番外編 盾の勇者のモンスタークッキング
「兄さん。こっちこっちー」
弟が電車の乗車口前で俺たちに手を振っている。
その手には大きなスーツケース、背中にはバックパッカーかと思えるほどの大きな荷物を背負っている。
一体、何を持って来てるんだコイツ……。
「はいはい。随分と大荷物を持っていく割に先に行くの早いな」
「そうですね。なんか随分とはしゃいで準備してましたよ」
俺がなんで弟と一緒に電車に乗ろうとしているのかというと……田舎の親戚の所へ旅行へ行くことになったからだ。
もちろんラフタリアも同行している。
親はまだ仕事があるらしく後日、親戚の所に来る予定だ。
アトラ? 後で追いかけて来るだろ。まあ、家の玄関前で暴れてるかもしれないが。
無断で出かけて来たし。
騒がしい音が響いて電車が出発の合図を送っているので俺たちは急いで乗り込んで乗車券に記された席の場所へと向かって座る。
先頭の車両なのは弟の指定だ。景色がみたいとか、その辺りで選んだらしい。そんな電車での旅だ。
「兄さんと田舎だね! 楽しみだなー」
「家でギャルゲとかやってるつもりじゃないのか?」
「それも悪くは無かったんだけどね。気が向いただけさ」
気まぐれね。
「あの田舎、兄さんに色々と手伝いさせるのが目的だろうし、まあこっちは楽させて貰うよ」
「いや、みんなで旅行だろ?」
何で俺が手伝いに呼ばれる事が前提なんだよ。
親は後で合流してから色々とその地域の観光名所とか見に行くだろうし。
「どうだろうね。あ、ラフタリアさん、しっかりと兄さんの横は守っておかないと田舎の連中が労働力目当てに面倒な事を企みかねないから注意しないとね」
「あ、はい」
「だからなんで妙な警戒をお前はしてるんだ……」
ただの田舎だろ。
「ま、楽しい旅行で済むと良いんだけどなー、猟師のおじさんが狩った獲物をジビエ料理でもして食べたいなー」
「そうだな」
結構手伝わされるけどな。
「今回辺りで兄さんに猟銃でも使わせるんじゃない?」
「猟銃というか空気銃だって言ってたはずだが……大事にしてるみたいだし撃たせちゃくれないだろ」
エアガンで野生の生き物を狩るって出来るんだよな。
『エアガンと空気銃は違いますよ? フフ……尚文さん可愛い所あるじゃないですか。変な言い回ししますし』
……なんか脳内で樹に馬鹿にされるような気がするが気のせいか?
「銃ですかー」
「ラフタリアさんの国では銃はあまり使わないかな?」
「ええ、そうー……ですね」
まあ、銃の必要性は異世界では無かったな。
弓の勇者の樹ぐらいだろうな。本気で扱えたのは。
「私の場合は魔物……いえ、動物は切り伏せるか殴って仕留めるでしょうね」
「はは、ラフタリアさんも冗談が上手だね」
んー……まだラフタリアも日本での常識を学びきれてないな。
なんて電車の席に座って雑談をしていると……トンネルに電車が入ってすぐ何か二重というか赤と青の輪郭がぶれるような不思議な感覚が視界で起こってガタガタと揺れる。
ぞわっとなんか、感覚でわかる。
「な、なんだ?」
弟も反応している。
「これは――」
「く……」
何が起こっているのか、それに対処しようと思ったのだけどどうにもうまくいかずに俺たちは――。
フッと二重のブレが収まった直後、照明が明滅してトンネルを出ると同時に……電車がピタリと止まっていた。
窓というか先頭を見ると行く先のレールが無い。
窓から後方を見ても俺たちが通ったトンネルも……無いな。
でー……窓の外は随分と景色が良いというか草原だ。さすがに住宅街近くの山のトンネルを抜けた先でこんな地平線が見える草原は無いだろうな。
まあ、なんとなく感覚だけど日本じゃない所に来ちゃった感じがする。
こう……経験で異世界の空気が分かるというか。
「ナオフミ、さ……ん。これは」
相変わらずラフタリアは俺の事を普通に「さん」付け呼ぶのに引っかかるんだよなー。
様込みで俺の呼び名が定着しているというか、様込みで名前としてたんだろう。
……さすがに様付けられると周囲の目が厳しくなるから慣れて欲しいもんだ。
「ああ……おそらくな」
ラフタリアが小声で俺に尋ねてくるので同意しつつアクセサリーの盾に手を添えて精霊や神狩りの力に干渉しようと試みる。
……反応が弱い。
うまく連絡も取れる気配が無い。
何とも嫌な気配だ。
「あれ? いつの間にか電車が止まってる!?」
「どうなってるんだ!?」
電車内の席に座っていた人たちが窓の外を確認して驚きの声と共に混乱し始める。
