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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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空気銃

「ちょっと元康くん!?」

「ふふ、ちょっと面白いですね。知るは一時の恥、知らぬは一生の恥ですよ、尚文さん」

「いや、あのね? そう言うのはどうかと」


 ちなみに結構、お義父さんはふわっと覚えている事も多いみたいな出来事ですな。


「他のループの樹も機嫌が良さそうにお義父さんに訂正しているネタに空気銃は実銃というのがありますぞ」

「え? 空気銃って凄いエアガンじゃないの? 親戚が猟に行く時に空気銃だって言ってて、てっきり……」


 最初の世界のお義父さんもこの事実を聞いて同じ反応をしてましたな。


「ああ、知らないんですか?」


 樹は銃器に関して結構詳しいのですぞ。

 命中の異能持ちだから自身の能力と相性の良い銃は詳しく調べたとかで知っているとの事らしいですな。


「エアガンはエアソフトガンという代物の玩具で空気銃は実銃に該当しますよ。弾丸も違いますしね」

「なんでも実銃はこの世界で初めて見たとか思ったとかですが、親戚が持ってる空気銃が実銃に該当すると知って驚いていましたぞ」

「そうなのか……俺、威力を上げればエアガンでも猟が出来るのかー。銀玉鉄砲とか玩具で聞いたから出来るんだなと思ってたけど違うんだ……」


 お義父さんがショックを受けてますぞ。

 微笑ましい姿ですぞ。


 と、思っていると記憶の中の最初の世界のお義父さんが「俺の恥を広めるな!」と怒っているような気がしますが、気の所為ですぞ。

 枕荒らしと同じ間違いを訂正してあげてるだけなのですぞ。

 現にこの場で訂正しているだけなのですからな。

 恥は広まりませんぞ。

 何せ日本での出来事を間違って認識していただけなのですからな。

 そもそも解体をしたことが無いと仰った事があるお義父さんですが、親戚がしているのを見て覚えていたのですぞ。

 しかし……お義父さんも結構、変わった親戚が居ますな。


「火薬式の猟銃で猟をしているのを見せないお義父さんの親戚も悪いですな」


 説明をしてあげて欲しかったですな。


「全部空気銃だと思ってたのかもしれない。そうだったのかー」

「ふふ、何でもできる尚文さんの微笑ましい出来事ですか。確かにちょっと面白かったですね。元康さんも中々言いますね」

「樹……君って子は」


 なんて雑談をしていると……。


「今回の騒動の立役者であるアマキ様を始め、勇者様方、ここでお礼を申し上げます。その補填をこちらは致したいと思っております」


 お約束のカルミラ島への斡旋話が宴も終わりかけた時に女王が述べますぞ。


「この国の近海にあるカルミラ島で現在、活性化が行われております。勇者様方の戦力増強の為にも参加して頂けると世界の為に良いかと判断しております」

「確か元康くんやラフミちゃん達が時々述べてた経験値の効率の良い場所だっけ」

「ですな」

「樹はどうだい?」

「今の僕の強さからして不要ですよ。それよりも早く高等存在人間様を処分しに行きたいですね。僕には道連れにする連中が山ほどいますので」


 樹は相変わらず血の気が多いですぞ。

 とは思いつつ……あまり魅力のあるイベントではありませんな?


「実はあそこではフェアリーモーフした勇者が行くと永続的に活性化が発動するのですぞ」

「え? そうなの?」

「そもそもあそこで語られる開拓生物に変身する魔法らしいのですからな」

「……そのような物なのですか……えー、勇者様方が変身した姿は」


 女王が言葉に詰まりつつ興味があるとの様子で返答してきますぞ。


「もちろん一度はアゾットもあそこに誘って先に隠しダンジョンに行かせねばな」

「何かあるの?」

「ああ……それはした方が良いなの」

「ですぞ。更に変身した姿には追加能力も与えられるのですぞ」


 俺の場合、空中でもう一度飛べる二段ジャンプとかですぞ。


「確かに行かない理由にはなりませんね。是非とも欲しい能力です」

「更に他のループのアゾットや弓の勇者の命令でな。とある理由があってな? 盾と弓の勇者」


 ライバルとラフミがお義父さんと樹を手招きしますぞ。

 俺も近づこうとしたのですが、ラフミが来るなと手を振ってますぞ。

 嫌ですぞ。何を話すのですかな?


