宇宙大戦争 ①
そのとき、ちょうど電話が鳴った。竜介からだった。
「おい、天馬テレビつけろ!」
ものすごい大きな声だった。思わず、受話器から耳を離してしまったけど、そのままテ
レビをつけた。
――どこから来たのか地獄の門。
そう、タイトルがつけられたニュースがやっていた。ちょうど、このあたりだった。巨大な穴が空いていた。一キロ、二キロなんてレベルじゃなかった。周りが焼け焦げていた。
「天馬?聞いてるか?」
竜介の声が遠くで聞こえる。
僕は電話を切った。これは……。
「来たか」コルーパの声だ。
「そのようです」
振り返ると、テレビの前に全員勢揃いしていた。
「宇宙外交官は俺たちの最終兵器だ。地球を巡る、宇宙戦争に終止符を打つんだ。すなわち、地球が宇宙の政治に加わる。そうすれば、混乱を避けることが出来るんだ」
コルーパが僕を見据えていった。
「この戦争に勝てるのか?」僕が聞くと、コルーパはうなずいた。
「勝てる。それに、おまえ一人じゃない」
どういうことだろう?
そのとき、ドアチャイムが鳴った。こんなときに、誰だろう? と思いながら、そっと開けると、おじいちゃんがいた。その隣には、たくさんの人が。誰だろう。
「久しぶりだね、天馬。でも、ゆっくりお茶を飲む余裕なんてない。まずは彼にふれてくれ」おじいちゃんが矢継ぎ早に言う。
彼って誰だと思ってると、すっと、見知らぬ男の人が出てきた。
「彼は他の人の能力をコピーできる。新しい、宇宙外交官の力をコピーさせてやっておくれ。これで、我々は勝てる」
超能力者? コルーパが言っていたことはこのことか。周りにいる人たちも超能力者だろう。しかし、勝てるのか……。
とりあえず、僕は男の人に触る。すると、僕の体が青色に光る。どんどん、熱くなっていく。なんだか、力が抜けたと思ったとき、光は消えた。
「コピーできたようだね」おじいちゃんが言う。「この前、コルーパが来たときにはビックリしたよ。まさか、この日が来るとはね。準備は万全だ」
僕はうなずく。
「首相、サイザンフ星に応援を呼ぶことは?」
少し、不安になりながらも聞いてみる。
「無理ですね。半年かかりますから。だから、コルーパが天夢さんに頼んでおいたんですよ。これでやるしかありません」
そうか……。この前、『宇宙戦争』という映画を見たけど、実際どうなんだろう?
「そんなことを考えている余裕はないだろ?」コルーパが言う。
僕の心を読んだか……。
僕は、目の前にいる人たちをみる。皆、決意は同じのようだ。僕も覚悟を決めた。
「さあ、行こうか」
読んでいただいてありがとうございます。
徐々に続きを載せていきます。
現在、2nd(よりよい表現に推敲しております)を執筆中です。