「み、皆さん落ち着いてください!」
運転していた車掌が運転席から出て来て声を上げている。
間違いなく一番、混乱してそうだ。
「一番混乱してそうだね。あの車掌」
ハハって弟が苦笑してやがる。
気楽な反応だなお前。
「おい! 一体なんだこれは!?」
何かおっさんが車掌に食らいつく勢いで詰め寄っている。
「スマホのアンテナが圏外で繋がってないんだけど?」
「アンテナ立たない!」
「というか何処だよここ!」
「いきなり草原って……」
「おい。あそこ……なんか建物あるぞ」
と、俺が見ていた側の席に居る客が反対側を指さす方へと顔を向けると……確かに建物があるな。
日本家屋じゃない感じの石造りの建物が点在して見える。
村って感じだな。
そっちからクワとか持った日本人じゃない連中が警戒気味にやってきている。
「ど、どうしたら……」
「おいこれってネットの小説とかで見た異世界転生って奴じゃないか?」
「馬鹿、死んでねえから転移だよ」
「え? どっちも同じじゃね?」
「ちげえよ。転生するなら死ね」
「は!? 馬鹿にしてんのかてめえ?」
「召喚って奴だろ」
「誰が呼んだんだよ。術者がいねえじゃん」
ああ、電車内には転生と転移、召喚の区別もつかないふんわりと認識している連中がいるな。
「なんか夢がある状況だね! 兄さん! わくわくするでしょ? こういう好きだったでしょ?」
……弟が俺を理解したつもりで茶化して来やがる。
まあ確かに夢の異世界召喚とか転移って昔の俺ならわくわくしたけど、もうお腹いっぱいだよ。
世界一つというか無数の世界を結果的に救う戦いを乗り越えてやっと日本に帰って来たんだよ。
かといって説明しても信じられないだろうな。
「好きだが実際に起こると困るだろ」
って無難な返事をしておこう。
「そうですね……勘弁してほしいです」
ラフタリアに至っては平和な日本での生活を望んでいる返事だ。
「ただ、ナオフミさ……んが良いというなら私も努力します」
「別にそこまでは」
出来れば早く帰りたい。
この問題も夢オチとかにして元の旅行に軌道修正して処理しておきたい。
けど盾とかその辺りの力がうまく働く様子が無い。
変化させて盾にすることはできるみたいだが。
「そう? 前の兄さんならワクワクしてそうだけど、喜んで永住とか選ぶと思うし兄さんどこでも生活できると思ってるよ」
「間違いは無いですね」
ラフタリアもそこは味方してくれないんだな……本当、否定はできない。
「父さん母さんから自立って割り切りしてそうだなと思うよ?」
「あまり俺を理解したような気になるんじゃない」
間違ってないけどさ。
俺は家に帰りたいの。
「これは……もしやあなた達は異世界から来たのでしょうか?」
外国人っぽい連中が電車内で様子を見ている俺達に声を掛けている。
ラフタリアが前に出ようとしたけど。
「おい車掌! お前が責任者だろ!」
「は、はい」
と、客に電車から追い出される形で声を掛けて来た連中に話をしに行く。
「ま、マイネームイズ……」
「はい?」
言葉は通じてそうだったよな。
見た目だけで英語……にしては発音が怪しい会話を試みようとしていた。
「あ、言葉通じる。えーっと……」
「再度言います。あなた達は異世界から来たのでしょうか?」
「異世界……」
「ええ、この世界では見ない金属の箱らしきものから出て来たので、そうでは無いかと」
「えー……」
ああもう、車掌の反応が鈍い。
その辺りが理解できない一般人ってタイプか。
こういった物語とか楽しんでいた訳じゃない勉強だけしていたような奴。
「ああもう面倒くせ! 俺がやる!」
とまあ、乗客で理解度が高そうなやつが電車から降りて現地民と話をする。
「兄さん、僕が行こうか?」
「行きたいなら行けば良いんじゃないか?」
割と弟はコミュ能力高いしな。
「行ってくるねー!」
ササッと弟がその輪に入っていく。
元気で良いというべきか。
俺も昔だったら同じ反応で行きそうだけど。
「どうもどうも、こっちの乗り物を操縦していた。そっちの文明度が分からないけど馬の騎手みたいな役柄の人だと話が進まないから僕と彼とで事情を聞くよー」
そう言って弟が話をしている。
ま……黙って周囲の確認及び、神狩りの力で交信を試みるしかない。
周囲には……なんとなく近くはないが魔物っぽい気配がある気がするな。
「で、異世界って言ってましたけど、まあ状況的にそうじゃないかとな? それであなた達は僕達にどういった話をしてくださるわけで?」
