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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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フィロリアルフィーバー

 というわけで、俺達のカルミラ島でのLv上げが始まりました。

 ついでに水中戦闘ができるようにドライブモードのモーターボード形態の研究もしなくてはいけませんからな。

 なーに、大風車などを駆使したら簡単にできそうな気もしますぞ。


 ああ……フィーロたんを背に乗せてモーターボードのように大海原を進むのも楽しそうですな。

 それとも右の足が沈む前に左の足を前に出す、海面走行スタイルが良いですかな……?

 フィーロたんがお義父さんに頼んでやっていたという情報を入手していますぞ。


 俺もその気になればできますが、アレは色々と忙しないですからな。

 もしくはお姉さんのお姉さんがやっていたという深く潜るスタイル……サブマリンモードの開発も良さそうですぞ。

 方法は同じですな。

 カルミラ島はできる事が多くて楽しいですな!


 というわけで、俺達はカルミラ島での生活に勤しみました。

 ああ、もちろん温泉で覗きをするのは鉄板ですな。

 エクレアやお義父さんがダメだと言いますが、ここの温泉は覗き慣れているので造作もなくユキちゃんの要望に応えられますぞ。


 何せ平和になった後、お義父さんが銭湯代わりにここの温泉を利用しておりましたから間取りから何まで熟知していますぞ。

 後年、お義父さんの命令でモグラ達が大拡張したり、覗きづらい改築をしたりしていますが今の段階なら余裕ですな。


 夕陽を背にユキちゃんと浜辺で追いかけっこをしますぞ。


「あははは……元康様ーこっちですわー!」


 ユキちゃんがとても楽しげにしておりますぞ。

 ウフフ……アハハハ……ですぞ!


「まてーですぞー」


 そんな光景を連日港で錬を探してお疲れのお義父さんが見ております。


「ああいう所がなんていうか、元康くんらしいっていうのかなー……ベタ過ぎるというか、どんな所でも楽しんでいるというか……」

「ねーナオフミーサクラもアレやってみたーい。メルちゃんとやったら楽しいかな?」

「単純な追いかけっことして楽しめそうだね。ただ、元康くんの場合は別というか、ね……」

「ああしてユキ殿と戯れている姿を見る限りだとキタムラ殿も勇者らしいと思うのだがなぁ……」


 エクレアも何やらお義父さんと一緒に夕陽を頬に受けつつ呟いておりますぞ。

 楽しいのですから良いのではないですかな?


「ベタな少女漫画のヒーローみたいな事やってるもんねー」

「あたいとしてはあいつ等の後ろで巻き上がる砂が気になるんだけどねぇ……どんだけ踏みしめているんだい?」


 ユキちゃんの足は速いですからな。

 追い付くのには相応に足に力を入れねばなりませんぞ。


「砂上での走行訓練……というわけじゃないだろうね」

「冗談じゃないさね。こんな南の島まで来て修行なんて御免だよ。ここに来る前に定期的にしてるじゃないさね。エルメロなんて浜辺に行くのを見る方が面白いさね」

「エルメロさんはねー……重量あるから動きづらいだろうしね」

「いやってわけじゃないんですよ……魔法で土を固めて走れば問題は無いです。さっき、コウさんと泳いできましたし」

「エルメロ、鼻だけ海面に出して泳げるんだよーコウ羨ましいー」

「まあ……みんな思い思いに楽しんでくれていると俺も嬉しいよ」


 といった感じで、お義父さん達もカルミラ島の日々を楽しんでいる様ですな。

 因みにお義父さんは狩りに出かけた際にペンギンの着ぐるみを早速ゲットしていましたぞ。

 運が良いですな。

 俺はウサギの着ぐるみがよく出ますが、他の着ぐるみはあんまり出ないのですぞ。


 ユキちゃんと追いかけっこしたり他のフィロリアル様たちと遊んだり、俺達は十分にカルミラ島を満喫しました。

 途中でパンダが部下と一緒に狩りに出ている所に遭遇しましたな。

 竹林があるので丸わかりですぞ。


「お前ら! 腕は鈍っちゃいないだろうね!」

「「「へい! 姉御」」」

「行くよ!」


 パンダが先陣を切って魔物を攻撃した後、酒瓶を投げ付け、魔物に命中する前に部下の者たちが竹の反動を利用して魔物に飛びかかり連続攻撃をした後、距離を取りパンダが火を投げつける事で魔物が燃え上がっておりました。


