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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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ブルーシャーク


「……」

「ウサウニーまんはカレーまんですぞ!」

「いや聞いてない。カレーまんなのはなんでだ?」

「え? まあ……元康くんが得意なものだからかな?」


 香辛料を多めに使うとお義父さんに注意されつつ褒められたカレー関連を採用ですぞ!


「ペックルまんの中身はなんです?」

「スタンダードにあんまん」

「リスーカまんは無いのか!」

「ありませんよね!」


 錬が謎の食いつきをして樹とにらみ合いをしますぞ。


「仲間はずれは嫌だと思って作ってるよ。はい、樹」


 と、お義父さんはリスーカの顔をしたリスーカまんを蒸し器から出して樹に差し出しました。

 しっかりとお義父さんが作って居るのを俺は見ておりましたぞ。


「中身はピザまんだよ。それともリスーカまんの方があんまんが良かった? その場合、ペックルまんはクリームかジャム辺りを入れれば良いかな?」

「余計な気を使わないで下さい! なんでリスーカ商品が一つ多いんですか!」

「ぷにぷにーメルちゃん。どれ食べたいー?」

「どれも美味しそうだわ」

「乗っけて揃えられそうなのー」


 サクラちゃんが出来上がったお義父さんの試作品をお皿に並べて見ておりますぞ。

 お義父さんが食べて良いと仰るのを待っていらっしゃるのですな。


「へー……やっぱりこれってなおふみくんが作った商品なんだー」

「ふえぇ……ラフえもんさん、イツキ様に聞かれない様にしないと大変ですぅ……」


 ラフえもんがぽつりと呟いた所で樹が睨み付けますぞ。

 未来からの念押し攻撃になるのですな。


「他にもどんどん名産品の開発をして下さい。出来ればリスーカ商品の種類が一番少ない形で」

「ウサウニー商品を増やして欲しいですわー!」

「注文が多いなー……」

「母上が喜んで買いそうだわ……お土産のペナントを集めたりしてたりするし」


 婚約者の言葉にふと、女王がフィロリアルクロスの追っかけをしていた時の事を思い出しましたぞ。

 お義父さん曰く、女王はミーハーだそうですからな。人気となれば買うのでしょうな。

 何よりメルロマルクは赤豚の所為で損害が酷くて金欠状態、カルミラ島での収益は復興の役に立つと踏む可能性は大いにありますぞ。

 ただでさえ、俺達が復興させた村へ関心が寄せられたりしますからな。観光客も隣町に多く来るのですぞ。

 そんなこんなで商品開発を切り上げてお義父さんが水中へと向かう事になりましたぞ。


「水中の魔物は……瞬間チェンジでフロート武器を出して倒して行けば良いですね。錬さんと元康さんが交代で行って下さい」

「なんで樹が命令してるんだろうな」

「そうですな。とはいえ、ドロップ確認はモンスターブックで見れるので不要なものは無視で良いですぞ。お義父さんの水中の移動は早いですからな」

「まかせてー」


 スーッとお義父さんが水中ステージをサクサクと泳いで行きますぞ。

 さすがお義父さんですな!

 お姉さんのお姉さんと海の深い所に行く時の速度で潜って行きますぞ。

 で、近寄ってくる魔物はペックルの固有能力で動きを硬直させて進んで行くようですな。


「って水中でボス戦っぽい所に出ちゃったなぁ……しかも、その……なんだろうね。露骨な魚マークのフィールド」


 どう見てもペックルしか入れない指定ですぞ。


「この先でボス戦闘でしょうけど、尚文さんしか入れないって詰みません?」

「着ぐるみ着用で俺達が入れませんかなー!?」

「実験しただろ。入れなかった」


 種族能力の拡張の際にお義父さんの提案で実験してみたのですぞ。

 それぞれの着ぐるみ着用で種族変化出来るかと思いましたが出来ませんでしたな。


「懸念していた問題が出てきましたね。尚文さんでは不可能で詰む所……」

「まー……時間が掛かるけど奥の手でやってみるよ。なんだかんだ錬と元康くんがカンテラのLvを上げてくれたお陰で変化出来る盾の種類は多くなったからね」


 と、お義父さんは反撃能力のある盾に変化させますぞ。


「尚文さんだからこその戦いですか、敵がどんな攻撃をしてくるかは分かりませんが行って下さい!」

「わかってる」

「ナオフミ頑張ってー」

「盾の勇者様ーファイトー」

「頑張るなのー」


 サクラちゃんと婚約者が応援し、ライバル! お前はお義父さんに近寄るなですぞ!

