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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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水上バイク


「ともかく、錬がイヌルト姿でも違和感があんまり無い理由が分かったよ」

「正直、ネット内にダイヴした様な感覚が強くてな……動物姿は」

「問題無いよ。だから錬は剣の勇者の適性があるのかも知れないし、ガエリオンちゃんの話だと剣と槍の勇者だと槍の勇者……元康くんが人間の味方をする勇者だったって話でしょ」

「まあ……そうなのかも知れないな」

「何度も言いますが俺はフィーロたんとお義父さんとフィロリアル様の勇者ですぞ」


 ここで荒ぶるフィロリアル様のポーズですぞ。


「最初の世界の錬よりもブラックサンダーに覚醒させられた錬の方が剣の切れ味はあった様に見えたので、剣の聖武器はきっと中二病という要素に反応するのですぞ。魔物姿になる事が適性ではないと思うのですぞ」

「ふざけるな元康! 俺は卒業したと言っているだろう! 覚醒させる方向に繋げるな!」


 だからラフミが来たんだろ! っと錬は言い返してきましたぞ。

 く……おのれラフミですぞ。錬の覚醒の芽が潰れてしまったのですぞ。


「とりあえず俺の世界で語られるVRゲームとはこんな感じの開発経緯があるんだ。ブレイブスターオンラインを皮切りにいろんな亜種ゲームが生まれたんだがな」

「アバターで戦う事が出来るシンプルゲーム&システムと、本格的なダイヴゲームのブレイブスターオンラインがVRの始まりだった訳ね」

「なんだかんだあるのですな」


 最初の世界の錬もぽつりぽつりと話をしてはいましたがここまで詳しくは言いませんでした。

 ゲームに纏わる世界ごとの経緯ですぞ。


「ガエリオンちゃんが最初の世界の錬の話をしてたもんね。結局よく分からない形だったけど」

「背中で語る錬さんの話でしたね。二年間で後味の悪い結末からもう一度出かけていったそうですが、錬さん。何か心当たりは?」

「皆目見当も付かないな。今の俺達の将来みたいに」

「元に戻れるように進んで行くしか無いって事ですね。最後は元康さんですけど……確か豚から教わってプレイして嵌まったのでしたね」

「ですぞ。詳しい背景と言われてもオンラインゲームが色々と出始めた頃からサービスを開始したゲームとしか知りませんな」

「元康くんの場合は俺の知るネットゲームの歴史とそう大した差は無いみたいだからね。樹や錬もパソコンでオンラインゲームが始まった時期の話とか概要くらいは耳にしたんじゃない?」


 錬と樹がお義父さんの説明にそれぞれ顔を見合わせてから頷きましたぞ。


「VRゲームの前の時代の話としてなら知ってる」

「僕もですね」

「俺と元康くんはその辺りだから二人よりも劇的な変化はないんだろうね。きっと元康くんのやっていたエメラルドオンラインも普通のオンラインゲームって感じだったんだよ」


 お義父さんは俺と時代が一番近いという事で理解が深いのでとてもありがたいのですぞ。


「尚文さんはこの世界に似たゲームはプレイしていませんが色々と詳しいですからね。別のゲームとは言えやっていたオンラインゲームとか教えて欲しいものですね」

「何時もこの世界のゲーム関連は俺が聞く側だけど、俺がやっていたゲームかー……まあよくある世界に封じられた魔物と魔王が蘇って、襲ってくるから戦ってくれ的なバックストーリーがあるけど基本はプレイヤー同士で協力したり対戦したりギルド戦をしたりするゲームだったなー」

