シーン6:旧校舎・鏡の呼び声
夜の旧校舎。
誰もいない廊下に、月明かりが青白く差し込む。
ガラス窓は曇り、古びた鏡が、わずかに呼吸するように揺れていた。
BGMは、金属音を含んだピアノ。
その旋律の奥で――微かに、鐘の音が重なっている。
リリアは一歩、鏡へと進み出た。
足音が吸い込まれるたび、周囲の空気が波打つように歪む。
> 「……いるんでしょう、アマリエ。」
応えるように、ノイズが走った。
鏡の奥から、機械音に似た声が滲み出る。
> 「恋を壊す者よ。
あなたの存在は――バグ。
この世界の整合性を保つため、次のループで削除します。」
言葉のたびに、鏡の表面が脈動する。
水面のように揺れ、奥から金色の瞳が浮かび上がる。
リリアは静かに笑みを返した。
その瞳にも、同じ金の光が宿っている。
> 「上等よ。
削除される前に――この“恋愛プログラム”ごと、壊してみせる。」
その瞬間、画面全体に赤いコードが流れた。
#Lilia.Override=Active #System.Conflict=Pending
BGMが途切れる。
無音の中で、鏡面にリリアーナの姿が浮かび上がる。
純白のドレスに、血のようなリボン。微笑は優雅で、そして残酷。
> リリアーナ(幻影):「次のループが――最後よ。」
鏡の表面がひび割れ、光が零れ落ちる。
その光が、まるで新しい世界を構築するプログラムのように舞い上がり――
画面は、真っ白にフェードアウトする。




