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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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気の療法

 パーティーに加入して貰ってポータルでシルトヴェルトやゼルトブルに飛んだりしてさらに確信を得て貰い、パンダの養父と祖父に色々と手伝ってもらうことになりましたな。

 そうしてメルロマルクの老婆の方へと会いに行くと病で弱っていて寝込みがちになっていたという段階だったので薬で治療した所、パンダの祖父との稽古でやる気を見せたの話ですな。

 戦闘種族かな? あの人たち、とお義父さんは仰っていましたが問題ないですぞ。


「勇者様方の目的、わかりましたのですじゃ! 波を鎮める事にこの力を使うのでしたら協力は惜しまないのですじゃ。何より……隠匿しても槍の勇者様が知っている状況、隠す意味もありますまい」


 聖人とは言われませんでしたが老婆も協力はしてくださるようですぞ。

 とりあえず稽古はメルロマルク内ではできないのでゼルトブルとパンダの村でやることになりましたぞ。


「おや、そこの者!」

「はい? ボクに何か?」


 するとパンダと老婆が本を読んでいるウサギ男に近づいてきますぞ。


「ふむ……磨けば光る才能があるような気がするな」

「そうじゃな! しっかりと鍛錬すれば10年……いや、100年に1人の逸材になるかもしれん! 修行に参加するのじゃあああ!」

「わわわ! け、結構です!」


 ドタバタとウサギ男が全力疾走で雑種のリザードマンの方へと逃げようとしましたが雑種のリザードマンは稽古に集中しようとしているようだったのでお義父さんの方へと走って盾にしましたぞ。

 どうも誰かをよく盾にしますな。このウサギ男。


「あー……本人が今は魔法と勉学に力を入れているので程々にして下さると幸いです」

「いや、資質は十分にある。磨かねば勿体ないぞ」

「そうじゃ! 資質があるとワシたちは思うぞ」


 パンダの祖父がウサギ男に手を伸ばして何やら確認しますぞ。


「む……資質はあるが下手に刺激すると体質が暴走するなこれは……」

「なんじゃ? 亜人にはそんな問題があるというのか?」

「ああ、体内の因子が悪い意味で活性化すると悪化しかねんな。ただ、上手くやれば良くもなる」

「気の療法かーマッサージよりもテオの病に良いなら少しして貰うのも良いかもね」

「ほう、では丁度良い。じっくりと叩き込むのじゃ!」

「わ、わあああ! 岩谷様ぁああああ!」


 と、ウサギ男は老婆とパンダの祖父に連れて行かれましたぞ。

 どうやらウサギ男は気を使う資質もそこそこあるという事ですな。

 しかし……リースカみたいな所が散見する奴ですぞ。ですが魔法資質は似ていても得意なのは光と闇の魔法らしいですな。

 練習しているうちに他の属性よりも使いやすいと言っていたそうですぞ。

 ウサギ男の話はこれくらいに、お姉さんたちを助けるために活動しているという点で老婆もパンダの親たちも快く力を貸してくれるとの話になりましたぞ。

 パンダの養父もお姉さんたちを保護している状況を知ると態度が柔らかくなったのですな。

 さて、あとはパンダが加入してサーカスを盛り上げればいいのですぞ。

 パンダの祖父が面白そうとお義父さんの考えた演目に先行で参加するのを決めましたな。

 魔物商とシルトヴェルトの使者と相談した結果、ゼルトブルから正式に奴隷扱いで入国してお義父さんの所に来たことになりましたぞ。

 どうにも国境の砦で魔物商が通行証を使って入国させたそうですな。

 お義父さんの勧めでパンダの祖父はピエロ役をしてもらうことになりましたぞ。

 パンダと似た感じに短剣投げなどで的当て等をしたり跳ね回ったりして場を和ませているようですな。

 で、孫であるパンダが来たら引き継いでもらうとの話を祖父が決めておりました。

 案外お茶目というか挑戦的な祖父なんだねとお義父さんは出会っていないパンダの事をおしゃっていましたぞ。


『アタイの包囲網をしいてんじゃ無いよ!』


 俺の脳内パンダが冷や汗を流しながら荷物をまとめて逃げる準備をしてますがどうしたのでしょうかな?

