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喋る犬と宇宙外交官  作者: メロ
初めての会議と反政府軍
14/21

初めての会議と反政府軍 ①


ふう。それにしても、せっかくの夏休みがコルーパのせいでめちゃくちゃだ。とりあえず、今の状況を整理するとしよう。

 僕はベッドに寝転がり、考える。

 今日は八月五日。とてもいい天気でどこかへ出かけるには最適だ。もっとも、今日の僕は外に出かける気にはならない。というか、出られないのだ。今日、僕の家で初めての会議が行われることになっているらしい。もちろん、最初からビシバシやっていくとは思ってないけれど、何だか緊張した。外交なんて、国のお偉いさんが勝手にやってくれていて、僕とはどこか違う次元での話しだと思っていたからだ。

 どことなく、感じの違う空気が漂っている。現実かなんて確かめたくもない。僕はわかっていた。コルーパが初めて喋った日、これは現実なんだと。

 何とか気持ちの整理がついた僕は、ベッドの下で寝そべっているコルーパに確かめるようにして聞く。ほんとは聞きたくなかったんだけど、効いておかなくてはいけない。

「なあ、コルーパ。僕は本当に『宇宙外交官』なんだな?」

 すると、コルーパは目を開けて言った。

「何を言ってるんだい?正真証明君は宇宙外交官だ。血液検査だってしただろう?」

「そうだな。僕の血液中の遺伝子と、僕のおじいちゃんの血液中の遺伝子が一致したんだもんな」

 僕が念を押すように言うと、「ああ、まあな」とコルーパは言葉を濁すように言った。その微妙な言い方が気になったが、僕はあえて無視をした。

「それで?会議はいつ始まるんだ?サイザンフ星人はどうやって来るんだ?」

 コルーパが壁にかかった時計を見上げる。

「そうだな……。今、十時半か。会議が始まるのは一時半だから三時間後だな。彼らは『地球人』になってくる。たぶん。天馬の友達のようにしてやってくるはずだ。俺は天馬の部屋――つまり、ここが安全圏だと伝えてある。この部屋にきたら元の姿に戻るだろうな。サイザンフ星人本来の姿に」

 それを聞いて僕の首筋の毛が逆立った。僕の脳裏にさまざまな、宇宙人像が描かれていく。どれもこれも恐ろしいものばかりだ。

「なあに。心配することはない。サイザンフ星人の容姿は地球人とほとんど変わらない。ただ――一部のところが変わってるんだ」まだ、心配が消えない僕を見てコルーパは付け足した。「ちょっとな」

 まあ、いざとなったらコルーパがついている。どうにかなるだろう。――たぶん。

「それで?この前の、『縛り』のことだけど、あれも条件なんだろ。世界が破滅するってのはサイザンフ星人が攻めてくるとか……」

 僕が言うと、コルーパが驚いたような表情を一瞬見せた。

「どうしてわかったんだい?」

「さあ。宇宙外交官になるって言う時点で、縛りが条件なんだと思ったよ。サイザンフ星人と友好状態にある以上、サイザンフ星人は自分の星の技術と財産、そもそも宇宙の『真理』を守らなくてはいけない」

 僕が説明すると、コルーパが固まった。

「詳しいな。どうして、そんなことを知っているんだ?」

「お前の心を読んだ」

 そういうと、コルーパは、ああ……とため息をついた。

「使い方がよくわかってるな」

「好奇心って奴さ」

 すると、コルーパは考え込むように下を向くと、つぶやくように言った。

「しかし、不思議なものだ。たった一日で石の力をマスターできるなんて、天馬のおじいさんでもできなかった。そうすると、やはり天馬は『彼』なんじゃ……」

 僕には言ってることがさっぱりだった。


 やがて、約束の時がきた。僕の緊張は頂点だ。一体何をすればいいのか。コルーパは大丈夫だと言っているけど、大丈夫じゃないような気がする。そもそも、僕は緊張に弱い。すぐに気持ちが悪くなったり、おなかが痛くなったりする。

そんなことを考えているうちに、ピンポーンというドアチャイムが鳴った。そして、ずかずかと入り込んできたのは竜介だった。僕は思わず、はぁ?と間抜けな声を上げた。すると、竜介は無言で2階に上がって行った。そして、僕の部屋に入った。

「おい、どうしたんだよ」

 僕が竜介に聞くと、コルーパがいいんだ、と僕をたしなめた。竜介はコルーパの前に座って、「そろそろですかね?」とコルーパに聞いた。

「ええ、そうですね」

 コルーパがうなずくと、竜介がズルズルという音を立てて老人に変わった。振り返るとそこには――。

「あ」 


読んでいただいてありがとうございます。

徐々に続きを載せていきます。

 

現在、2nd(よりよい表現に推敲しております)を執筆中です。



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