シーン6:エピローグ/赤いシステムコード
BGM:――無音。
ただ、時折「ジジッ……」と電子ノイズが割り込む。
画面は真っ黒。
その中央に、赤い文字列が浮かび上がる。
#System.Log
Observer_002 : Integrity = 0.12
#Lilia.Error = LoopDetected
#Admin.Access...GRANTED
文字がひとつ、またひとつ、乱れるように滲む。
背景にはかすかに――
誰かがキーボードを叩く音が聞こえる。
(カタ…カタタ…カタ)
リズムは一定ではない。
何かを修復しているようで、
同時に、何かを上書きしているようでもある。
ノイズ混じりの低い声が、どこからともなく響く。
声:「観測者、再起動プロトコルを実行──
データ欠損率、許容範囲内。」
赤いコードが激しく点滅。
画面に新しい行が現れる。
<NextLoop Initiation Protocol>
Countdown : 72h
その数字がゆっくりと点滅を始める。
「72h」「71h59m」「71h58m」……
まるで命の砂時計のように、刻まれていく。
一瞬、画面の端に“人影”が映る。
誰かがモニター越しにこちらを見ていた。
その瞳の奥には、同じ赤いコードが流れている。
声(微笑するように):「次のループへ──ようこそ。」
ノイズが爆ぜ、画面が完全に暗転。
――静寂。
そして最後に、一行だけが残る。
《次のループ開始まで──あと72時間》
フェードアウト。
(BGMなし。ノイズのみ)
※続く第4話「観測者プロトコル」では、
天条ルカの視点から“ループ管理者”の存在と、
システムの裏側に隠された真実が語られる。




