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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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ウサウニー捕縛


「何より、元康くん、錬や樹のその問題の時は途端に黙り込むし」

「俺は嘘は言わないデスピョン」

「本当の事を黙っているというのもどうかと思うのだけどなぁ」

「嘘は言わないデスピョン」

「うーん……確かに嘘は言ってないけどさー……」


 俺は誠実な男であり続けなくてはいけないのですぴょん。

 それがフィーロたんとの約束だからですピョン。


「樹の尻尾が治ったのは?」

「俺が治したのデスピョン。元に戻したら尾てい骨辺りに痣が出来ていた程度だったので治して再度姿を変えてやったら尻尾が戻ったのデスピョン」

「そうなんだね……まあ、痛々しかったからよかったよ」

「コウがとても気にするので治してやったのですぴょん」

「コウが気にしなきゃ治さなかったとも聞こえるね」


 確かに痛々しいですが、原因は樹自身の自業自得な面が大きいのですし樹だってそんな困った部分ではない無かったので放置でもよかったですピョン。


「ふふふ……どうですかなお義父さん! この俺の姿は!」


 錬や樹、ウサギ男なんか目じゃないのデスぴょん!

 なんて話をしているとガタン! っと家の扉が開いて錬と樹が乗り込んで来ましたぞ。


「やはりここに居たか!」

「そうじゃないかと思ったんですよ! あなたという人を考えると泳がせるのが一番でしたね!」


 錬と樹がそのまま飛び掛かって来ましたぞ。


「なんですとー!?」


 まさか錬と樹が俺の居場所を特定するとは予想外も良い所ですぞ!


「く……お義父さん、失礼しますですぴょん! 一時離脱ですぴょん!」


 壁抜けをして俺は建物の外へと逃げ出しますぞ。


「あ、待ちなさい!」

「待てと言われて待つ奴は居ないですぴょん! 俺はお義父さんとフィーロたんの待て以外で止まるつもりはないですぴょーん!」

「逃がすな! ウサギを仕留めるぞ!」

「ええ! 何が何でも捕まえて磔にして拷問してから色々と白状させますよ!」


 一目散に離脱ですぞ! 錬と樹が小賢しく俺の居場所を特定しましたからな!


「ヴォフ……なんか騒がしい。どうした? ヴォフ!?」


 ここでヴォルフが騒ぎを聞きつけて姿を現しましたぞ。


「ヴォルフさんでしたっけ! そいつを捕まえて下さい! 僕と錬さんが何が何でも捕まえないといけないウサウニー! いえ、元康さんです!」

「ヴォ、ヴォフウ!?」


 樹の命令に釣られてヴォルフが腕を広げて構えたのですぞ。

 さすがに七星勇者の爪を所持するヴォルフの脇をすり抜ける事は出来なくはないと思いますが、予想外の攻撃をされると面倒なのですぞ。

 なのでやってやりますぞ。


「この俺、ウサウニーを舐めるなですピョン! 喰らえ! フォーフェアリーモーフ!」


 お前も勇者ならばこの魔法が効くはずですぴょん! その大きな図体を小さくしてやりますぞ!

 ビビビ! っと俺はヴォルフにフェアリーモーフを掛けてやりましたぞ。


「ヴォフウフウ!?」


 ボフっとヴォルフは俺の魔法を受けると同時に煙が周囲に充満しましたぞ。

 これを俺は狙っていたのですぞ。

 樹の狙撃を煙でかく乱しつつ、ヴォルフの脇を通り過ぎて駆け抜けるのですぴょん!


「ヴォ、ヴォペ!」


 コテッと、振り返るとヴォルフはペックルになっていましたぞ。

 なんと、ヴォルフにフェアリーモーフを掛けるとペックルになるのですな。

 狼男がペンギンになるとは滑稽ですピョン!


「ああ、ヴォルフも元康くんの起こす問題の被害者に」


 お義父さんの嘆くような声が聞こえましたぞ。

 ポータルで飛んで行くのが良いでしょうかなー! と、槍を掲げてポータルスピアを使おうとすると。


「させませんよ! アースフロアー!」


 ちょっとばかり錬より出遅れている樹が周囲の土の力を増す魔法を使って転送妨害をしようとしてきましたぞ。

 ならばフレイムフロアーを展開、いえ、そのまま範囲を駆け抜けるだけで充分ですな。


「俺の足の速さに恐れおののけですピョン!」


 ウサウニーの足の速さを舐めて貰っては困りますな!

 既に俺はカルミラ島のダンジョンでウサウニーの強化をしているのですピョン!