「ああ……こういった現象が数十年に一回くらいであるって話を聞いてな」
「はあ……」
「この村も豊かではないが、かといって異世界人を放逐するのは良くないそうで領主様に報告から国の方へ一応連絡をしないといけないんだ」
王道なやり取りの会話な流れだなー……。
俺の場合は勇者として城に召喚されたんだけどさ。
で、ラフタリアが俺の隣に立って小声で声を掛ける。
「異世界に転移ですか」
「そうポンポン起こるもんじゃないと思うんだが……」
「どうでしょうね。原因の特定をしないといけませんね」
「ああ」
早く元の日本帰る事を考えた方が良いよな。
「とりあえずここで話をして魔物共に襲われたら困るだろう。村の方へ来てくれると助かるがどうする?」
「断ったら?」
「報告はするから好きにしてくれればいい。ただ、犯罪をされたらこちらとて相応に対処するだけだぞ」
情報のすり合わせを弟と村人たちはしたようで村へと案内される事になった。
「イヤ! 私はここに残るわ! 早く出発しなさいよ!」
とヒステリックに騒いでいる奴がいるな。
空気が読めないというか電車に居たら元の世界に戻れるとか期待してそうだ。
「おい。こんな所に居たって変わらなそうだぞ」
「そうとも限らないじゃないの! 戻れるのよ!」
キーキー騒いでんな。
現実逃避……したい気持ちはわかるがそう簡単に帰れたら俺も留まってるわ。
「はぁ……」
で、弟がそこででっかいため息をした後、営業スマイルとばかりに笑みを浮かべてる。
「居たければ結構だと思うよ? 二手に分かれるって意味で、僕たちも遭難者みたいなもんで別にあなたとは仲間でもない。どうぞどうぞ」
「なによそれ! 勝手に話を進めてるんじゃないわよ!」
「君に付き合わないだけだよ? 好きにすればいいし、ついてくる人はついてくれば良いと提案してる。僕は彼らの案内について行く。そう決めただけで、別にあなたに許可が必要って訳じゃないでしょ?」
「はあ? 訳わからないんだけど? こういうのって多数決でしょ!」
「あのさー……多数決で決めてどうする訳? 訳が分からないのはこっちだよ。まったく」
付き合ってられないね。みんなどうするー?
って弟が微妙に扇動しているような……まあ、これくらいはしないとダメか。
俺もあの立場だったらするな。
世間体を気にする弟だけど、まあそう言う状況じゃないか。
「何ていうか……あの割り切り、ナオフミ様の弟さんってわかりますよね」
ラフタリアも何か理解している。
「俺ってあんな感じ?」
「変な人の相手をする際、槍の勇者が語ったナオフミ様に近い反応ですし、言葉や態度は違いますが今も変わりませんよ」
「そうか……?」
客観的な俺ってあんな感じなのかね。
「おい。その態度はどうなんだよ! 勝手に動いて救助隊を困らせる気か!」
今度はおっさんっぽいのが騒いでる。
「じゃああなたが残れば良いでしょ? 情報収集に僕は行く。それだけ。いい加減にしてくれない?」
バッサリと切り捨てて弟は俺たちの方に戻って来た。
「兄さんはどうする? くるよね?」
「まあな」
何度もチラッと俺の方を弟は見てたし、俺も村の方には行くだろうなって返してた。
「ちょっと村から離れてるからいつまでもここに居るのは勧められないぞ」
「盗賊なんかも居ない訳じゃないから気を付けてくれよ?」
村人たちも脅しというかここに居たいならしょうがないって態度だ。
「何よそれ! いい加減にしなさいよ!」
で、ヒステリーがなんかギャオってるな。
何か弟を睨んでるな。
しょうがない。少し演技してやろう。
ちょっとどうかと思うし、言い返してやらないと……弟が逆恨みされそうだ。
「俺たちはお前の保護者じゃない。電車の関係者でもなく事故に巻き込まれた同士でしかない。騒いで周囲を思い通りに動かそうとするな」
「わー兄さんも言うね」
「まあ、私もちょっとあの方は気になりましたね」
「はあああああああああ!? ありえないんだけどー! 絶対にアンタたち、晒してやるから!」
「どこで晒すんだ? 携帯繋がってないぞ?」
付き合ってられるか、ああいうのは関わらないのが大事だって事で荷物を持って向かう事に。
「ちょっとー! 荷物を持っていくんじゃないわよ!」
「これは僕たちの荷物だ」
「なんだ。人の物を狙っていたのか。とんだモンスターだな。魔物より魔物だ。ハハ」
指さしてやったぜ。
「なんですってぇええええええ!」
すげーギャオるなー。
ヴィッチはもっと面倒くさかったぞ。
まあアイツに比べれば格が違うか。
