだ続きます。




