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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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槍の勇者のやり過ぎ

「……言いたい事はありますか?」


 お姉さんがハンマーを大きくさせて俺に向かって振りかぶる構えをしております。


「誤解なんですぞ! 俺は誠心誠意お義父さんやお姉さんの言う通りに行動したつもりですぞ!」


 心を鬼にして今度こそ俺は道化を演じて見せました。


「それが何処をどうしたらこうなるんですか!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――」


 お姉さんは焦土の中で月に向かって雄たけびを上げるお義父さんを指差しております。

 もはや数秒後にはループが始まるという状況にお姉さんが現れて、俺を威嚇しております。

 俺だって結構なダメージを受けて、且つ吹き飛ばされているのですぞ。

 ちなみに現在地は元メルロマルクの城跡地ですな。

 お義父さんの放ったダークカースバーニングで全てが焦土と化してしまい、俺以外の者達全員が消し炭と成りました。

 錬も樹も一緒ですぞ。


「……既にループが作動する直前ですね。何をしたんですか! あんなナオフミ様、初めて見ますよ!」

「言われた通りにしましたぞ!」


 お義父さんを助けずに俺は誠心誠意お義父さんを追い詰めたのですぞ。


「どうだか……」


 お姉さんがとても疑り深い目で俺を見ております。


「まず話を聞きましょうか。何をしたのかをちゃーんと教えてください。槍の勇者、貴方はループ開始一ヵ月の間、何をしましたか?」

「陰謀を知りながら、渋々赤豚とクズの策に乗って、お義父さんに冤罪を被せましたな」

「はい。それはしょうがないですね。次です」

「赤豚と一緒に行動するなど反吐が出ましたが、よくよく行動して見ると、狩り場に行って後ろで応援させるだけで、しかも狩りを終えたら割と自由行動で苦痛ではありましたが楽でしたな」


 思えば赤豚は常時俺と一緒に居た訳ではありませんでしたな。

 狩りの時以外は割とエステとか食事とか贅沢ばかりしていた様に見受けられますぞ。

 そういう意味では自由に行動できる時が思ったよりもありました。

 まあ、星の数ほどぶち殺したいのを我慢し、一緒に居る事で胃に何度穴が空いたか分からなくなりましたがな。

 何か城の連中は俺が病弱なんじゃないかと噂をしている位でしたぞ。


「なんで貴方の行動を知らなきゃいけないのか疑問に思いますが、そうなんでしょうね。あの方はそういう事をしていたのでしょうし、話をしなくても好き勝手する方なのでしょうね」


 お姉さんもその事はちゃんと理解している様ですぞ。

 ま、夜の自由時間とかにはフィロリアル様を別口で育てて息抜きをしてストレスを解消していたのですがな。

 あ、もちろん他国にポータルで飛んで、その地で育てていましたぞ。

 国の依頼を達成等と言う面倒な仕事も最初の世界をなぞる様にしましたぞ。


「で、なんでナオフミ様が私を連れずにああして物凄い形相で吠えているんですか?」

「わかりませんな。俺は誠心誠意お義父さんを追い詰めたのですが……」

「……追い詰める? 何をしたのか具体的に言いなさい」


 何か徐々にお姉さんの態度が険しくなってきた気がしますぞ。


「そうですなー……まずは毎日お義父さんに顔合わせをして上から目線で「まだこの辺りに居たのか強姦魔!」と、罵ってやりました」

「……」


 お姉さんの表情が更に険しく、殺気を放ち始めた様な気がしますが俺は更に続けます。


「挙句、城下町や街、村にお義父さんが居た場合「強姦魔の盾の勇者だ! みんな! 石を投げろー!」と、煽動しました。みんなヘラヘラとお義父さんに向かって石を投げていて反吐がでましたな」


 お義父さんに冤罪が被さって五日目辺りでお義父さんの持つ盾が憤怒の盾になっていた様な気がしますな。

 いつの間にか禍々しい鎧……スキルで出現したっぽい鎧を着用して殺伐とした目で歩き始めていました。


 で、何故かお姉さんを初めとした奴隷を全く連れておりませんでした。

 Lvは見た感じ、程々に高いのではないですかな?