……嫌な格だがな。
「はは! これは滑稽だね」
弟も続くけどさ……お前は荷物が多すぎ。
何入ってんだそれ。
「ああもう……この兄弟は……ナオフミさ、んが増えたみたいです」
ラフタリアが嘆いてる。
性格悪いとは思うけど、あんな奴に付き合ってなんて居られない。
ヒソヒソと、車掌を含めて乗客たちは残るか村に行くかを決め合っていたようだった。
そうして残った奴の方が少なかったが村へと俺たちは行き……仮設で泊めて貰える場所、割と野ざらしな広場と使っていない小屋へと割り振られて休むことになった。
一応食事として……干し肉とパン、それと水を貰えた。
水は井戸から汲んでくれば飲み放題のようだけど。
それで……村で休む場所を案内して貰っている内に日が傾いて行った。
「あの。食事は……?」
「お渡ししたものでお願いします」
そうして村で成り行きというか関係者へと話が行って、色々としてくれる人を来るのを待つって事になったのだけど、歓迎されている訳ではないので食事は非常に簡素なもので終わったようだ。
ラフタリアは食事に関して干し肉とパンを軽く食べるだけで文句は無い様だ。
馴れてるよな。やはり。
「食事を下さるだけで十分ですよね。これだって簡単に渡せるものではないですし」
「そうだな」
村の連中も少ない食料を分けてくれたって事だろうし。
「食べ足りないくらいの量しかないけどね。貰えるだけ良いんじゃない?」
そもそも乗客の中には食料というか荷物で持ってる人もいる。
あのヒステリーたちは俺たちの持っていた食べれる物を公平に分けるとか狙っていたんだろう。
「はあ……異世界って言ってもさー飯が干し肉とパンって」
村の方に来た乗客仲間が愚痴ってる。
「言ってやんなよ」
「村の連中、もっといい食い物くれればいいのに」
「炊き出しとかしてスープくらいは欲しいよなー」
各々簡易で食事をしている。
するとそこに乗客の……なんか偉そうな俺と同じくらいの大学生が胸を張って、一歩踏みだした。
「俺が料理でみんなに美味いものを食わせてやるぜ! 料理で現地の連中を驚かせてやる! ふふふ……異世界で料理で成功してやるぞ!」
と、抜かしている。
こういう時って出来る奴が立候補するもんだな。
現代料理で現地民を驚かせてやる! って王道だな。
「とはいえ、どう料理するんだよ」
「はは! 俺は料理を専門にしててたまたま荷物に色々と持っていた所だったんだ」
随分と運が良いな。
調理器具……鍋とフライパンを出して、携帯ナイフをちらつかせる。
タイミングが良いって事かね。
他にも色々と基本的な道具は持っているみたいだ。
「おお……」
「こりゃあ助かるー!」
「ははは、見てろよ!」
と、火を起こして準備を始めた。
「僕は兄さんの作った料理を食べるからいらないよ! もっと美味しいから!」
弟がなんか張り合ってる。
「まあ……そうなのですけどね。張り合う意味が分からないです」
ラフタリアと同意見だ。
なんで? 俺が料理しないといけないの?
「誰かが作ってくれるならそれで良いんじゃないか?」
「ヤダヤダ! 僕は兄さんの料理が食べたいんだ!」
と、駄々を捏ねる弟。
「そうは言ってもそう簡単にできるもんじゃないだろ」
盾とかに入っている代物とか使えるか?
まあ転がっている石とか叩いて鉄板や器代わりとかには出来なくはない。
最悪、ノートでも良いから紙と水があればお湯とかでスープも作れなくはないが。
「ふふ! 僕を舐めて貰っては困るね」
で、弟が無駄に大きなスーツケースを開けて……中から家にある調理器具とクーラーボックスが出て来た。
カセットコンロまで持って来るな!
クーラーボックスに入ってるの……俺が冷凍保存していたフォンじゃねえか!
「これで生活が安定するまでは美味しい食事が出るのは間違いない!」
「用意周到ですね」
「何でこんなのを持ってきてるんだお前は……」
「え? あっちで兄さんの料理食べれないの嫌だし、作るの時間かかるからそれまでの繋ぎにね」
ああそう……。
お前……それを態々持って来てるのはどうなんだろうか?
タイミング良すぎと言うべきなのだろうか?
「と言う訳で兄さん。料理しておいて」
「なんで異世界に来てまでこんな所で料理を命令されなきゃいけないんだよ」
「料理してよ。役目でしょ」
「殴るぞコラ!」
「はははは! ラフタリアさん。兄さんが料理している間、僕たちは情報収集しよう。それがこっちの役目、OK? 兄さん」
……見てるだけとかしないだけマシか?
