村クエスト
「ヴォルフやキールくん、錬は鼻の匂いで追跡できないの?」
「俺を犬扱いするな!」
錬がここでも抗議してますがイヌルトの追跡能力は高いのですぞ。
「匂いで探そうとしたんだけどよ。途中で途切れてわかんね」
「そうですねナオフミ様、途中でまるで空でも飛ぶか木々の上を跳ねて移動したかのように匂いが消えてます。そういった魔物に浚われたという事なのか……」
キールとヴォルフが鼻を鳴らして各々追跡しようとしているようですぞ。
「テオは耳とかでわからない」
「さすがに……」
ウサギ男もウサギ姿で周辺の音を聞こうとしてますが何も察知できないようですな。
ちなみにワニ男はエクレアと一緒に別の場所を捜索することになってますぞ。
他にもパンダやゾウ、お姉さんのお姉さんも捜索しているのですが生憎と別行動ですぞ。
「フィロリアル様方はどうですかな?」
ユキちゃんにコウ、ルナちゃんが居ますぞ。
フィーロたんはパンダの村の方でお姉さん達と一緒にいらっしゃって今は居ませんぞ。
ああフィーロたん……ドラゴンの縄張りに捜索など行きたくないですぞ。
ドラゴンの縄張りはデストロイの場所ですからな。
「ドラゴン臭くて判断に悩みますわ」
「くさーい」
「キールくんとアマならわかるけど他はよくわかんないー」
どうにも追跡が難しいようですぞ。
あまり奥の方に行くとライバルの親が現れかねませんなぁ……下手な交戦は厄介なのは元よりループしてないライバルと遭遇しかねませんぞ。
等と思いながら山での捜索はさらに人員を分けての人海戦術の様相になってきましたぞ。
「ちなみにさらわれた子ってどんな子だったわけ?」
お義父さんがキールと錬に尋ねますぞ。
「え? うーん……みんなで遊んでいたらいつ間にかいた子だったぞ」
「亜人だったな」
「そういや村の子だと思ったけど、亜人の子だった」
キール達の返事にお義父さんが小首を傾げましたな。
「あの村に亜人の子なんて居たんだ? 旅人や冒険者の子供……とかなら親が騒ぎそうだけど……親御さんの確認前に出てきちゃったからなぁ」
怠け豚がそっちの方で点呼をしているようでしたぞ。
ふと脳裏に助手が浮かんできますがまさかサーカスが来て祭りを開き、賑わいを見せる村へとノコノコやってきたなんて、ありえませんな!
何やら脳内でライバルが「おめーわかってるなら言えなの!」と渋い顔をしているような気がしますがあのファザコンがそんな好奇心でやってくるはずありませんぞ。
そうして山の中を草の根を分けて進んでいると……いい加減、ライバルの親と遭遇しかねないところまで来てしまいましたぞ。
「ギャオオオオオオオオオオオオオ!」
と言う雄たけびと共にライバルの親が現れましたぞ。
く……できれば会いたくありませんでしたな。
「みんな! 下がって!」
ライバルの親がブレスを吐いてきたのをお義父さんが前に出て受け止めますぞ。
その隙に側面に回り込もうとする錬に俺は追随して注意しましょう。
「錬、殺してはいけませんぞ」
「まだ言ってるのか! 子供を連れ去った親玉がこのドラゴンかもしれないんだぞ!」
そうだったら厄介極まり無いですぞ。
「今の俺たちならば生け捕りだって出来るはずですぞ。このように!」
っと、パラライズランスⅤでライバルの親をぶっ刺してやりましたぞ。
「ギャーーギャオーーギャアオオオ!」
俺のパラライズランスⅤを受けてライバルの親はのけ反りましたな。
まあ、俺が本気になれば足蹴にすることだって可能な雑魚ですからな。
強化された錬も簡単に倒せる相手ですぞ。
「ふん!」
スパン! っと錬が剣を振るうとライバルの親のわき腹が良い感じに切れますぞ。
ドバァ! っと出血させてしまいましたぞ。
「ちょっと切りすぎですぞ。致命傷にする気ですかな?」
「ミスっただけだ」
イヌルトになった所為で強化方法はそこそこ出来るようになってしまった錬ですからな、ライバルの親など簡単に倒せてしまうのですぞ。
