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010 valentine's day

義理チョコでももらえたらええやん(泣

翌週の月曜日。今日からまた普通に授業がある訳なんだけど、全体朝礼が急遽行なわれる事になって生徒は全員体育館に集められた。(真冬の体育館よぉ?寒いから嫌だったのにぃ~~!!)

先週土曜日に何が起こったかの学校説明があるみたい。

そういえば小森さんはしばらくお休みする模様。あんな事があったからねぇ…仕方ないよねぇ;;

残念だけど、たぶん…もう学校には来ないんじゃないかなぁ?

件の変態教師については「一身上の都合により退職」という事に。

公には「ちょっとした不幸な事故が重なって~~~」

具体的に『何があったのか?』の真相は全く説明されなかった。

警察にも知らされてないみたいだし、雫んちと学校側が完全密封して闇に葬ったようです。(怖)

全体朝礼が終わって教室へ戻ってくるなり、雫に連行されて校長室へ。

予想はできてたんだけど、

「くれぐれも他言無用でお願いします。」と念を押されちゃった。

結果、真相を知っているのは学校上層部、ごく一部の教員、そして現場に居合わせた私、雫&お付。

あとは萌香と梨奈にはかいつまんでであるけど当日に話してある。

まぁ私のクラスを含め、こういう話は直ぐ尾びれが付いて噂話として拡散するんだけどね;;

そこから数日が経ち、やはりというか何というか…小森さんが転校する事が知らされた。

何とか彼女には前向きに頑張って欲しいわね。

しばらくは学校全体が色々噂が飛び交ったりで浮足立って騒がしかった。

更に数日が経過して今日はバレンタイン♪

朝から男子達はソワソワして落ち着きがないw

私が何気なく目を向けた途端、あからさまにキョドったり 中にはテンパっちゃってる子もいるぅw

なんか面白いかもぉ^^

そんな男の子達を自分の席から眺めていると、

「皆 あっちゃんからのチョコが欲しいんだよっ!」

萌香が後ろから抱き着いて来た。

ブレないわねぇ....この()も;;

「たかがチョコなのにねぇ~(呆)」

梨奈がヤレヤレポーズしながら話に加わって来た。

「『たかがチョコ されどチョコ!』って事なんでしょ?なんせ飛鳥さんのチョコなんですからっ!」

更に雫までさも当然なように口にして私の肩に手を置く。

「キーンコーンカーンコーン♪」

ここで始業のチャイムが鳴り響く。

─────

その日のお昼休み。

私は持ってきた大き目の紙袋を取り出した。

実は登校時、これを抱えてきたのも朝からの男子達のソワソワ感の要因なんだと思う。

大注目の中、袋から数個綺麗に飾りつけした箱を取り出す。

「いつも仲良くしてくれてありがとっ!♡♡♡♡これからもよろしくネッ!(^_-)-☆」

と言って萌香 梨奈 雫にそれぞれ手渡しする。

三人共少しの間フリーズしていたけど、直ぐにキャーキャーww

萌香はオメメをうるうるさせていつも以上に抱きついて、

「あっちゃぁぁ~~ん!!(嬉し泣き)ありがとぉ~~~♡♡♡♡」

梨奈もいつも以上にテンションMAXで、

「あ~すかぁぁ~!!(満面の笑顔)超~超~嬉しぃ~~♡♡♡♡」

三人の中で普段は一番落ち着いており、毅然としている雫でさえ、

「あ゛~~ず~~が~ざ~~んっ!!!(号泣)あ゛いぢでまずぅぅ~~♡♡♡♡」

と叫んで萌香と反対方向へ抱き着いてきちゃった^^;;

いつもと全く違う雫に私だけじゃなく、クラス全体が唖然となってしまった。

一瞬 時が止まったみたいにシーンとなっちゃって…

あまりの変わりようにドン引きしちゃっただけなんだけどね^^

でも....こんなに喜んでもらえるなんてねぇ^^

昨晩遅くまで頑張ったかいがあったよぉ~☆彡

実は数日前から色々準備してたんだよねぇ!

何回かに分けて板チョコや道具をまとめ買いしたりして。

えっ?お金ぇ?

ふふーんっ♫この指輪の中に入ってるお金をねっ!本当に使えるかどうかの検証がてら利用させて頂きまして。。。

不思議な事にママにもお金の出どころとか問い詰められることも無かったし、私自身も何を代償にして得たモノなのか?の罪悪感とか忌避感とか感じなくなってるのよねぇ…これも恐らくタナトスさんの御力のせい?;;

洗脳?もしくはマインドコントロールかしら?

