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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 槍の勇者のやり直し
432/1289

覗き

「そういえばお義父さん。Lvはどうなりましたかな?」

「Lv38になったよ。強化する素材もかなり使って盾も強化したよ。前に教えてくれたウェポンコピーって奴もこの宿に来る前にやっておいたし、中々強くなったんじゃないかな?」


 服を脱ぎながら俺達は話をしておりますぞ。

 ふむ……お義父さんの体つき、ループ前、最後に覚えている時より僅かに筋肉が付いておりませんな。

 あの頃のお義父さんは100Lv近かったはずですから、当然と言えば当然ですがな。


「スキルに関しても色々と習得して来ているし、ある程度はね? ただ、どれくらい強くなったのか目安が付けられないのが怖いかな。実戦経験も無いし」

「御謙遜を、お義父さんは常に頼もしいですぞ」

「うーん……正直不安かな。Lvだけ高いって頭でっかちで実戦じゃ役に立たないとかあるんだ。俺もネットゲーム経験あるからさ」

「確か有名なギルドのマスターをなさっていたのですよね?」

「ああ、未来じゃその話をしてるんだ? うん、サーバーで三位くらいの大手の首脳陣をやってるよ」

「そうでしたな」

「だけど、それと何の関わりがあるの? まあ、陣形組んで突撃や後退とか簡単な指示とか後方支援とかを学べはしたと思うけど、異世界に来て役立つとはさすがに思えないんだけど」

「何を言うのですかな? お義父さんは経験を元に被害者を少なくする偉業を成し遂げたのですぞ」


 まだ俺が愚かだった頃、周りへの被害を考えずに波のボスと亀裂への攻撃ばかりに意識を集中していた俺達と違って、お義父さんは被害者を如何に少なくするかを考えていたようでした。