 きっと気のせいでしょう。

 家族の保証をしたのですから今度こそ交渉は成功するはずですぞ。

 ライバルが来る前にお姉さんのお姉さんと一緒にお義父さんと仲良くしてもらうのですぞ。

 さあパンダ、どこに仕事に行ったのかわかりませんが早く帰ってくるのですぞ。




 そんなこんなでメルロマルクの波が大分近づきつつあるのですぞ。

 お義父さんのサーカス業はそこそこ軌道に乗り始めたという段階ですな。

 怠け豚の実家に俺が確保したバイオプラントを預けて各地に配布をすることで食糧問題は少しずつ解消に向かった所でサーカスに来る人も増え始めてきたのですぞ。

 後はお姉さん達がサーカスに協力したいとの話でフィロリアル様と一緒にジャグリングなどしてますな。


「わーいキールくんを乗せて歌って踊るー」

「ルナちゃんは俺を載せるというより俺を手のりにして撫でまわしてるだけだろ! あー綱渡りしてーのにー!」

「大丈夫、キールくんはルナの頭に乗ってルナが綱を渡るからー」


 で、ルナちゃんの卵を確保したので孵化した後に育て上げると同時期にキールもお姉さんのお姉さんの協力の元に豚から犬に成れたのですぞ。

 ゼルトブルの方でルナちゃんがキールの練習に参加して縄の上をフィロリアル様姿で綱を渡っていきますぞ。

 もちろんキールを頭に載せてですな。


「あれはあれで曲芸だと思うけどねー」


 なんてキールとルナちゃんの綱渡りをお義父さんは分析してましたぞ。

 曲芸枠という事でゼルトブルでも固定サーカスっぽくなってきているようですぞ。

 お姉さんたちが日々おひねりを持ってきて、お姉さんのお姉さんやお義父さんに自分たちだって頑張れるとアピールしておりました。

 そしてお姉さんたちはゼルトブルで待機しているフィロリアル様達やお姉さんのお姉さんに連れられて狩りをしてLv上げをしていますぞ。

 お義父さんがお姉さんたちの強化もついでに行っていていざとなったら戦えるくらいには腕を磨いても居るのですな。


「なおふみ様ー」

「ナオフミ様ー」


 お姉さんの友人とお姉さんが棺のような箱を押して運んできますぞ。


「ラフタリアちゃんたちどうしたの?」

「あのね。みんなで調べて作った奴を見てーこれでサーカスのお手伝い出来ないかな?」


 そういってお姉さんの友人が箱に入り、顔の部分を開いて中にいるのをアピールしますぞ。

 で、お姉さんが外から箱に板を入れて、同体の部分を横にずらしますな。

 あれですな。ジグザグボックスという奴ですぞ。


「あーマジックって感じだね。まあサーカスにはあるかもしれない」


 ですがちょっとお義父さんのやっているサーカスとは毛色が異なる催しではありますな。


「よく頑張って作ったね。みんなとても勉強してるね。俺も嬉しいよ」


 お義父さんが頑張るお姉さんたちを褒めていますぞ。


「そうですか?」

「うん。もう少ししたらラフタリアちゃんたちにも色々とメインで頑張ってもらおうかな」

「はい!」

「頑張ります!」


 元気に答えるお姉さんたちにお義父さんは複雑な笑顔をしておりました。


「うーん……やっぱりラフタリアちゃん、爆発仕掛けの方がよさそう?」


 お姉さんの友人がお義父さんの反応を察して何やら提案してました。


「箱が爆発するのを見せて後は脱出するのを披露する奴だよね。作ってたらサディナお姉さんに止められちゃった奴」


 おお……お姉さんたちも中々過激な仕掛けを考えていたのですな。

 ちなみにお姉さんのお姉さんの話だと上手く作れておらず実際に行ったらかなり危険なマジックになってしまっていたので止めたそうですぞ。

 お姉さんのお姉さんは音波で構造が分かるそうですからな。


「うーん。俺もそっちはラフタリアちゃんたちが自作するんじゃなくてもっと詳しい人に作って貰わないと危ないと思うなー」

「じゃあ槍の勇者様が種も仕掛けもなく箱から消える感じの案は?」

「やりますかな? 俺なら種も仕掛けもなく爆発する箱から脱出出来ますぞ。槍のスキルでどうとでもなりますぞ」


 ソウルイータースピアで壁抜けしつつクロ―キングランスで脱出できますな。


「うーん……武器の力でどうとでもなるかーその場合、俺が爆弾を抱えて耐えるとかも見世物に出来る感じかなー」

「お義父さんなら間違いなく出来ますぞ」

「ただー……下手に頑丈すぎるところを見せたら三勇教に怪しまれそうで危ないかなー……うーん。色々と考えて行こうね」

「はーい」

「やったね。ラフタリアちゃん」

「うん」


 と、まあ……お姉さんのやる気に関して話を合わせてガス抜きをお義父さんはしていらっしゃいました。

 一部はサーカスで採用されているようですぞ。


「うお! ルナちゃん! 俺でリフティングするんじゃねえよ」

「キールくんがモフモフ」

「お腹の匂いを嗅ぐな! わざとだろルナちゃん! おい!」


 そんなお義父さん達のやり取りの横でキールがルナちゃんに愛でられていたのですぞ。


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― 新着の感想 ―
[一言] ラフタリアズはマジックの箱を自分達で考えて作ったのが偉い、どうなってんだあれ
[一言] ついに波か 剣と弓はどういう状況なんだろうな、ラフえもん辺りいるのだろうかw
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