 二段ジャンプとかいろんな能力を持っているのですな。

 下手な人間姿よりも出来る事はあるのですぴょん!


「尚文さん。僕の言うとおりの言葉を言ってください! 『元康くん。待て!』 です」

「え? あ、うん。元康くん。待て!」

「はいですぞ!」


 お義父さんの命令なので俺はピタッと足を止めますぞ。


「かかった!」


 ゴン! っと錬の一撃を俺は頭に受けてそのまま転倒してしまったのですぞ。

 そのまま錬と樹は俺を拘束して練習用の案山子に俺を磔にしやがったのですな。


「ヴォフッペン」


 ペックルになったヴォルフが樹と錬の後方、お義父さんの近くで自身を鏡で見ながら鳴いてますぞ。


「ナオフミ様、どうですか? ヴォフ、いやペン? 可愛いですヴォフ?」

「ヴォルフ余裕あるね」

「この姿ならナオフミ様、俺と添い寝してくれますか?」

「うーん……どっちかと言えば知的で腹黒ってシルトヴェルトでヴォルフの事を教えてくれた人が居たけど、わかったような気もする」


 俺が磔にされている最中にヴォルフの奴がお義父さんに抱きかかえられてますぞ。

 そこは俺のポジションですぞ!

 とは思いつつ、ペックルになるお義父さんがペックルを抱えるという不思議な光景が見れるのも中々ですな。

 七星勇者にもフェアリーモーフは掛かるのですな。

 なんか実験をしたような気もするのですがフッとかかるという事だけ思い出したのですぞ。


「よそ見をするな!」

「僕たちをしっかりと見なさい!」


 意識はお義父さん達の方に向けたくなりますが今は樹たちの相手をしないといけないですぞ。


「く……デスピョン。樹の分際で小賢しいのですぞ」

「言いたいことはそれだけですか!」

「いくらでも言えるですぞ」

「減らず口が! 何がしたいんだお前は!」

「言わなければ多めに見逃していたというのに、いったいどうしてこんな挑発的な真似を!」

「奴に鬼の首を取ったと思われるのが癪だったからですぞ」

「奴って誰だ!」


 錬と樹は今更になって抜かしているのですぞ。

 そんなの言うまでもなく誰かなんて一発でわかるはずなのですぞ!


「ライバルですぞ!」

「ガエリオンか? 馬鹿にしてただろ! 今更お前が恐れる訳ない!」

「あー……錬と樹にはまだ説明してなかったんだけど、ガエリオンがね……体の持ち主が帰還しているんだよ。昨日、錬と一緒にルナちゃんを撃退したでしょ? 既に親じゃ無くてね。ループしてる方の娘さんなんだよ」

「なんだと!? 確かにいつの間にか動きが良いし、魔法の使い方が上手いと思ったが……そいつにバラされる前に暴露したと!?」

「これかどうかはわからないのですぞ。だけど奴が俺の弱みを握っていると思われるのが癪なのですぞ!」


 錬が俺への詰問をしていましたが、それを遮るように樹が一歩出ましたぞ。


「それで元康さん。一体何で僕たちをこんな姿にしたんですか! 殺す前に理由だけでも聞いておかねばいけませんよね」

「理由? そんなの最初に言ったですぴょん。この国の真実を樹、お前に直接教えてやったのデスピョン」


 直後、樹が俺に矢を放ってきたのですぞ。

 サクッと俺に刺さりましたが、俺の毛皮を貫くには足りないですな! 毛で掴んでやりますぞ。

 刺さったと樹は勘違いしているようですな!


「よくもまあぬけぬけとそんな事が言えましたね! 僕がどれだけの地獄を見たと思ったんですか!」

「そんなの知らないですぞ。初手でいきなり仲間に売られて拷問なんてされるとは俺も思いもしなかったですぞ。精々、その姿でメルロマルクの連中がどれだけきつく当たって来るか、お義父さんの気持ちを理解できるんじゃないかと思った程度ですピョン」

「さっきから語尾がかなりコロコロ変わってる……元康くんも落ち着いてないって事なのかなぁ。いや、余裕があって馬鹿にしてるのか……?」

「精々、錬みたいに仲間に匿ってもらって活動すると思ったのですピョン! それがあのザマなのはお前の人選が悪かったんですピョン!」


 俺がそう言い放つと眉間を狙って矢が飛んできたのでサッと首だけで避けてやりますぞ。


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― 新着の感想 ―
マジで頭のネジがあかん方にぶっ飛んでいやがる……。
黒幕はモトヤスだ! なぜなら元、ヤスから!
この男、煽りすぎである
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