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喋る犬と宇宙外交官  作者: メロ
宇宙大戦争
19/21

宇宙大戦争 ③


 何が起こったんだろう。まったく状況が読めなかった。とりあえず、全員いるか確認する。ふう。みんな無事のようだ。

 瞬時、ブーンという音が鳴ったかと思うと、黒い触手が目の前に突然現れ、僕をたたきつぶした。さすがにこれは痛かった。石の力を使って触手を燃やすと、僕は膝をついて咳き込んだ。

 僕はゆっくりと立ち上がると、周りを見た。やっぱり、真っ白い霧に包まれていた。でも、音はする。ブーンという音の方向へ飛んだ。音が大きくなると、霧の中から触手がいくつも現れた。が、攻撃を仕掛けてくることはなかった。

 よく見ると、胴体がポロポロと乾いた泥のように落ちていっている。そして、ついには消えてしまった。僕は地上に降りると、兵器がいたところを見た。そこには男の人がいた。男の人は僕の姿を確認すると、叫んだ。

「伏せろ!」

 その瞬間、背中の毛がゾワリと逆立った。何か来る!

 咄嗟に伏せると、巨大な腕が頭の上すれすれを通り過ぎた。

「早く逃げろ!」男の人がまた叫んだ。

 前を見ると、真っ白な男の子が立っていた。その男の子は、ゆっくりと目を開けた。「それ」を見て、僕の体はビクンと反応した。

 目が青かった。

 「最終兵器」は僕を睨むと右手を前に出した。何だ、と思っていると、体の表面にものすごい衝撃を受けて僕は吹っ飛んだ。道路に転がると、目の前には最終兵器がいた。恐ろしい速さだった。最終兵器は僕の胸ぐらを掴むと思い切りアスファルトにたたきつけた。「ぐはっ」という声が僕の口から漏れる。そして、たたきつけられて、宙に浮いた僕は最終兵器に蹴られ、鉄筋などがむき出しになっているビルに突っ込んだ。

 意識がもうろうとしている中、男の人が来て、悔しそうに言った。

「奴め、兵器を食べやがった!」

 僕は、はっとした。兵器が崩れていったのはそういうことだったのか。

「俺は奴を倒す。援護してくれ」男の人が言った。そして、最終兵器に向かって走っていった。僕はそれをただ見ていた。体がぐったりとしていて動かなかった。

 最終兵器にやられ放題になっている男の人を見て、僕は全身に力を入れて立ち上がろうとした。が、強烈な痛みが僕を襲った。その大元は右脇腹だった。見ると、爆発で鋭くなった鉄筋が刺さっていた。

 僕は刺さっている鉄筋を石の力で粉々にし、傷口をふさいだ。見てろよ……。

 鉄筋を引き抜くと、僕は最終兵器に向かって飛んだ。そして、上空から最終兵器の頭をめがけて鉄筋を思いっきり振り下ろした。が、最終兵器は微動だせず、ただ、足下のアスファルトがくぼんだだけだった。

 最終兵器は鉄筋を掴むと、僕を空中へ放り投げた。石の力を使って飛ぶことが出来ずに空中へ投げ出された。そして、空中では最終兵器が待ち構えていて、赤く光っていた。僕は止まることが出来ずに最終兵器に激突した。その次の瞬間、最終兵器は大爆発を起こした。僕は、爆発に飲まれ、地上へ落ちていった。

 そのまま地面に激突し、天を仰いだ。ぼんやりとしている視界の奥に、最終兵器の姿をとらえた。最終兵器は手を巨大化させ、僕めがけて飛んできていた。逃げなきゃ。でも、体が動かない。そして、僕はたたきつぶされた。僕は意識を失った。

 

 僕は真っ白い空間の中にいた。そこには白い青い人影が2つ。僕を待ち構えていたかのように立っていた。僕が近づくと、右側の人影が右手を前に出した。

『僕は継続する者。宇宙戦争を続けて宇宙の覇者になる者』

 そして、左側の人影が左手を出した。

『僕は終わらせる者。宇宙戦争を終わらせ、混乱を沈める者』

 これがどういうことなのか僕は理解していた。コルーパの声がよみがえる。『宇宙外交官は俺たちの最終兵器だ。地球を巡る、宇宙戦争に終止符を打つんだ』そして、僕がなんなのか、どういう運命に立たされているのか唐突に理解した。

 僕は、左の人影の左手を掴んだ。

「僕は終わらせる者だ」

 すると、人影が笑ったような気がした。

「いい選択だ」

 

 僕は目を開けた。そして、最終兵器を見る。最終兵器はぼろ布のようになっていた男の人を捨てるように投げた。そして、僕を睨みつけた。

 僕は拳を固め、最終兵器に殴りかかった。でも、最終兵器の周りには見えない何かが邪魔して、手は届かなかった。僕は、その何かにはじかれるようにして後ろへ仰け反った。でも、ここで諦めるわけにはいかない。僕は何かに触ると石の力を使って何かを崩した。そして、もう一度拳を固めると思いっきり殴った。

 パカン!という音が霧に包まれた町に響いた。

 後ずさりをした最終兵器に向かって、跳び蹴りをした。そして、石の力を使って、アスファルトで巨大なハンマーを作ると、最終兵器をたたきつぶした。ハンマーは割れたけど、最終兵器はよろけた。そして、きていた子供服を掴むと、思いっきり投げ飛ばした。最終兵器はビルに突っ込んでいった。ビルはガラガラと音を立てて崩れ、モクモクと砂煙を上げた。僕はそれを見ていると、砂煙の中からコンクリートの塊が何個も飛んできた。僕はそれを走りながらよけ、正面に飛んできた塊をキャッチすると、ジャンプして、最終兵器めがけて投げた。塊は最終兵器の頭に直撃し、最終兵器はフラフラとよろけた。僕は空中から最終兵器に向かって飛んだ。そして、足で踏みつぶした。

 すると、足の裏がもぞもぞとし始め、僕は最終兵器に足を捕まれた。そして、アスファルトにたたきつけられた。でも、僕は両手をついて、たたきつけられるのを阻止し、足を回転させて、逆に最終兵器をアスファルトにたたきつけた。

 僕はもう一度拳を固め、殴った。すると、最終兵器は僕を睨みつけ、ものすごい形相で叫んだ。

「アアアァァ!」

 僕は空中へ飛ばされ、地面はボコボコに崩れ、えぐり取られるかのように、へこんだ。

 空中で僕は止まると、えぐりとられた地面をまじまじと見つめた。半径三百メートルほどは削り取られている。その中央に青く光っている最終兵器がいた。

 僕は最終兵器めがけて飛んだ。そして、最終兵器から二、三メートルは離れた位置に着地した。しばらくのにらみ合いが続いた。先に動いたのは最終兵器だった。全身青く光らせて僕につかみかかってきた。僕は石の力を使って、バリアを張ろうとすると、右手が青く光った。そして、最終兵器がふれた瞬間、ものすごい光があたりを包んだ。


読んでいただいてありがとうございます。

徐々に続きを載せていきます。

 

現在、2nd(よりよい表現に推敲しております)を執筆中です。



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