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喋る犬と宇宙外交官  作者: メロ
オープニング
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オープニング



 僕は、眠い目をごしごしこすりながら、のそのそとベッドから起き上がった。ベッドの横にある、窓のカーテンを開けると、太陽の明るい日差しが部屋全体に差し込んで、僕の顔を照らし出した。

 んー、いい朝だ。この前まではこんな感じで朝が始まる。この前まではね。僕が大きなあくびをすると、後ろから、若い男の声がした。

「やあ、おはよう。今日もいい天気だね。まあ、外に出て話でもしようよ」

 僕は後ろを振り向かない。奴の考えている事はだいたい分かっている。

「お前、散歩に行きたいだけだろ」

 もう一度、大きなあくびをして言った。返事はない。でも、ぴょんぴょん跳ねて、絨毯に足が叩き付ける音と、へっへっへ、という息づかいが聞こえる。八月からずっとこうだ。奴が言いたい事は分かってる。――へへへ、当たりさ。


 みんなは、『不思議な出来事』というものに出会った事があるだろうか。UFOに遭遇しただとか、人が中に浮くだとか。いろいろあると思う。人によっては、えっ?こんな事!と思う事が不思議に思う事があるかもしれない。僕は以前、偉そうにこう言う奴に出会った。

「世の中の当たり前の事に、不思議な出来事なんて格付けをするからややこしくなるんだよ。UFOが来るのも、人が宙に浮くのも、世の中の自然な流れの一つ。そう考えれば今、学者や世間の人々が一生懸命悩んでいる事が、すんなり解決できるだろうが。だろ?」

 こう言った奴の姿を見ながら、ふんふんと頷いた。そして、奴を指差して言った。

「お前も、その流れのうちの一つなのか?」さらに、奴を抱き上げて言った。「今言った事を鏡の前に立って、言ってみろよ。そうすれば、お前の言った事が、真実かどうか分かるぜ」

 僕は奴を降ろしてやると、奴は何のこっちゃ、と笑い飛ばした。

 僕は大きなため息をついた。こんな奴と一ヶ月も一緒に暮らすのか……。はははと笑う奴の横で僕は、はははと笑いながら涙目になった。これから先が思いやられる。


 紹介が遅れました。僕は空野天馬と言います。何かパターン的なような、そうでないような名前だけど……。それと、奴の紹介はまた後にしておこう。みんなきっと驚くだろうからさ。

 ああ、そうだ。忘れてた。ちなみに、僕が出会った『不思議な出来事』は、『喋る犬と出会った』さ。



読んでいただいてありがとうございます。

徐々に続きを載せていきます。

 

現在、2nd(よりよい表現に推敲しております)を執筆中です。

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