 スーッとお義父さんがボス部屋へと入りますぞ。

 ペックルしか活動できず交代不可と画面に表示されて居る中で部屋にいたのは大きめのブルーシャーク……ブルーシャーク・ロバリーという魔物みたいですぞ。

 ザバァ! っと水面に出た縞模様の魚……クロダイっぽい大きな魚を食いちぎっての登場ですぞ。


「水面があるならメンバーチェンジ出来れば良いモノを……」


 樹の意見はもっともですぞ。


「じゃあ行くぞー! ペーン! なんちゃってー!」


 っと、お義父さんはブルーシャーク・ロバリーに近づき、反撃効果のある盾……今回はトゲの着いた盾、樹相手に使った盾を思い出す盾を使っておりますぞ。


「ガアア!」


 ガブ! っとブルーシャーク・ロバリーがお義父さんに噛みつこうと頭を振りかぶったのを避け、ヒレの攻撃をお義父さんは受け止めますぞ。

 お義父さんの装備した盾のトゲが鋭く尖り、刺さりますぞ。

 ダメージが入りましたかな? ちょっと画面上では分かりませんな。


「うーん。状態異常は効果少なめか? 継続して行くか……それとも単純な反撃系で行くか」


 ぐるぐるとお義父さんは高速水中移動でブルーシャーク・ロバリーを翻弄していますぞ。

 お義父さんの高速移動した動きが渦となってブルーシャーク・ロバリーがくるくると水中で回っておりますな。


「尚文さんって結構動けますよね」

「タンクって耐える事が本題だと思うが、やるもんだな」

「何でもお義父さんは『盾の勇者が避けちゃいけないなんて話はないよな?』と、避ける事もあるのですぞ。守る際は耐えるけど自身が狙われたら避けるとの話ですぞ」

「なるほど……庇うから耐えるのであって狙われたら避けるのですか」

「合理的だな」


 状況判断は大事ですぞ。


「なおふみの見せ所なのー」

「がんばれー」

「見てるだけってとても歯がゆいわ。サクラちゃんの気持ちが分かるわ」


 それからお義父さんは状態異常を付与する反撃効果を持つ盾と、雷属性で反撃する盾を交互に変えつつ回復魔法を適度に挟みながらブルーシャーク・ロバリーを相手に善戦して戦いましたぞ。

 途中で水中から飛び出し、エアストシールドからのチェンジシールドでブルーシャーク・ロバリーの口にフックを引っかけて釣り上げという芸当もしていましたな。

 そうして体力の限界を迎えたのか、毒などで弱り切ったのか……ブルーシャーク・ロバリーの動きが鈍くなりやがて動かなくなり、姿が消えましたぞ。

 倒したという事でしょう。


「勝利したけど……やっぱり俺だけだと時間が掛かるねー」


 お義父さんはそう言いながらブルーシャーク・ロバリーが消えた後で出てきた光を受け止めますぞ。


「えっと……ドロップ品だね。ブルーシャーク・ロバリーシールドね……反撃効果にスティールがあるのってどうなんだろ?」

「便利そうだな。俺もフローズンコックナイフって武器が解放されたが」


 錬もですかな? 俺と樹にはありませんぞ。


「後は水のジーン……? 水属性の人種の能力覚醒効果のあるアクセサリー……?」


 お義父さんが画面を確認しながらポータル地点に戻ってきて俺達の元に戻ると盾から腕輪のアクセサリーを出してきましたな。

 確認すると……水属性の適性のあるものの能力を引き上げる効果が表示されましたぞ。

 水属性……婚約者の得意な魔法が水ですな。つまり婚約者がこれを装備すると能力が大幅増加するという事でしょうかな?


「婚約者向けですかな?」

「え? 今でさえ変なコンパクトを貰ってるから十分よ?」


 婚約者はコンパクトを手に持って見せますぞ。ライバルが作った品ですな。


「ガエリオンさんが作った珍品ではなくこっちは勇者専用の所で手に入ったアーティファクトみたいなものですよ。次元が違いますよ」

「弓の勇者もひでー言いようなのー」


 他にも複数効果があるようですな。


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