「いっちょあがり! お前ら、動きがよくなったねぇ褒めとくよ」

「姉御! ありがたき幸せ!」


 おー、派手な攻撃ですなぁ。


「わー! カッコいいー!」


 育てているフィロリアル様がそんな光景に目を奪われております。


「野蛮ですわねー……無駄は無いのかもしれませんが優雅ではないですわ」


 ユキちゃんには不評の様ですな。

 アレですな。パンダの切り札なのかもしれませんぞ。


「それで姉御、盾のボンをこの連携に組み込むとしたらどうするんです?」


 配下がそう提案するとパンダが眉を思い切り寄せておりますぞ。


「なんであいつをこの連携に入れなきゃならないんだい?」

「見せると混ざって来るかと思った次第でさぁ!」

「……あー、そうだねぇ。アイツは目をキラキラさせながらはしゃぎそうだねぇ」


 夢見る少年の心を忘れないのはお義父さんの純粋さですぞ。

 最初の世界のお義父さんだとそんな目をしてくれませんからな!

 いや、興味なさそうにしながら見ているような気もしますぞ。

 こう……ぼんやりと見る気もしますな。


「現にそこに槍の勇者がいるので報告されるかと」


 パンダの部下が俺達を指差すと、パンダはしまった! というような顔をしておりますぞ。


「よう、槍の勇者。なんだい? こっちをジロジロと見て」

「お義父さんと一緒に技の研究をしないのですかな?」


 この手の連携をお義父さんは割と好むと思いますぞ。

 お姉さんとは常に息の合った連携をしておりましたからな。

 主にお義父さんが相手の動きを抑え、お姉さんがその隙に攻撃ですな。

 パンダの連携攻撃も似たような代物でしょう。


「攻撃できない盾の勇者がこの連携のどこに入る余地があるって言うんだい?」

「敵の動きを抑える役目をすれば成功率があがりますぞ?」

「そうなると最後の着火で巻き込みかねないねぇ」

「お義父さんなら炎の中から平気で歩いてきますぞ」

「槍の勇者、お前はアイツの事を本当に崇拝しているのかい?」


 パンダが何やら俺に疑いの目を向けてきますぞ。


「当然ですぞ。お義父さんなら無傷で出てくると思いますぞ」


 きっと俺が本気でリベレイション・ファイアストームⅩを放ってもケロッとした顔で炎の中を歩いてきてくださると思いますな。


「信頼ですわね」

「幾ら耐えるといってもねぇ……それもどうなんだい?」

「ならば着火と同時に盾の檻を出すスキルですな。アレで閉じ込めたら炎を良い感じに閉じ込める事が出来ますぞ」

「えぐいねぇ……まあ、まだそっちの方がよさそうかねぇ」


 なんて感じでしたな。


 後はそうですな。

 毎度おなじみカルミラ島で出てくる魔物をサーチ&デストロイをして出来る限りフィロリアル様の育成をしていきますぞ。

 もちろんお義父さんに狩り過ぎで注意されるのはお約束ですな。

 楽しいバカンスですぞ。


 冒険者達へのガス抜きとしてフィロリアル様がアイドル活動として中央の島で連日連夜ライブショーを実施しました。

 ユキちゃんを筆頭にした現地ライブに冒険者は元より、ファン達も集まって島の賑わいはより一層活気づいてきていますな。


「みんなありがとうですわー! また明日来てくれると嬉しいですわ!」

「「「わー!」」」


 ユキちゃんのファンがライブに合わせて光る棒を振ってカルミラ島でのライブがより一層輝きますぞ。


「……イワタニ殿、私の気の所為なら良いのだが、徐々に拠点にしている島の建物が増築されて奇妙な施設になりつつあるような気がするのだが……」

「うん……そうだね。便乗商法が横行するのは元より……こう、冒険者の荒々しい感じじゃなくてオタクの纏う街みたいな雰囲気になって来てる気がする」

「ゼルトブルとも何か違うのは間違いないねぇ……僅か数日でここまで変わるもんかい?」


 お義父さん達が何やら盛況なフィロリアル様達のライブを見ながら呟きますぞ。

 尚、ホテルの窓からは会場が丸見えで見晴らしは抜群ですな。


「はい。私が仕入れた情報だと美少女に出会える島と……口コミでどんどん人が増えてきていて帰る人が減っているそうです」


 ゾウが補足しますぞ。

 これも活気づいている証拠ですな。


「活性化中なので入島制限があるのによくやるねぇ……他の島の方はこっちに比べたら空いているっていうのにねぇ」


 パンダが呆れ気味に応えますな。


「全てがフィロリアルファンって訳じゃないとは思うけど……元康くんがガエリオンちゃんに勝つって目標を聞いているとあながち無理な考えじゃないのかもしれないね」