「あまり過激に攻撃するなら錬、お前を抑え込みますぞ」
「お前はどっちの味方なんだ!」
「俺ですかな? 俺はお義父さんとフィロリアル様の味方ですぞ!」
錬はライバルを増やさせない為とルナちゃんとクロちゃんの愛玩動物でしかありませんな。
「何にしても斬りすぎてますな」
ライバルの親を殺させないために回復魔法をかけてやりましょう。
「いきますわー!」
「とー!」
「ルナもー!」
フィロリアル様も続きますが注意しますぞ。
確かにできれば仕留めてみんなで大勝利と大喜びをしたいですがな。
「みんな手加減してほしいのですぞー」
「えー……」
「そのお願いは聞き入れがたいですわ……」
「ぶー」
もちろんユキちゃん達フィロリアル様は俺のお願いを聞きつけて手加減してライバルの親をぼこぼこにしていっております。
「ギャ! ギャオオ! ギャーー」
火を吐いても避けられたり弾かれたり、いえ……フィロリアル様が翼で仰ぐだけで方向がずらされてますな。
羽ばたいて空に逃げようとしましたが、その羽もフィロリアル様に蹴られて折れてしまい、うまく飛べなくなってしまったのですぞ。
この頃になると騒ぎを聞きつけてヴォルフやウサギ男、ワニ男たちも駆けつけて戦いを遠目で傍観していましたな。
俺やラフミのドラゴンは殺さない方向にしてほしいとの提案を聞いているので相手にしないようにと言う流れなのですぞ。
「なんだろ……モンスターをハンティングするゲームでドスとかGとかSとかのランクになってるのに下位のクエストに遊びに来ちゃったような実力差」
お義父さんがそんなぼこぼこにされて哀れにしか見えないライバルの親へと同情の目線を送っていましたぞ。
「兄ちゃん……ドラゴンって話じゃスゲー怖い生き物だけどよ。あそこまでぼこぼこにされるとそんな怖くねえよな」
キールも戦闘に参加せずにお義父さんに感想を述べましたな。
「まあ……戦力としては過剰な程の人員がここにゾクゾクと集まって来てるから……ね。むしろドラゴンを嬲って何がしたいんだって感じになってきちゃってるのは否定できない」
「ヴォフ、ナオフミ様。処します?」
「ダメらしいよ」
「ドラゴンって物語だと夢がありますけど、ボクはあの方々が乱獲する光景に付き合わされてしまったので経験値でしかなくなってしまいました……ロマンが無いですよね」
「哀れだ……楽にさせてやった方が良い気がする」
「うむ……それで合流したんだが、件の子供は見つかったか? イワタニ殿」
「まだ見つかってないよ。俺たちがドラゴンの注意を引いてるからみんなは捜索を優先して」
「勇者とはこうも強いという事なんだろうが……緊張感が無いな」
ヴォルフにウサギ男にワニ男、そしてエクレアがライバルの親の無様な姿を見ながら各々聞いてきますな。
そんな訳でエクレアたちは捜索を優先するようですぞ。
「あら、ナオフミちゃん。子供見つかったー?」
「ううん。ドラゴンの方が来ちゃったから弱らせて殺さないように抑えておくつもりだから捜索を優先して」
「わかったわー」
お姉さんのお姉さん、パンダやゾウも合流しましたがすぐに去ってしまいました。すぐに戦闘が終わると判断されたのですぞ。
俺はどうしていたかというと致命傷になりそうな程のケガをさせてしまった箇所に回復魔法をかけておいてやりました。
体力を消費させるのが大事ですな。
「今はお前の相手をしている暇は無いのですぞ! 寝るか麻痺をするか、どっちが良いですかな?」
「ゼェ……ゼェ……ギャ、ギャ……」
もはや息も絶え絶えのひん死なライバルの親に向けて俺は最後通告をしてやりますぞ。
「やめて!」
と、そこに……助手がライバルの兄弟らしき魔物と共に駆け出してきてライバルの親をかばうように前に出て両手を広げて立ちはだかりましたぞ。
く……出て来てしまったのですな。今はお前に用は無いのですぞ。
「お父さんをいじめるなー!」




