002 Contract conclusion
怒涛の展開だった。
50年近くクソ人生を生きてきていきなり死んだ。
そして今、タナトスなる神?死神?なる存在から声を掛けられ、何やら契約を持ちかけられている。
「そう・・・・契約♪君にとっても悪い話じゃ無いよ?むしろリベンジの大チャンスさ」
(リベンジ・・・・・・・・・)
「そそ^^
このまま何もせず死んじゃったらもったいないよ?
今まで虐げられてきた全てを見返してやろうよ?」
俺の中で今までの吐きだめの様な生い立ちがぐるぐる思い浮かんだ。
(・・・・・・・・・・・・・・本当に・・・できるのか?復讐が)
「ああ^^できるよ♪」
(そうか。。。。。できるのか)
どす黒い感情がだんだん大きくなっていく。
そんな俺をあたかも見越していたかのようにタナトスの笑い声が聞こえた気がした。
「契約成立だねっ!今なら色々特典を付けてあげられるよ♪」
{この時、彼はまだ あんな事になろうとは思いも寄らなかっただろう}
「じゃあ 準備をするよ?いいね?」
タナトスのこの一言で再び俺の意識というか自我がプツリ途絶えた。
△▼△▼△▼△▼
「────ちゃん!────ちゃん!」
んん?誰かが俺の身体を揺すりながら叫んでいる様な・・・
意識がだんだんはっきりしてきた。
刹那 俺の頭?の中に一気に情報が流れ込んで来た。
(ちょっ!・・・ちょっ!!・・・・・)
っ?!・・・・ということは生き返った?いや違う。
これって俺が読み漁っていたネット小説でお馴染みなアレか?!!
「────ちゃん?!」
うわぁ~!あまりの情報量でパニくる。
未だに身体が揺さぶられているが、どういう状況なのか判らないから迂闊に目は開けられない。
すると急に身体がふわりと浮かぶ・・・というか誰かに抱きかかえられて持ち上げられた。
(なっ!これってもしや?・・・・・)
周りから「キャーキャー」と黄色い声が響き騒がしくなる。
何故か俺はお姫様抱っこされているらしい。
同時に歩き出したらしく、上下左右に身体が少し揺らされる。
(一体だれが?)
そんな想いから俺はちらーっと薄目を開けてみた。
見上げる形でそこに映ったのは『ザ・イケメン』!
(うあぁぁ!ヤローに抱かれたくねぇっ!鼻高っ!爆発しろぉ!!)
細マッチョなナイスガイだ。
以前の俺とは対極を成す生き物。
ゾワゾワ蕁麻疹でも発症したような気分になって来たがどうにか耐える。
俺を気遣ってゆっくり移動して数分。
足音からして誰かがついて来ている様子。
「ガラガラッ」と引き戸が開けられる様な音がして、
「失礼しますっ!・・・・ああ、先生。突然 マドンナが気を失ったみたいで(キラーン)」
(ぅぇ~~~っ)
虫唾が走るぅ~~~
「あらあら~!じゃ、じゃあこちらに寝かせてぇ」
別の人物(女性)の声がする。
間を置かず俺はベッドの上に降ろされた。それはそれは丁寧に。
「ご苦労様ぁ^^後はこちらで対応するわぁ~♡」
数秒間 沈黙ののち、
「うっく!・・・・・・・残念・・・・・・」
(何が残念なんだ?てか何があった?この沈黙)
やがて足音と引き戸の開閉音が聞こえてきた。
そして、
「まったく・・・・・少々イケメンだからって次から次へと・・・・(呆れ)」
ふむ....どうやらあのヤローはスケコマシなヤリチンだったようだ。
(ぞぞぞぞわーーーっ!!)