 そのお陰で被害は少なかったのでしょう。

 お義父さんは敵地メルロマルクで協力したいと志願した兵士達を指揮して被害を最小限にしたと聞いております。


 その後も様々な戦いでギルド戦の経験を生かしていたのでしょう。

 この元康、お義父さんの指示を受けて己の実力を引き出せていた自覚がありますぞ。

 ですからきっと、今回もお義父さんはその抜群の才覚を見せてくださるでしょう。


「うー……ん。なーんか違和感というか、元康くんの証言が疑わしいなぁ……本当に俺が指揮してた? 誰か別の人に任せたりしてなかった?」


 疑り深いお義父さんですな。

 この念の入り方は覚えがありますぞ。


「間違いないですぞ」

「まあ、元康くんがそう言うなら信じるけど……こういうのって、スペシャリスト相手じゃ通じないと思うんだけど。ゲームで聞きかじった程度で実際に役に立つのかなー……」

「キタムラー背中流しっこー」

「はいはい。わかりましたぞ」


 コウが洗うのをねだるので俺はコウの背中を洗い始めましたぞ。

 入念に翼……翼の付け根に泡立てた石鹸で、汚れを洗っていきますぞ。

 この様な細かな作業がフィロリアル様の美しさに繋がるのです。

 残念ながら基本的にはオスのみどりやコウでしかやっておりませんが、お風呂から出たクーやマリン達の毛繕いは俺がやっておりました。


「くすぐったーい」

「ほらほら、じっとしているのですぞ」

「うん! イワタニも一緒に背中洗おうよー」

「そうだね」


 と、微笑ましく背中を流しっこをしていると垣根からサクラちゃんがフィロリアルクイーン形態で乗り越えてきましたぞ。


「待て! サクラ! そっちは男湯だ!」


 エクレアの声が聞こえますな。


「ナオフミー」

「ああ、サクラちゃん……きちゃったか」

「一緒にお風呂ー」

「ああ、はいはい。エクレールさん、サクラちゃん来ちゃったけどどうしようか?」


 お義父さんがエクレアに声を掛けます。

 するとエクレアが困ったような声を出しながらユキちゃんを注意している様でした。


「どうして私だけ元康様の方へ行ってはダメなんですか!」

「ダメなものはダメだ! サクラもイワタニ殿が注意してすぐに戻ってくる」

「私も元康様とご一緒にお風呂に入りとうございます」


 その問答を聞いていたお義父さんがサクラちゃんを宥めますぞ。


「そんな訳だから、早く女湯に戻ってね」

「えー……じゃあナオフミも女湯に行こうよー」

「え!? ちょっ、ちょっと!」


 サクラちゃんがお義父さんを背負って女湯に飛び込んで行きましたぞ。


「イ、イワタニ殿! どうして女湯の方に来ているのだ!」

「俺の所為じゃないよ! サクラちゃんが勝手に俺を担いできたんだ」

「うん。サクラ、ナオフミと温泉入りたいー」

「ダメだ! 早くイワタニ殿を男湯に返してくるんだ!」

「ぶー……」

「イワタニ殿、今回は必死に手で目を隠しているから不問にするが、注意するように」

「わ、わかってるって」


 すぐにサクラちゃんが垣根を越えてお義父さんを連れてきましたぞ。

 お義父さん、さすがですぞ。

 ユキのお姿はどうなっていたでしょうか。


「まだ私の話は終わってませんわ!」


 ユキちゃんがまだエクレアに抗議しております。

 それにしてもユキちゃんの声は良く通りますな。


「ユキちゃん、私はもう少ししたら女湯を覗きに行きますぞ」

「キタムラ殿!」


 エクレアが何やら不満を漏らしている様ですぞ。

 ですが知りませんな。


「女の子は覗かれることで魅力が増すのですぞ。オープンではその効果も下がるので、楽しみに待っているのですぞー」

「……わかりましたわ! 私、元康様が見て下さるように体を洗って待っていますわ! ……そして見てもらえた暁にはみんなより魅力が上がっている事請け合いですわね」

「そ、そこで納得して引き下がるのか、ユキ……」


 エクレアの声が小さくなりましたな。

 サクラちゃんもお義父さんに注意されて渋々帰りましたぞ。


「ふふん。裸体を見せてしまったサクラは上がる魅力の効果が低くなってしまったわよ。これに懲りたら男湯に行ってはダメですわ」

「えー? サクラはサクラだからナオフミやモトヤスと一緒にお風呂入る方が良いなー……」

「何が何やら……とにかく、二人ともちゃんと体を洗ってから、湯船に肩まで浸かるんだぞ」

「はーい」


 と、ユキちゃん達が静かに体を洗い始めた様ですぞ。

 それから数分、若干赤くなったお義父さんを心配しながら女湯の方に意識を向けます。


「ほっこりー、良い湯ー……ぶくぶく……」

「サクラ、湯船で寝ちゃダメだぞ!」


 ボフンと音が聞こえましたな。


「ぐー……」

「だからってその姿で居れば溺れないとか知恵を巡らせるんじゃない!」


 エクレアが小うるさい姑みたいな事を言っておりますな。

 なんとなくお義姉さんを思い出します。

 今頃なにをしているやら。


「ああ、エクレールさんの方も大変だ……」

「さて、そろそろ覗く時間ですな」

「元康くん、本気で覗くつもり?」

「当たり前ですぞ。ユキちゃんとの約束なのですぞー」

「止めようとして止まる元康くんじゃないのはわかってるけど、やめた方が良いと思うんだけどなー……ユキちゃんは見たって言うだけで満足してくれるだろうし」

「お義父さん、嘘はいけませんぞ」

「いや、だからって覗きが正当化されるのはおかしい気もするんだけどな……」

「ささ、コウ、足場になるのですぞ」

「足場になったら何かあるの?」

「頬を撫でてあげますぞ」

「じゃあコウ足場になる!」

「なっちゃダメだよ!」


 お義父さんが注意致しますがコウは俺の頼みに従って、フィロリアルキング形態になって背中に乗せてくれましたぞ。


「ほら、お義父さんも一緒に見るのですぞ」


 思い出してみればお義父さんと一緒に女湯という楽園を覗いた記憶はありませんな。

 基本的にお義父さんは女が嫌いでしたからな。

 それもループによって若干の違いが出ているのでしょう。


「うわ! や、やめ――」


 コウが俺の言葉を受け止めてお義父さんの胴体を掴んで持ち上げてくれましたぞ。

 これで垣根を越えて女湯を見れますな。

 という所でエクレアがひょっこり顔を出しましたぞ。


「キタムラ殿……公序良俗を守って頂きたい。キタムラ殿が覗くことで被害を受ける女性の気持ちはわかっているのか?」

「問題ないですぞ。この元康、女湯を覗いて嫌悪などされた事などありませんぞ」

「……はぁ。確かに、キタムラ殿は黙っていればとても顔が整っている……見られても不快感を持つ女性は少ないのかもしれないな。だが、それとこれとは別だ!」

「エクレールさん! ごめん! 俺は見てないから!」


 お義父さんはまたも両手で目を隠している様ですな。

 なんとシャイな御姿、それでは男が上がりませんぞ。

 女は見られる事で魅力が上がり、男は見ることで男を磨くのですぞ。

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