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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
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セクシャルブースト

 ……?

 これはどういう事ですかな?

 コーラと一緒に居た豚がコーラと残りの豚に魔法を放っていますぞ。


「ブヒ!? ブブ……?」

「え?」


 お義父さんも錬も樹も唖然としております。

 辛うじて顔を起こしたコーラもその暴挙に目を見開いておりますぞ。


「ブブブブヒー!」


 何やら裏切った豚は……若干身なりが良いですな。

 何処となく赤豚を連想しますぞ。


「ブブブブブ、ブブヒブブブブ、ブヒーブヒー、ブブブブブ、ブヒヒヒヒヒヒ!」


 その裏切り豚がペラペラと何やら喋っております。

 お義父さんは唖然とするコーラに目を向け、それから残りの豚へと視線を戻しました。

 それから何故か豚は倒れ伏すコーラを踏みつけましたな。

 何でしょうか? 最初の世界で赤豚がタクトにやっていた事と重なって見えますぞ。


「裏切るのか!」


 コーラが何やら言い放っております。

 これは……フィーロたんに癒された俺のトラウマが少しだけ疼きますぞ。


「ブブブ、ブッブッブヒ」


 我慢できませんな。

 まるで自分は悪くないとばかりに鳴き喚く豚に俺は冷静に近づきながら微笑みますぞ。

 豚は俺の微笑みに反応して飛びつこうとしてきますな。


「ブブブ……ブヒ!?」

「何を言っているか全く分かりませんが、裏切り者は死ね、ですぞ!」


 これに関してはお義父さん達も拒否感は持たなかった様ですぞ。


「ブリューナクⅩ!」

「ブヒィイイ……!?」


 バーストランスはクールタイム中ですからな。

 ブリューナクで消し飛ばしてやりました。

 ガクッと力なく倒れ伏すコーラを見張りながら俺はお義父さん達に顔を向けますぞ。


「それでお義父さんと樹、キスブーストとはなんですかな?」

「え? そっちに戻るの? え、えっと……俺の世界だとギャルゲーとか小説とかの異能力モノで稀にあるんだけど、主人公が異性にキスとかをする事でキスされた異性の持つ異能力が強くなる物があるんだ。どうやら樹の世界にもあるようだね」

「ええ、カテゴリーはセクシャルブースト。能力を一時的に向上させる異能力です」


 なんと、そのような能力が存在するのですな。

 昔の俺が欲しがりそうな能力ですな。


「確かに、最初の速度で相手をしていたら隙を突かれた」


 錬がどう反応したらいいのかと言う顔で頷きましたぞ。


「つまりキスで能力が向上する技術がこの世界にあるのですかな?」


 あるのでしたら俺はフィーロたんとキスをしたいですぞ。

 お! それはダメですな。

 俺は誠実な男ですぞ。

 世界が平和になるまで俺はフィーロたんと健全な交際をしたいのですぞ。


「しかし、これまでのループを含め、キスで能力が向上するのは初耳ですぞ」

「どうなんだろう? 試すのもどうかと思うし……」

「何か悲しくなってきますね」

「尚文、お前は周りに色々といるだろ、試して見るのはどうだ?」

「錬は俺の周りをそういう風に思っていたの!? みんな子供だよ? それより錬はエクレールさんと試してみれば良いじゃないかな!」

「なんで俺がエクレールとしないといけない!」


 不毛な争いをお義父さん達が始めましたな。


「ちなみにセクシャルブーストですがピンからキリまでありまして、下はキス、上は……」


 と言う所で樹は言葉を濁しましたぞ。

 何を恥ずかしがっているのですかな?


「便利そうな能力だね」

「利点はありますが、あんまり歓迎されない能力でしたよ?」

「あー……さすがに能力が強化されると言ってもキスから……ゲフン。までやってまでやらなきゃいけない状況にはならないよね」

「ええ、異能力認定されても隠す人も多い能力でした」


 樹の世界を妄想しますぞ。

 異能力者が集まった入学式。

 教室で自己紹介をする時、俺がこの異能力を持っていたらどう言いますかな?


