宇宙外交官とコルーパの正体 ②
昨日は、テレビを睨みつけているコルーパの気迫に気圧されて、声をかける事ができなかった。あの後も、何か思い詰めたような顔で、僕に喋りかけようともしなかった。
一体奴は、テレビを見て、何を思ったのだろうか?奴は、それほどUFOが好きなのだろうか。あれは、好きというより、敵対視しているという方が合っていると思う。コルーパは何を敵に回しているのか。まさか、宇宙人ではないだろう。
そのとき、僕は唐突にコルーパの言葉を思い出した。『地球を守るためにここに来た』僕の頭の中で、何かがつながった。僕は二階に駆け込んだ。コルーパはというと、僕のベッドの上で寝そべっていた。僕はベッドに座ると、僕は勝手に話し始めた。
「――お前は宇宙人から地球を守ろうとしているんじゃないのか?あの青い目をした少年、あいつは宇宙人だろう?そして、人の言葉を喋る犬。そこに宇宙人、UFOという、現実離れしたキーワードを当てはめると、合点が行く。そうでもなければ、お前は何から地球を守る?どうして喋る?僕は今までの事が全て宇宙に繋がってると思うんだ。あの少年は宇宙人だ。それは確かだ。お前は奴らと敵対関係にある。僕たち地球人と奴らの関係は知らない。そして、奴らは昨日、僕ら地球人の様子を探っていた。だから、UFOの目撃情報が殺到したんだ」
コルーパは何も反応しない。でも、僕はコルーパが言うのを待っていた。「何を馬鹿な事を言っているんだい?」って。
でも、コルーパは身動き一つとらない。僕はさらに続ける。ここで、本当は言ってほしかった。コルーパの正体が何かを。でも、やっぱり、コルーパは何も言わない。
「僕が見た夢――いや、こう言った方がいいかな。僕がいた異次元の世界に、コルーパとあの少年はコルーパはいた。何故、異次元かと言うと、時が止まっていたからだ。それだけじゃない。あの少年は波みたいなのを起こして、窓ガラスを割った。でも、表向きの世界では、地震があった。つまり、宇宙人は何でもありだから――」
「馬鹿げたことを言うんじゃない。もし、そうだとしたら、一番最初に時が止まったときに俺はどこにいたって言うんだい?」
コルーパが僕の言う事を遮って言った。
僕は大きく息を吸う。そして、静かに言った。
「僕のおじいちゃんの家――静岡の天夢おじいちゃんの家だ」
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徐々に続きを載せていきます。
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