「その辺りは錬さんや元康さんも同じだと思いますよ。錬さんはボッチでソロプレイが基本、時々後輩を連れて行く程度だったようですが」

「一言余計だ。空飛ぶリスーカ」

「気にしてることを……元康さんはリアルの女性達と遊んで居たみたいですけど」

「豚共と弱小ギルドで遊んで居たのですぞ!」


 今にして思えばお義父さんの話に出てくるギルドに比べたら小さいギルドも良いところですぞ。

 あんなので遊んでいてはエメラルドオンラインを完全に遊びきったとは言えませんでしたな。


「色々と狩り場とかギルド戦で勝ったギルドしか入れないダンジョンとか色々と話は出来るけどねー……全く符合する場所がないから三人とも想像し辛いと思うよ」

「良いですよ。尚文さんは僕たちの話を聞いているんですから」

「実際によく似た世界を冒険しながらゲーム時代の話をするのとはまた違うと思うけどね」


 なんて言いながら俺達は歩みを進めて行きますぞ。

 すると……何やら水路らしき所に出ましたな。壁には壁画でペックルが水の中を泳いで居る姿が書かれて居ましたぞ。


「案の定ですね。尚文さん。出番ですよ。ついでに元康さんも水路を泳いで見ては如何ですか?」

「お任せあれですぞー!」


 ざっばーんと俺は水の中に入って泳ごうとしましたが、この水……体にまとわりついて沈みますぞ!

 サブマリンモードですぞー! っと必死に槍を回転させて進もうとしますが、全然前に行くことが出来ませんな!

 走って進む事は出来ますが、地上を歩くよりも遅いのですぞ。

 ええい! 面倒ですぞ! 水を割って行くのですぞ! と、力の限り槍を振りかぶったのですが、水を割く事が出来なかったのですぞ。

 ゴボボボ……これは厳しいですぞ!

 と、思った所でお義父さんが泳いで来て、俺の両脇にフリッパーを入れて水面まで連れてってくださいましたぞ。


「ゲホゲホですぞ。お義父さん、ありがとうございますですぞ!」

「ちょっと練習だね」


 と、お義父さんは俺を背に乗せて泳いでくださいますぞ。


「お義父さんの水上ドライブモードですな! ブルンブルーン」

「元康くんのドライブモードとはちょっと違うと思うけど、というか俺の肩を掴んでバイクポーズにならないでくれない? 微妙に腰が当たるから」


 水上を高速で進むこの躍動感は中々良いモノですぞ。

 水上バイクモードをもっと研究せねばなりませんな!


「じゃあこの先に何かあるか見てくるから待っててね」


 と、お義父さんは俺を水路から出した後に潜って行ってしまいました。

 とても早いですな。お姉さんのお姉さんが泳ぐ速度みたいですぞ。

 やがてお義父さんはシーラカンスの模型のパーツを持って帰ってきましたぞ。


「針の時と同じく水の様で水じゃない感じなのかも知れないね。俺の場合、足をばたつかせるだけで結構速度出るし」

「むしろ尚文さんの本領発揮って所でしょうか、問題は水中の敵をどう対処すれば良いかですね。水中ステージのボスを相手にしたら詰みかねませんよ」

「樹も錬も水の中に入れないか確かめないの?」


 お義父さんの質問に樹は錬へと視線を向けましたな。


「僕は試しても良いですけど錬さんは……」

「……俺は水には入らないぞ」


 案の定、錬は毛頭入るつもりはないようですぞ。


「良いでしょう。とりあえず僕も潜って見ましょう」


 と、樹が水面に入った直後……プクーっと頬袋を広げましたぞ。


「樹……浮くのは良いけど潜って見ないとダメじゃない」

「い、いえ。僕はそんなつもりはなくてですね。く……潜れない。頬袋の空気が抜けない!」


 っとここで樹は溺れる事はありませんでしたが、頬袋を膨らませて泳ぐ姿だけを見せて居ましたぞ。

 最終的にお義父さんが樹の足を掴んで沈みましたが、すぐに樹は水面に戻ってきました。


「リスーカは浮いて潜る事が出来ないって特徴があるみたいだね。何処かで使うギミックかな?」

「勘弁してくださいよ。皆さん、顔が浮き袋になる感覚がわかりますか!」


 何やら樹にしかわからない話をしているようですぞ。


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