『北村元康ですぞ! 異能力はセクシャルブーストですぞ!』


 ……豚共だと別に恥かしくもなんともないですな。

 ではフィロリアル様達だったらどうですかな?

 うわあああああ! こんなの耐えられないですぞぉおおおお!


「なんて下心の塊ですかな?」

「そういう事です……パートナーと上手く関係が構築出来れば良いでしょうが、異能力自体、私的に使えば捕まりますし異能力犯罪の鎮圧に……と言っても拒否されるものです」

「身体能力もあがるから……いいのかも?」

「便利な反面、体への負担が多いですから……」


 樹の世界の場合は色々と制限があるのですな。


「結果的に君一人になってしまったけど、ユータ……違うか。藤井寺雄太って言うんだっけ? 君を捕まえて事情を聞くとするよ」

「おや? 何かわかったのですかな?」


 突然の新事実に俺は驚きですぞ。


「うん。さっき元康くんに殺された人がサラッと秘密をばらしてたよ。タクトとは違うけど、この人は俺達みたいに異世界の日本からやってきた、らしい」

「出自不明で、先ほど元康さんが殺した身なりの良い女性と知り合って冒険者として活動していたそうです。あの裏切った方だけ貴族だそうです」

「ただ、投擲具の勇者に関しては良くわからないみたいだ。前の持ち主はこの世界の者だったそうだ」


 おかしいですな?

 こやつが七星勇者を殺して奪ったというのなら、相手は俺達同様異世界人のはずですぞ。


「どちらにしても切り札として使って来たのを奪ったとか、情報リークする事で取り入ろうとしていた感じだったね」

「凄く、胸糞悪かったです」

「だな。仲間にトドメを刺して『私は被害者なんです』は、さすがにな……」

「う……うう……」


 何やら涙しているコーラをお義父さんは抱き起こしますぞ。


「最初の一人はその……謝って済む問題じゃないけどごめん……。だけど、君達が俺達を殺す気で来たんだからこっちもこれ以上は譲歩はしない。君がなんで投擲具を持っていたのか、召喚された訳じゃないのに異世界に居る理由を教えてほしい」

「……お前等が、お前等さえいなければこんな事には!」


 コーラは反省がありませんな。

 まあ、少しだけ気持ちはわかりますがな。


「もう随分と情報は出揃ったので仕留めますかな?」

「なんでそうなるの!」

「……降参すればさすがに俺達も殺しまではしなかった……一人を除いて」


 錬とお義父さんが俺を見ますぞ。

 そんなに見られたら照れますな。

 身体をクネクネさせますぞ。

 おや? 無視されました。


「強さがわからないと言っても最初の衝突でわかっていたはずです。何故継続したんですか?」

「うるさい! 俺が最強になってハーレムを作る輝かしい人生の邪魔をするんじゃねえよ!」

「……君と良く似た人を知ってるよ」


 お義父さんは何やら呆れとも怒りとも取れる目でコーラを見てますな。


「君がどうして投擲具を奪う力を持っているのか、キスブーストが出来るのかを白状してくれない? 悪い様にはしないからさ」

「ケッ! お前等も知ってるだろ! 俺はある日、帰宅途中でトラックに跳ねられて気が付いたら目の前に神――う……」


 コーラが事情を説明しようとしたその時、コーラは頭を押さえながら呻き始めました。


「うぎゃあああああ。な、なにが……頭が割れ、割れ……」

「え? ちょっと! 君!」

「元康さん!」

「俺じゃないですぞ!」

「じゃあ一体何が起こっているんだ……」


 この間にもコーラは頭を抱えて悶え苦しんでいます。

 何に苦しんでいるのですかな?


「ぎゃあああああああ――」


 ブチャっと嫌な音が響き渡って、コーラの頭が消し飛びました。

 それから何か……コーラの立っていた所で光ったのを俺達は目撃したのですぞ。

 なんですかな?

 なんとなく亡霊赤豚が現れた時のような魂のようなモノも消し飛んだ様な気がしますぞ。


「いきなり死んだ……?」

「ど、どういう事だ?」


 お義父さん達がうろたえていますな。

 本当に何が起こっているのかわかりません。


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