 多分、俺が関わらずに居た周回よりも高いと思いますぞ。何せ目撃情報では山奥辺りに隠居していたっぽかったですからな。

 人里から離れて仲間無しでどうやってLvを上げたのですかな?


 予測では反撃効果で魔物を仕留めていたとかでしょうか。

 絡んだ冒険者が消し炭にされたとか噂があったそうですぞ。

 クズ辺りの話だと、そろそろお義父さんを賞金首にしようとか戯言をほざいていた気がしますぞ。


 で、波が起こった時、お義父さんは波の亀裂に向かって走り出し、次元ノキメラを消し炭にして高らかに笑っておりました。

 後は戦勝会の時に予定通りに俺が赤豚とクズの策略に乗り、お義父さんに喧嘩を売って、決闘開始と同時に加減した一撃を加えてやりました。


 まあ、それで一度は倒れたのですが、すぐに起き上がって力を溜めたかと思うと城を覆い尽くすほどの巨大な反撃の炎を放ったと言う所ですぞ。


「――という所ですな」

「これはナオフミ様の悲しみの分です!」


 ガツンとお姉さんが何のためらいも無く俺にハンマーを振りおろしました。

 俺は紙一重でそのハンマーを避けました。


「危ないですぞ!?」


 殺す気ですかな!?

 しかしお姉さん、かなり手加減をしていた様子。

 やがてお姉さんは詰問する様な態度で言いました。


「貴方はそんなにもナオフミ様に干渉したんですか?」


 お姉さんの指摘に俺は改めて考えますぞ。

 そういえば最初の波を経験するまで顔なんて合わせた事はありませんでしたな。


「石を投げろと煽動するなんて……貴方はナオフミ様に恨みでもあるんですね。そうですよね?」

「ありませんな。考えてみれば最初の世界では龍刻の砂時計でお姉さんと一緒にいる所まで、会いませんでしたな」

「ならなんでこんな事をしたんですか!」

「心を鬼にして、お義父さんを追い詰めないといけないと言われたからですぞ」

「限度を知りなさい!」


 お姉さんが強く俺に怒鳴り散らしました。


「最初の世界を辿る様にすれば良いと言ったじゃないですか! 槍の勇者、貴方は冤罪の肩棒を担いだ後は、ナオフミ様に干渉しないでいれば良いんです」


 それは不安ですぞ。

 お義父さんが何時殺されるか分かった物じゃありませんからな。

 とは思ったのですが、お姉さんの剣幕に頷くしかありません。


「まったく……行く先々で石を投げられて周りが敵しかいないと思いこんだナオフミ様が不憫でなりません」

「俺も心を鬼にしたんですぞ。そこは評価してほしいですぞ」

「……殺しますよ?」


 お姉さんが今までよりも更に強い殺気を放って俺を脅しました。

 背筋が凍りついて体が動かなくなりそうです。


「とにかく、もうループするしかありませんからしょうがないですけど、早くナオフミ様達の所へ行かなきゃ行けないんです。早くフィーロに会うために最初の世界通りに行動してください」

「わかりましたぞ!」

「どうだか……」


 お姉さんがお義父さんと同じ言い回しで俺に疑いの目を向けていました。


「とりあえず私を購入させて波を乗り越え、奴隷解放を宣言してナオフミ様と決闘をすればいいんですから、ちゃんとやってください」

「はいですぞ!」


 本当にわかってるのか? という疑惑の目をお姉さんは俺に向けています。


「ではお願いしますよ」


 そう言ってお姉さんがバシュッと姿を消すとループが作動しましたぞ。

 おお……お姉さんをあんなにも怒らせてしまいました。


 ここはお姉さんとお義父さんに、俺なりの助力を内緒でしてあげる必要がありますな。

 そうすればフィーロたんが出来あがった時に喜んで俺にフィーロたんを譲ってくれるかもしれませんぞ!


 という事で俺は次のループに挑んだのですぞ。


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[一言] やりすぎw 転生5日目でカースシリーズゲットって...
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