宇宙大戦争 ②
僕は飛び立った。言葉通りだ。僕たちは空を飛んでいる。横を見ると、さっきの人がいた。そうか、だから僕の力をコピーしたんだな、といまさら気づいた。
下を見ると、ものすごい速さで走っている人がいる。他の人たちは、首相の船に乗っている。想像していたUFOとは違っていたけど、ものすごく大きい。一般人にみられるんじゃないかと思うと、ひやひやするけど、もう、見られたって、どうってことない。
やがて、巨大な穴のところに着いた。まだ、シュウ……、と音を立てている。
「奴らはこのために地球に来ていた」唐突にコルーパが言った。「反政府軍は兵器を隠すために来ていたんだ。ここに、兵器がある」
僕は驚く。奴らは、本気で攻めてくるんだな。
そのとき、ブーン……、という音がしたかと思うと、穴から何かが飛び出た。そして、空高く、飛び上がった。
何かが落ちてきたと思ったら、巨大な機械だった。出てきた穴よりも大きかった。巨大な円盤形をしていて、地上に這うように進んでいく。
「あれは彼らに任せておけ。天馬には仕事がある」コルーパが言った。
隣にいた、男の人が空を指す。巨大な円盤がこっちに向かってくる。
「あの艦隊を頼んだよ。俺は最終兵器とやらを倒しに行く」
そういうと、男の人は飛んでいった。
日が陰ったなと思うと、さっき見たのより、ずっと大きな円盤が来ていた。扉のようなものが開いたと思ったら、そこから小さな円盤が大量に出てきた。
地上では、円盤形の兵器がズーン、ズーンと音を立てながら、あたりを破壊していく。状況をじっくりと観察している余裕はない。
僕は艦隊に向かって速度を上げた。
まるでゲームのようだった。魔法の弾や、手から出る、黄色いビームはないけど、それでも十分だった。僕の手は、ダイヤモンドよりも硬い。その証拠に、UFOに手で切るように腕を振ると、まるでチーズのように裂けていく。
しかし、相手だって、ものすごい数で襲いかかってくる。これは、気が抜けないな。と、思った矢先、何機か固まって突進してきた。だいぶ前に、僕が熱中したSF映画のように、赤色の弾を打ってくる。避けられない、と思ったとき、僕の胸に弾が当たった。ものすごい衝撃が駆け巡る。何か熱いものを押し当てられたかのように痛みが襲う。
僕はそのまま、落下していった。一気に力が抜けて、ヒュウゥと音を立てながら落ちていく。何機ものUFOが、追い打ちをかけようと、撃ちながら急降下してくる。その弾を何発も体で受けながら、ビルに真上から突っ込んでいった。
しかし、気分はいい。スーパーマンってこんな気分だろうか。アニメとかで落下のシーンがあるけど。うん、僕はかっこいい。
ガラガラとビルが崩れる。僕はがれきをよけると、よいしょと立ち上がった。指をポキポキと鳴らして、上を見上げた。UFOがビルの真上でホバリングしていた。
僕は足に力を入れると、思い切り飛んだ。そのまま、回転しながら、機体に穴を空けてやった。素早く、機体の破片をつかんで、周りにいたUFOに向けて投げた。破片は、僕の――石の力で、鋭くとがっていき、全ての機体に穴を空けた。
残るは、空母だった。僕はその周りをうろついた後、空母に触って、石の力を使った。最初からこうすればよかったのだろうか、空母は崩れ落ちた。
僕はそのまま、「兵器」に向かって、飛んだ。
「兵器」は無数の触手を伸ばして、あたりを破壊しながらゆっくりと進んでいた。「兵器」は触手をビルなどに向かって振り回したりしている。僕は触手を避けながら、「兵器」に向かっていった。
「兵器」は生き物だった。近づいたら分かった。僕はてっきり機械かと思っていたけど、操縦席なんかないし、目がある。それに臭い口まである。これは生き物だ。
近づいてみていたら、目がギョロリと僕の方を見た。その次の瞬間、口元が赤く光ったかと思うと、赤い光が口から飛び出た。一瞬の出来事だった。僕はそれを避けることが出来なかった。光をまともに受けて、僕は吹っ飛んでいった。ビルを突き抜け、アスファルトの道路に打ち付けられた。
すると、足の速い超能力者のおばさんが、瞬時に僕の方へ駆け寄ってきた。
「大丈夫かい?」
「ええ、まあ何とか」
僕はかろうじて返事をして体を起こした。それを見ると、おばさんはにっこりと笑って、「兵器」の方へ走っていった。僕がふうと一息ついていると、遠くの方から叫び声に似た声が聞こえた。
「アアアァァ!」
何事かと思って、飛んで見てみると、遠くで大爆発が起きていた。そして、爆風が広がって、こっちにまで来た。僕はとっさに超能力者の人たちの元に素早く移動し、石の力を使って超能力者の人たちの周りにシールドを張った。その直後、ものすごい爆風が襲った。僕は耳をふさいで目をつぶった。しばらくすると、爆風は消えていた。が、何も見えなかった。
周りが真っ白だった。
読んでいただいてありがとうございます。
徐々に続きを載せていきます。
現在、2nd(よりよい表現に推敲しております)を執筆中です。