何だか自分が変質してしまいそうで怖い気もするんですけどぉ(汗)

そ、それはともかく・・・・

雫が落ち着いたところで私は袋を持ったまま教室の前まで移動したの。

もうお昼休みも終わりそうだしね。

「はぁいっ!注目っ!!皆さんにも細やかだけど同じクラスになったよしみとしてチョコをお渡ししまぁす♪(⌒∇⌒)」

と言って持ってる袋を掲げて見せた。

みんな一気にテンションが上がって「うおぉぉ~~~っ!!!」って凄い事になっちゃってた;;

「じゃあ前から順番に取りに来てねっ☆彡」

特に男子がもぉ大騒ぎで狂喜乱舞ぅ?

派手にガッツポーズしたり、感動のあまり祈りを捧げてる人とか涙流してる子も居たわw

(そ、そんな感動されても~(汗;;…全て義理チョコなんですけどぉ?)

クラスメイト全員にチョコが行き渡ったところでお昼休み終了のチャイムが鳴った。

放課後も所属している同好会『サブカル研究部』のメンバーに配ったり、担任の高橋先生や副担の佐藤先生にもあげた。

全て配り終えて帰ろうと下駄箱がある中央ホールまで行くと、前方に幾人かの人影。

結構遅くなっちゃってるし、外も暗くなってきてるみたい。

うん........その人影の中に知ってる顔はっけーん!

工藤先輩、私が以前 意識を失った時に私をお姫様抱っこして保健室まで運んでくれた人。

但し、手当たり次第に女子を口説いてるという悪名高きスケコマシ。

専ら最近は私にご執心だって話になってます。

ヤバ・・・・どうやら待ち伏せされてるっぽい;;;

だって私の姿を視認するなり「ニヤリ」って笑みを浮かべてるしぃ~~

いつもは仲良し三人組の誰かと一緒なんだけど、今日はチョコ配布に時間を取られて私ひとり残っちゃってたのよねぇ;;

チョコとか欲しかったのかしら?・・・・でももう1個もないよ?

私は一歩二歩と後ずさりすると、一目散に走りだしていた。

「あっ!おいっ!ちょっ!待てよっ!!」と某キ○タクのようなセリフを吐きながら私を追いかけようと駆け出す工藤先輩(スケコマシ)

ひぇ~~っ!怖~い!!怖いよぉ~(怯;;)

そんな思いから気が付けば私は廊下を全力疾走していた。

後も振り向かず・・・・・・ん?

(あ、あれぇ?…私ってこんなに足速かったっけ?)

上履きのまま、あっという間に非常口を突き抜けてそのまま外へ出てしまっていた。

そのままの勢いで自分の身長程の高さの柵も軽々ジャーンプッ!!

(っ!!飛び越えちゃったよ・・・)

制服のスカートは冬でも結構短めだから下着とか見えてるかもだけど、幸い周りには誰も居なかったみたい。

(それにしても・・・・私ってこんなに運動神経良かったぁ?;;)

このままお家に帰る事も考えたんだけど、やっぱり上履きじゃあねぇ・・・

そう思い直した私はとりあえずコッソリ校内に戻る事にした。

工藤先輩達に見つからないように注意しながら正面玄関付近まで移動していると、

「あの子、何かすげぇ速さで逃げてったよなぁ;;」

「お前、一体マドンナに何したんだよ?あんなに勢いよく逃げられるってよっぽど嫌われてんぞ?!」

「知らねぇよ!!俺はただあの子がひょっとすると自分にもチョコをくれるんじゃねぇかって思ってただけだよっ!」

「ほんとかよ?その割には凄く怖がってたような・・・」

「・・・・そりゃぁ学校一の美少女だし、ずっと狙ってたのは事実だけどヨ;;」

「あれだけしつこく付き纏われたら、警戒されるのも当たり前だべ?」

「・・・・うっ!!・・・・」

「それにお前って次から次へと女子をナンパしてただろ?今までさぁ」

「そう言うのって直ぐに噂として広がるってぇの!!」

「・・・・・・・」

「それがマドンナちゃんの耳にも入ってんじゃねーの?自業自得じゃんww」

「・・・・・・(どよ~~~ん)」


何だかとっても鮮明に聞こえて来るんですけどぉ?先輩たちの声が^^;

十数m離れている物陰に隠れているはずなんだけどぉ?















あくまでも本作はフィクションです。

実存する人物・物体・事象とは一切関連はありません。

ご了承下さい。

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