俺が出歩くより良いか。
弟もラフタリアも戦い方はわかってるか。
武器は大丈夫かとは思うけど、その辺りどうにか出来るか。
「はあ……しょうがねえな」
「色々と作っておいてねー!」
「はいはい」
「では……その、心配なので一緒に行ってきますね。ナオフミさ、ん」
「ああ、下手な暴走しないように見張って置いてくれ」
異世界ヤッフーと調子に乗られてケガとか死なれたら困るしな。
という訳で弟とラフタリアが情報収集に村の方へと話に出かけて行ったのを俺は見届ける。
ふむ……結構色々と持って来てるな。
フォンに小麦粉に野菜、芋、卵に調味料。ほとんどの食い物じゃないか。あいつの荷物。
本音で言えば節約してしばらく持たせたいという気持ちはあるが……色々と作れと言うし三種類くらいは作っておかないと五月蠅そうだ。
しょうがない。水はあるしどうにかなるだろ。
……この材料だと、勇者のあいつ等の好物が作れるな。それで良いか。
と、俺はため息交じりに料理を始めるのだった。
†(ᐢ⓿ᴥ⓿ᐢ)
まさか私の世界とは異なる世界に転移してしまうなんて思いもしませんでした。
いえ、神狩りとしての私たちが既に旅立って戦いに身を置いているのはわかりますが日本に来た私たちが……ですね。
しかもナオフミ様の弟さんは元より電車の先頭車両に乗っていた方々も……。
偶然か必然か、ナオフミ様を狙っての事か怪しいですね。
なんて疑惑を思い浮かべつつ私たちは村の方々に話を聞いている所です。
とりあえず領主が来るのにしばらく時間が掛かる事、戦う術はあった方がいい事。それとお世話になるので何か手伝えることが無いかと弟さんが気さくに話をして引き出してました。
ナオフミ様曰く、世間体を気にする方との事ですが……結構、強かですね。
こう、ナオフミ様と兄弟だと思える程度には。
それと割と稽古相手をしてるのでわかるのですが剣術は中々の腕前です。
剣の勇者程ではないですが、実戦を経験すれば伸びる可能性は高いです。
「しかし異世界か……兄さんは実は戦力になるから、今回の件で自信というか理解をして欲しいね?」
ナオフミ様曰く、ナオフミ様を馬鹿にしているそうですが、確かにそう受け取れる話を私にしてきますね。
僕に乗り換えない? って時々色目を向けて来て、その度に拒否してますが。
アトラさんなんてフォウルくんにするような突きを脇にしてました。
「ナオフミさ、ん。は守りの戦いは上手ですよ」
「はは、ラフタリアさんも兄さんの戦闘力を理解してないみたいだね」
いや、痛いって程、理解してますが?
守る事に特化したスタイルのナオフミ様ですよ?
私以外でわかるのはアトラさん位だと思いますよ。
って見てるとなんか弟さんが前髪を軽く掻き上げる動作をして私に鋭いというか突き刺す様な視線を向けます。
「ラフタリアさんも見たことない? 料理中に兄さんがやる空中技」
言われて私は視線を反らしつつ頷きました。
「ええ、凄い技ですよね」
あれを剣術に応用できるのではないかと常々思います。
剣の勇者もあちらの世界でやっているのを見て目を丸くしてました。
そもそも……タクトを相手にする際にナオフミ様、エクレールさんの技を見よう見まねでほぼ再現できる程には剣術が出来そうではあるのですよね。
「だからさ、有事の際は戦えると思うんだよ」
「ですが、私たちが戦えば良いと思いますよ?」
「かー……こういう所がラフタリアさん達が厄介な所だね。兄さんに戦わせて安全な所に居るような奴だったら躊躇なく追い払えるってのにさ」
……これは弟さんがそれとなくナオフミ様を利用しようとする方々を追い払っているという事でしょうか?
「兄さんさ。あんな絶技出来るのになんで剣道とかしないか……聞いたことある?」
「いえ……あまり興味が無いと仰っては居ましたが。それと運動神経がそこまで良くないとも仰ってましたね」
どちらかと言えば私の居た世界でステータス的に向いてないので覚えなかったのですが、それとは異なる理由でしょうね。
「やっぱ言わないか、いや……言ってもおかしくは無いけど、そういう経験兄さん多いんだよなー」
何やら嘆き気味に弟さんが呟きました。
「それで……ナオフミさ、んには何があったのですか?」
剣術を覚えない程とは?
「はぁ。まあラフタリアさんなら教えてあげても良いか。僕が剣道してるのに兄さんしてない理由って、大体が興味が無かったとか兄さん言うけど体験授業や少し習いにいったりくらいはするんだよ」
確かにナオフミ様ってこっちの世界では色々とやっているみたいですからね。
アルバイトとかも誘われる事が多くて、日によって何の仕事をしているのかわからない時があります。
それと同じように興味を持ったら挑戦はしているのでしょう。
槍の勇者程、多芸ではないと仰いますけどね。
「で、剣道での話をするんだけどさ……まあ僕が興味を持ってやってみたいって親に言ったら兄さんもってなってね」
「はい」
そこからあの空中技とどうつながるのでしょう?
