表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪令嬢、現代に転生す 〜恋愛フラグをへし折るJKライフ〜  悪役令嬢は二度と王子に騙されない!  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/113

シーン5:夜、自分のステータス画面

夜。

 静まり返った部屋の中で、莉々亜は鏡の前に立っていた。

 カーテンの隙間から漏れる街灯の光が、彼女の頬を淡く照らす。


 BGMは――

 第1話で流れたメインテーマ。

 けれど、今夜のそれには不協和音が混じっている。

 まるで、かつての旋律が壊れ始めたかのように。


 鏡を覗き込む。


 その瞬間、

 鏡面に淡いノイズが走り、

 莉々亜の姿と重なるようにシステムウィンドウが浮かび上がった。


《STATUS WINDOW》


名前:篠原莉々亜

役職:元悪役令嬢(記録済)

ルート所属:未確定

状態:観測者モード

タグ:BAD END(確定)


 呼吸が少しだけ止まる。

 冷たい光が頬に触れ、数字たちが淡々と自分の“存在”を定義していく。


(やっぱり……私の結末は、最初から決まってる。)


 呟いた声が、わずかに震えていた。


 けれど――その鏡の奥。

 莉々亜の後ろに、**もう一人の“彼女”**が微笑んでいる。


 金髪の巻き髪。宝石のような瞳。

 麗しく、傲慢で、かつて“悪役令嬢”と呼ばれた少女――

 リリアーナ・フォルティス。


 鏡の中の幻影が、ふっと唇を動かした。


「この世界では、選ばれない者に救いはないの。」


 その声は、まるで誰かのセリフの再生音のように響く。

 懐かしいのに、冷たく突き放すような声。


 莉々亜は目を細め、

 静かに微笑んだ。


「なら――救いの定義を、壊すだけ。」


 その瞬間、鏡面がひび割れるように光を散らす。

 ウィンドウがざらつき、タグの文字が乱れた。


 《BAD END(確定)》 → 《ERROR:ルート逸脱》


 BGMの不協和が、調和へと変わっていく。

 壊れたメロディが、わずかに新しい旋律を紡ぎ始めた。


 莉々亜はゆっくりと目を閉じる。

 夜の静寂の中、

 遠くで――あの“鐘の音”が、再び鳴り響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