鳥肌が半端ない。
思わずもよおしそうになり小さく「ゥっ!」と呻き声が出てしまった。
幸い気付かれては無いようだ。
ふと額に掌らしきものが乗せられる。
「熱は・・・・無いようね。顔色もそんなに悪くないし、脈拍も異常なし!貧血かしらねぇ。。。」
顔をペタペタされたり、手首を取られたりでされるがまま。
「それにしても・・・・ホント美しい顔立ちよねぇ♡
女の私でもゾクゾクしちゃうわぁ~・・・・ってイケナイイケナイ!ココは学校だし、私は養護教諭なんだしっ!!」
一瞬何やらただならぬイケナイ気配がしたが、何とか踏み留まってくれた様子。
「しばらくはこのまま寝かしておいて様子を見ましょう」
同時に「シャーッ」とカーテンが閉じられる音。
更には足音が遠ざかっていき、再び引き戸が開閉され施錠までされる音が響いた。
ここで漸く俺は目を開け、
「ふぅ~っ」と息を吐く。
(色々とツッコみどころがあるなぁ。。。)
まずはこれまでの経緯を整理しよう。
俺は確か飯を買いにコンビニに行った。
そこで強盗にばったり出くわした・・・OK。
何故か足が勝手に動き出して吸い寄せられるようにそいつにボディアタックかまして
そのはずみに包丁が刺さって死んだ・・・OK。
──で、何故か意識が戻ったと思ったらタナトスだっけ?死神に遭遇して
何やら契約を持ちかけられた・・・OK。
「その後はどうしたんだっけ?記憶が曖昧だっ!」
今 ここに存在しているという事はその契約だったか?締結されたって事かな?
あまりにも非現実的で突拍子もない事が起こっていた気がするんだが。
と、とにかくだ。
先ほどから自分の感覚や声、周囲の対応を窺いみると今までの俺からすると色々とあり得ない状況になっているみたいだ。
頭の中の情報も含めて整理しないとなぁ。
(まず契約?どんな内容だったっけ?)
すると唐突に目の前に半透明な板状の画面みたいな物が浮かんでいた。
そこには次のような内容が書かれていた。
Ⅰ.本契約はタナトスと当該契約者のみ有効であり、中途解約は不可。
Ⅱ.当該契約者が存命である限り有効であり、絶命した時点で終了とする。
Ⅲ.タナトスは『死を司る神』即ち死神である。人の魂を収集する事が生業である。
Ⅳ.当該契約者はタナトスに対し必要に応じて願望を要求できる。
Ⅴ.当該契約者は契約に基づき一つ願望を叶える代わりに一つの魂を提供する必要がある。
Ⅵ.提供対象とした魂を指定するには対象者の氏名、特徴など明確に限定可能なイメージがあれば可能である。指定さえすればあとはタナトスが対象者の魂を狩るので当該契約者は何もしなくて良い。
Ⅶ.当該契約者がこれを怠った場合は当該契約者自身の魂を提供するものとする。
Ⅷ.尚、願望はタナトスが契約範囲に於いて行使可能な事案に限る。
Ⅸ.タナトスが当該契約にて行使不可能な事案は
①タナトスと同等以上の者の顕現、滅殺
②地球以外の天体の生成、再生、改変、消滅
③一度提供された魂の返還、再融合
④当該契約者に直接 権能を与える事・・・等
(つまりこちらが何かを頼んだり希望を叶えてもらう毎に一人の人間が死ぬという事か。。。)
正に悪魔の契約だな。・・・・死神だけど。
正気の沙汰では無いだろうけど意外と冷静な自分が居る。
何だろ?悟り?ではないけど・・・ダークな落ち着きがあるなぁ。
契約書を読み終え、理解すると別の文言が浮かび上がる。
タナトスからのメッセージらしい。
~~やあ♪
ちゃんと転生できたみたいだね。
じゃあ君の現状についてざっくり説明するよ(ニヤニヤ)
君は小比類巻家という一般家庭の長女・小比類巻飛鳥として転生してもらった。
ちなみに君の居る世界は君が元居た世界と同一だから常識とか文化水準など諸々はそのままの認識でイイよ。
ああ、君の詳細プロフィールは後で【ステータス】として確認できるから見ておいてネッ♪
それから・・・・
ご成約記念特別サービスとして4つほどプレゼントを贈っておいたからそれもステータスで確認しておいてネッ!
P.S.以前の君は既に死んだことになっているけど、君と関わった人物や事象はそのままになっているよ。
君の住んでいた家もそのまま残っているけど近いうちに処分されるから無くなると思ってた方が良いよ。
付け加えると今の君の存在(小比類巻飛鳥)はあたかも最初からここに存在している事になっているよ。
区切りをつける意味でもサッパリした方が君も気楽だろ?
じゃあ、今度はちゃんとエンジョイしてねぇ^^~~
読み終えるとそれまで表示されていた半透明のディスプレイ?は消え失せていた。
さっき目覚めた時から身の回りや周囲の半端ない違和感で判ってはいたけれど;;
何気なく自分の物凄く綺麗な髪に触れ、
(はははは・・・・・・・・・・女になってるよ・・・・・・)
基本不定期でつw