全然わかりませんね。
「で、近所の道場に習いに行った訳、そこで教える師範代にさ。『ここまで才能が無い奴は見たことが無い』ってまあ、ボロクソのボコボコされる訳、僕も兄さんに張り合っててちょっと小馬鹿にもしたかな。才能がないとか言われちゃってるよ? って後先考えずに馬鹿な事を言ったもんだよ」
そう、自らの罪を告白するように弟さんは若干苦し気……槍の勇者や他の勇者たちの様なバツの悪い様子で話しました。
むしろナオフミ様って周囲に罪悪感を持たせるの多いのですか?
「あの兄さんでしょ? 才能が無いならしょうがないね。って割とすぐに辞めちゃったわけ。家族は、それならしょうがないと辞めさせるし、歳の差もあるし張り合っていた僕は兄さんに勝ったような気分でね」
どうもナオフミ様と弟さんは家族内の評価が若干違いがあったそうなのですよね。
ただー……私の見た範囲では弟さんは成績優秀、ナオフミ様は多芸で頼りになるというような方向性の違いという扱いでそこまで不遇というほどではないようでした。
「あの頃は見下し気味だったんだけどねー……剣道をある程度やった後の道場の片づけをしていた際にさ。偶然聞こえてね。師範代が可愛がっている弟子と聞き捨てならない話をしてたんだ」
それは弟さんからすると武勇伝とも、復讐をした時の話とも言えるやや怖めの表情でした。
「『岩谷の兄な。あいつ、伸びたら俺を越えるかもしれないからやめさせたんだよ。根性ねえよな。まあ続けてたらぶっ壊してやったけど』と、自慢とばかりに話してたんだ」
「……器の小さい方ですね」
ナオフミ様に教えようとした師範代はどうも人として問題があったようです。
「じゃあ才能無しとか言われなかった僕は? とまあ怒りがね」
「まだ剣道続けてますよね?」
「ああ、別の道場にね。あの道場の師範代は……フフ、練習中に再起不能なケガを負って畳むしかなくなっちゃったんだ。いやー強くも無かったあの人、あそこじゃ誰も伸びないね。すごく弱かったよ」
そう笑う弟さんは不気味な笑みを浮かべてました。
おそらく何かしらの手段で幼いながらに報いを受けさせたのでしょうか?
この弟さん、槍の勇者が怖がりそうですね。
先ほども思いましたが確かに……結構強いんですよね。部屋にトロフィーあるみたいです。何処かの大会で優勝したとか。
「で、兄さんにはあの師範代、問題あるよって言ったけど信じてくれなくて、その頃には『見て見てー!』って、あの空中技をさ……やってたんだよね。白けたよ。はあぁあああああ」
非常に深いため息ですね。
「ま……共働きで普段居ない親の代わりに温かい料理を作って待っててくれるのは希少な関係だよね。お弁当とかも作ってくれるし」
とても優しい目でナオフミ様の事を語ってますね。
大事にはしているようです。
「ともかくさ、やれば結構いい感じに成長すると思うのだけど剣術やってくれないんだよねー他のでも良いんだけどね」
「そ、そうですね」
確かに運動神経鈍いという割に目は非常に良いですし、隙とかわかりますし……何よりあのアトラさんと稽古もしていたんですよね。
「ナオフミさ、んの事、大事にしているのですね」
薄々思ってました。
言葉は小ばかにすることや妙にワガママを言う事は多いのですけど甘えてるようにも見えるんですよ。
「まあ無駄に低評価なのも腹立たしいというのが大きいかな。僕がグレたのをゲームで更生させたとか自慢するでしょ? さすがに父さん母さんの評価が低すぎるから一芝居をしてあげたのを何時までも武勇伝にしてるんだよねー」
いつになったら気づいてくれるかな?
と、ナオフミ様によく似た馬鹿にする顔で弟さんも仰ってました。
……この方、実は相当ですよ?
