エピローグ
僕は真っ白い空間の中に放り出された。青い人影がいたところだ。でも、ここには何もない。ただの空間でしかなかった。
僕はここにいる。いるというだけ。存在はしない。でも、いる。終わらせる者としての義務を果たすためにいる。僕は青く光り続ける右手を見る。すると、そこから声が聞こえた。コルーパの声だ。
「今、俺は首相にリンクしてもらっている。だから、こうして話せるわけだ。手早く言う。天馬はもう何をすべきか分かっているはず。お前は終わらせる者だ。家族のことは心配しなくていい。天馬の存在は、天馬と関わった全ての人の頭の中から消える。しかし、天夢と俺の中からは消えない。が、お前は存在が消える」
ああ、わかってるよ。僕もわかってたんだ。
「ああ、だから終わらせる者になったんだ」
「その辺はその人物にしか分からない。俺に言われてもしょうがないさ」くっくっくという笑いが石の向こうから聞こえた。
「コルーパ、お前宇宙外交官と別れるとき、寂しくないか?」期待を込めて聞いてみる。
「天馬なら分かるはずだ」笑いをこらえるようにコルーパが言った。「それじゃあな、宇宙外交官」
僕は、おうと返してリンクを切った。僕にはもう残すものなんて無い。あ、まだクリアしてないゲームが……。でも、これでいいんだ。
僕は宇宙外交官だ。
さて、宇宙外交官の最後の仕事だ。
――僕は石の力を使った。石は今までに無い輝きを放ち、僕を包んだ。
町は復興され、G8は宇宙政治に加わることになった。戦争で死んだ人は全員生き返った。だが、みなこのことを忘れてはいなかった。自分たちがどのような状況に置かれているのか把握し、お互いがお互いを助け、そして生きながらえる方法を見いだした。宇宙でも軍事国家は消滅し、銀河は民主制へと移行へなった。
封印された儀式の間には一つの石碑が置かれていた。そこにはこう刻まれている。
『この世で一番の偉人、宇宙外交官。そして終わらせる者。空野天馬』
そして、その横には犬が一匹、主人の帰りを待ち続けるかのように座っていた。
完結です。
いままで読んでくれた人、ありがとうございました。
現在2ndを執筆中です。
こんなにあっさり終わったのは2ndがあるからなんだ!!という言い訳は通用しないですよね。
まだ、文章表現が豊かとは言えません。ほど遠いです。
2ndを書いていても、なんじゃこりゃっていうのがたくさんあります。
でも、
たくさん書いていいものを書けるようにしていきたいです。
ブログの方には2ndを徐々に載せていっているので、是非そちらも覗いてください。
キーワードは「喋る犬と宇宙外交官」でw
ではまたお会いしましょう。