「槍の勇者、お前には教えられない。良いからそっちでユキ辺りとスキンシップをしろ。放置するとよくないぞ。病ませたいのか?」

「ガエリオンにピーピー五月蠅いけど、お前もしっかりと管理しないと面倒になるなの、大方イケメンムーブで誘惑して放置してるだろうから生殺しになってるはずなの」

「やってたね……何か顔が良いムーブでユキちゃんに誘惑を、ユキちゃんも謎の雰囲気で元康くんを脅してたし」


 ヒィ!? ユ、ユキちゃんはそんな事はないのですぞ。

 ですが最近、ユキちゃんへのスキンシップが足りないのも事実なので不服ですがユキちゃんの方へ行き、羽を撫でますぞ。


「元康様? どうしました?」

「ユキちゃんが立派にリーダーを務めてくれたお礼に撫でて上げているのですぞ」

「ありがとうございますわ! 所でカルミラ島という所に行くのですわ?」

「どうでしょうかなー」


 目的としてはあまり行く意味は今の俺達には無いですぞ。

 あそこで稼げるLvは既に超えていますぞ。

 フィーロたんを探してフィロリアル様方を育てる等をしましたがフィーロたんは既にいらっしゃいます。

 潜伏興業も終わったので大々的にフィロリアル様を育てるのも良いとは思うのですが……それは何時でも出来ますからな。

 敢えて行うとしたらユキちゃんがフィロリアルレースをする際の訓練に最適な砂浜と海での泳ぎくらいですな。

 それも悪くはないですな。


「修行場ですね! ヒーローとして修業は大事な事ですよー!」


 宴を楽しんでいたフレオンちゃんもやる気を見せていますな。

 樹がノリに合わせてくれないのでテンションが若干低めでしたが楽しそうで何よりですぞ。


「仙人とフレオンちゃんも来てくれると俺も嬉しいですな。南の島でみんなで楽しく遊ぶのですぞ!」

「たのしそー」

「わーい」


 単純にバカンスは楽しそうですぞ。


「海でのサーカス? リファナ達も来るかなー?」


 コウはお姉さん達が来ないか期待してますぞ。


「どうでしょうかな? お姉さん達は村の復興を重視するかもしれませんな」


 既に引っ越し及び復興作業が始まっている状況なのですぞ。

 その状況下でとなると来るかは怪しいですな。

 活性化中はポータルで行けないので船で行かないといけないのが面倒ですな。


「確かにそれは避けないといけないか、将来の錬と樹は元より誰でも該当階層を見られると危険だね……下手するとヴォルフとかも危ないな」

「他のループの僕なんて知った事ではないですがこれまでの因果であの地獄を見させられたのですから、避けれるなら避けておくべきですか。ループ直後に殺されたり拷問される訳にはね。タクトでしたっけ? そんな人みたいになりたくないですし」


 などと思いながらユキちゃん達フィロリアル様とじゃれていたらラフミがお義父さん達と話を終えたみたいですぞ。


「お話は終わりましたかな?」

「うん。まあ一応ね。錬も来てもらう理由にはなるだろうって思うよ」

「どんな話なのですかな?」

「それは話せないねー元康くんも気にしなくて良いよ」


 よくわかりませんが、俺が知らなくて良い事らしいですぞ。

 カルミラ島で俺が知ってはいけない事などありましたかなー?

 ペックルのお義父さんが俺の口元の毛皮にモフゥっとした夢が印象的ですがきっと違うでしょうな。


「まあ一か所くらいなら永続活性化させても良いだろう。四か所やるとこの世界の未来が固定されかねんがな」

「あのループは技術発展が凄まじかったなの」


 前回のループの話ですかな?

 槍の精霊も文化発展が凄かったと仰っていましたな。


「どうなるの?」

「ラフミが増える可能性が増すなの」

「……それは避けないといけないね」

「ええ」

「どういう意味だ? 私が増えて何が悪い」

「異なるお前が未来からお前の居場所を奪おうと来るかもしれねえなの」

「アゾットが私への刺客に作るとかか? ふ……返り討ちにしてくれるわ」


 ラフミが自信満々で事情通のような面で言い切りました。


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