「兄さんのやってたゲームとかも気にはなってたってのも嘘じゃないけどねーお陰で塾と習い事三昧が大分軽くなって遊ぶ暇は出来たし」
強かですね。やはり……素直でもない面倒な方です。
「でね。気づいたラフタリアさん?」
「何をですか?」
「この村さ――」
「うわぁああああああああ!?」
「ぎゃああああああああ!?」
弟さんがそう話そうとした所で悲鳴と共に、料理をみんな振舞うと自慢していた方が居た辺りから物音と悲鳴が響き渡りました。
「何かあったようです。行きましょう!」
私は昔の感覚のままに悲鳴の方へと駆けだしました。
「うん。何やら騒動が起こってるみたいだね」
と、手ごろにあった木の棒を拾い上げて弟さんが私の後に続きました。
そして現場に届くとそこには……エビフライのような魔物が跳ねて人々に飛び掛かっていました。
ノミみたいとも言えますね。
「ぎゃああ!? た、助けて!」
飛び掛かって来るのを私はサッと槌を展開させて殴りつけます。
「ビチビチ!?」
「ヒィイイイ!?」
「はあああ! この魔物は一体?」
目を凝らすと名前が表示されました。
エビフラー
まんまです。ナオフミ様が名付けそうです。
いえ、私の世界でも似たようなセンスの名前が居ますけどね。
「わー、なんかエビフライみたい」
弟さんも木の棒でエビフラーを叩いて弾きました。
「た、助けてぇえええええ!」
で、一番大きな声を上げて魔物たちが群がるように狙っているのは料理を自慢していた学生という方でした。
私は守るように立ちはだかって構えます。
「異世界人のお前たち! とんでもないことをしたな!」
「一体この方々は何をしたんですか!?」
村の方々が武器になりそうなものを手に駆けつけてきました。
「俺は何もしてない! みんなの為に持ってた器具と食材で料理をしてただけだ! なのに出来上がった料理が突然膨れ上がって――」
「それだ! お前! 不用意に料理をしたからクッキングモンスターを作ってしまったんだ! 戦えもしないのに料理をするな!」
「クッキングモンスター? どういうことですか?」
「この世界では食べ物を熱したり切ったりして料理、と呼ばれる動作をすると食材たちが反応を起こして魔物となる。この魔物たちは食材となった魔物たちの無念が凝縮されたもので料理をした料理人は元より人々に襲い掛かる。どうしても料理をする場合、その料理に認められないといけないんだ!」
「ああ、だから民家にキッチン無いのかーどっかで集まって料理するっぽいと思ってたよ」
……なんですかその世界設定というか、理は。
弟さんも気づいていたように言いました。
先ほど言いかけたのはこれですね。
私の場合……村では食堂があったので普通の家にはあまりキッチンがありませんでした。
ともかく神狩りとしていろんな世界があるというのを知りましたが、こんな世界も存在するのですね。
「だから安易に料理なんてしてはいけない。美味しい物を食べる、それは命がけの戦いになるからだ。美味ければうまい程、クッキングモンスターは強くなるんだ。美味い飯を作ってはいけない!」
では、あの干し肉とパンは?
とは思いましたが言います。
「どんな世界ですか……って!? ナオフミ様!?」
「兄さん!?」
ナオフミ様の料理はとても美味しいです。そんなナオフミ様が今、料理してるんですよ!?
私たちがナオフミ様が脳裏に浮かんだ所で突如現場に黒い影が現れエビフラー達を素早く仕留めて行きました。
「「「ビチビチ――!?」」」
強力な一撃を受けて、エビフラー達は動かなく……いえ、ボフっという音と共にエビフライとなって皿に乗って並びました。
「シュー!」
「ゲッテ!」
「デッシュ!」
スタっと影たちが立ち止まって私たちの様子を見てます。
えー……まずはお腹に上から見たシチューのような模様のある、スプーンというよりスコップのようなものを持った鳥のような魔物。
次に太くて赤く太い麺のような髪を生やしたフォークを持った豚の魔物。
そして大きな串を持った全身に飴ようなコーティングが掛かった体はクリーム色、赤紫の耳をしたウサギのような魔物です。
フェニシチュ、ナポゲッティ、大学ウサギという名前でした。
「これは……なんて凄まじいクッキングエナジー!?」
「凄いパワーを持っているクッキングモンスターだぞ!? おい! どうする?」
「やばいぞ。A級料理人でも倒せないかもしれん!」
村人たちが息をのんで魔物たちと構えています。
どうしましょうか。
まずはナオフミ様の元に行きたいのですが、そうも言ってられない状況です。
クッキングエナジーって何ですか? いや、何か凄い力を感じるような気はするのですか? それですか?
