宇宙外交官とコルーパの正体 ③
「何の証拠があって、そういう事が言えるんだい?」
しばらくしてコルーパが口を開く。だけど、僕の目を見ていない。そっぽを向いて吐き捨てる様に言った。奴は自分の形勢が不利になると、すぐにこういう態度に出る。全く困ったもんだ。
「どうしてだと思う?」僕は逆に聞く。「お前は自分で自分の形勢を不利にしたんだぞ。僕は、お前の訳の分からない台詞を聞いて考えたんだ。ま、つい口にしてしまったようだが。……覚えてないか?僕がおじいちゃんの話をした次の日の事」
コルーパはしばらく考えていたが、思い出したのか、そっぽを向いたまま、「……あ」と呟いた。どうやら、自分が犯した、重大なミスに気づいたようだ。
「あれねえ……」コルーパがもったいぶった様に言う。「あれは、そういう意味じゃなくてね。その……つまりだな」
僕には分かる。コルーパは今、一生懸命、言い訳を考えている。
「で、お前は僕のおじいちゃんの家で何をやっていたんだ?」僕は早速尋問にかかる。「行ったんだろう?一回目に時間が止まったとき、お前はどこにもいなかった。けれど、二回目にはお前は僕たちが初めて出会った場所にいた。一回目のときに、おじいちゃんのところに行ったんだろう?」
「……行ったよ」
しばらくして、消えるようなか細い声で言った。
「君のおじいちゃんの家に。確認したかったんだ。天馬が本当に、天夢の孫かどうか。それに交代の申請をしなければならなかった」
「何の申請だ?」
コルーパが僕の方を向く。その目がやけに真剣だ。
「――宇宙外交官。宇宙人が、最近各地で確認されているだろ、サイザンフ星人と『宇宙友好的条約兼会合出席義務条約改正委員会』や『宇宙親好定例会』等、地球やサイザンフ星で数々の会議、友好関係を築くための食事会等がある。サイザンフ星と地球じゃ、時間の進み方が違うんだ。例えば、向こうが三年経っていたとしたら、こっちは二十年とか。そこで、外交官を交代させて行く上で、今年の外交官はこいつにしましたよ、っていう書類をサイザンフ星に送るんだ。五十年ぐらいに一回、一ヶ月間ぐらいこれらの事は集中的に行われる。初めての『宇宙友好的条約兼会合出席義務条約改正委員会』が明日行われる。だから、今日、今から正式に登録をする」
僕は口をあんぐりと開けていた。――おいおい。冗談きついぜ。念のために僕は聞いておく事にした。
「それって、本当?」
コルーパは僕の目を真っすぐ見据えて言った。
「ああ、本当だ」
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徐々に続きを載せていきます。
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