「島という環境が呼びこんでいる一時的な現象だと思いたい」

「むしろここから広がっていったりしてねぇ。カルミラ島じゃなくてフィロリアル島とか言われたりしないのかい?」

「ありそうで怖いなぁ……温泉も安心して入れないというか……男湯の垣根にファンが一斉に並んでいる奇妙な光景が展開されるくらいだし」


 ちなみにユキちゃん達が入浴をしようとすると一部のファンが暴走して覗きをしようと動いたりしているらしいですぞ。

 覗きだけならば良いですが公然と中に入ってきたら鉄槌が下るのですぞ。

 そして覗いたならばお仕置きまでがセットですな。

 覗いた者の様式美! 罰を受ける事までが重要な流れなのですぞ。


「イワタニ殿もキタムラ殿に注意してあの者達の駆逐をできないか? 女湯を平然と覗かれるような状況がまかり通っていて羽を伸ばす事ができん」

「言って聞いたら苦労しないんだよ。元康くんは聞いてくれる話と聞いてくれない話があってね……」

「……そうであったな……申し訳ない」

「まあ……一応捕縛して島外追放処分になる訳だけど、それでも島に来る人が増える増える……制限はどこに行ったんだ?」

「この島の管理をしている貴族の目が金になっていたねぇ。どんだけ儲けているんだか」

「なんかホテル内にある玉座の間近くで伯爵の笑い声を聞いた気がする」

「……命を冒涜するような悪徳の商人とかをゼルトブルで死の商人って呼ぶんだけどね。その匂いがあの貴族からし始めてるよ」

「僅か数日でここまでとは……勇者の影響力とは恐ろしいものなのだな」

「沢山連れてきたフィロリアルの影響だって言いたいなぁ」


 なんて感じに島は今、フィロリアルフィーバーですぞ!

 こうして俺達のカルミラ島での日々は過ぎていきました。


 最終的に伯爵からの提案でフィロリアル様達は各島の宿を紹介され、そこを拠点として各地でライブを行いました。

 ファンの分散を図り、それぞれの島に人が散っていったのですぞ。


 ちなみに無数のフィロリアル様達によって島の魔物たちは大幅に数を減らし活性化中の狩り場での魔物が溢れて困る問題は解消されたのですぞ。

 山のように獲ってこられる魔物の山を俺とお義父さんで処理する仕事がありましたな。


 そんなこんなでカルミラ島の活性化が終わるまで俺達は島で過ごしたのですぞ。

 島から去ろうとした際に貴族が俺達を必死に引き止めようと熱心な声を出しておりました。

 何でも島の産業としてフィロリアル様達を一定数在留してほしいとまで言われてしまいましたな。


 こんな事はこれまでの周回では一度もありません。

 とりあえず、しばらくはフィロリアル様が交代で駐在する事を約束して、その場は収まりました。


「シルドフリーデンじゃなくて、こっちが聖地になりそうだね……」


 と、お義父さんが呟いていましたが、こちらはイベント巡礼地という事にしましょう。

 フフフ……アイドル活動は大成功ですぞ。

 カルミラ島を占拠しましたな。

 ライバルの入る余地はありませんぞ。


 そんな楽しい島での日々は過ぎていったのですが……当初の目的である錬なのですが、お義父さんが港で見つける事も、俺やパンダ達が狩り場で見つける事もありませんでした。





「……うーん」


 帰りの船の甲板でお義父さんはカルミラ島の方角を見ながら唸っておりますぞ。


「元康くんの話で聞いた錬なら絶対に来ると思ったんだけどなぁ……せっかくのレベル上げの機会だっていうのに……」

「既にカルミラ島でレベル上げをせずに済む段階にまで来ていたのかもしれませんな」


 確かにあの錬がこの機会を逃すのは妙な話ですぞ。

 そもそもゼルトブルで探せという割にどこにもおりません。

 もちろん色々と商人や情報屋を介してコンタクトは取ろうとしたのですぞ。

 ですが全く見つかる気配は無いですな。

 話によると一応、ゼルトブルで錬らしき者がいた事はわかっているのですが、その後の消息は不明ですぞ。


「どうも……こう、嫌な予感というのが拭えないね。早く錬を見つけてあげないと……」


 まったく! 錬はどこをほっつき歩いているのですかな!

 お義父さんを困らせるとはどうしようもないですぞ。

 今度見つけたら逃げられないように色々とやっていかねばいけませんな。


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