「おお、お前等も来てたか」
と、そこにナオフミ様がやってきました。
「シュー!」
「ゲッテ!」
「デッシュ!」
そこでナオフミ様に向かって魔物たちが駆け出します。
「兄さん下がって!」
「ナオフミ様!」
私たちが立ちはだかるように前に出るのですがそれより前に出るのがナオフミ様です。
ですが、特に盾を出して構える事は無く……。
「シュー!」
「ゲッテ!」
「デッシュ!」
魔物たちがナオフミ様の近くで立ち止まり、頭を垂れるように頭を下げてました。
「あー……まあ、何か騒動の鎮圧したのか? よくやったな」
「シュー!!」
「ゲッテ!!」
「デッシュ!!」
ありがたきお言葉! と私でもわかる様な喜びの態度を魔物たちがしました。
「これは一体?」
「ああ、なんか料理が出来たと思ったら、料理が全部こんな姿になって頭下げて来て懐いてきてな? 悲鳴が聞こえた所で静かにしてくると答えて飛び出してったんだ」
なんでだろうな? ってナオフミ様が首を傾げていると、村人たちがおお……と、手を合わせて祈り始めました。
「戦って認めさせ更なる料理へと昇華させる制約を課す契約をしないままにクッキングモンスターを従わせるなんて……」
「クッキングモンスターが満足しているからか!?」
「どうなんだお前たちは?」
「シュー!!」
「ゲッテ!!」
「デッシュ!!」
村人たちの問いに、三体のクッキングモンスターたちは頷きました。
「なんと……自らの無念を浄化する程の最高の料理として貰ったと……一口食べさせて貰いたい程だ」
祈るように村人たちはナオフミ様に手を合わせたまま、お願いしてます。
「あなたは料理の神か」
「神なんて糞くらえだ!」
ナオフミ様は脊髄反射で神って単語に嫌悪感を見せました。
これまでの経験から言わざるを得ないですね。
「俺のエビフライ共は……言う事を聞かなかったって」
なんか偉そうに料理してた人は無視されてますね。
いえ、エビフライをみんな食べようかって話をしてはいますね。
ですがナオフミ様の料理の方が凄いと村の人たちが言うので興味が集まってます。
「料理人だったのかお前!」
「いや、大学生だが……」
「将来、凄腕料理人だよ」
「黙れ!」
弟さんがナオフミ様に注意されてました。
将来料理人でも成功は間違いないとは思います。
「とりあえず兄さん。この魔物たちって」
「ああ、お前とラフタリアに作った料理だが?」
「そっか! じゃあどうやって食べればいいの?」
「お前な……」
えーっと倒した魔物を基準に考えると、倒せば戻るのでしょうか?
ナオフミ様は自身を慕う魔物には非常に甘く優しく接しますからね。
ラフ種とか、ターリ種とか、ラフちゃんとか!
「シュー」
「ゲッテ」
「デッシュ」
そして魔物たちがナオフミ様に手を前に出すとパッとカードが出現しました。
「これは?」
「それはレシピカード。このカードがあれば料理に戻って食べても同じ料理を作れば同じ存在を呼び出せます。食べずに保管も可能です。料理化させなければ腐るなどは無いです。ですが敗北したら料理を作り直さねばいけません。同じ料理を作っても魔物となるのは一体です」
とはいえ、個別に新しく作り出そうと意識すれば増やせると説明されてました。
「へー……どこぞのカプセルなモンスターみたいだな。お前等、俺が命じれば誰かの言う事聞くのか?」
魔物たちはナオフミ様の質問に頷きます。
そして魔物たちはカードに戻って行きました。
「ふーん……変な世界だな」
それは間違いないです。
「おお……料理の神様、どうかクッキングモンスターで略奪を繰り返し、村に襲撃に来る山賊料理人たちから我らをお守りください。さすれば周囲の貴族も異世界人の方々を大事にしてくださるでしょう」
「どんな理屈だよ……」
「それは私たちも同意見なんですが」
「あはは! 兄さん、凄い評価だよ。良かったじゃん」
弟さんは笑ってますね。機嫌が良さそうです。
「まあいいや、じゃあ……」
コホンとナオフミ様は軽く咳をしました。
「ここはクッキングモンスターたちの世界、縮めて……クキモン?」
「何の真似ですか!」
絶対にナオフミ様は悪乗りしてます。
「カプセルなモンスターパロだね!」
「まあな」
「クキモンでも良いけどグルモンとかタベモンでも良さそう」
弟さんも乗りに合わせない欲しいです!
「お前とラフタリア、この中でそれぞれ一匹を選ぶんじゃ。まずはラフタリアで良いな」
え? 連れてく流れなんですか?
普通に戦えば良い様な?
ポイっとカードを投げてナオフミ様はクッキングモンスターたちを出現させました。
フェニシチュ、ナポゲッティ、大学ウサギですよね。
「左から錬、樹、元康だ。どれか一体を選んで山賊料理人を懲らしめて来い」
「シュー!」
「ゲッテ!」
「デッシュ!」
よろしく! って元気良く結構ですけど……なんですかこれは!
しかも村人たちの反応的にかなり強いらしいです。
「この子達の種族名ありますよ。いえ、いくらあの方々の好物だからと言って出来上がったクッキングモンスターたちを同名にするのはどうなんですか!」
「兄さん。錬って子シチューモチーフだよね! 僕の名前を何で付けないの?」
「お前が目の前に居たらこんがらがるだろ」
この兄弟は……こだわる所が分かりません。
「それより俺は次の料理をしたくなった。チキンライスかお子様ランチを作ろうと思っているので材料を集めて来い」
「何を作る気ですか!」
「まあ完成前に形を整えてラフ……おっと」
「ラフちゃんみたいの作る気ですね! 嫌ですよ!」
「ラフちゃん? ラフタリアさんの所のペットとかかな?」
こうして私たちの……奇妙な世界での戦いが始まったのでした。
April Fools' Day




