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新世界 その1


はっ!

気づいたら真っ暗な中にいた。また真っ暗なの?


全然理解が追い付いていないんですけど?

私どうなってるの?


そんな事を考えていると、突如眩しさと息苦しさが込み上げてきた。


「ぎゃあああああ(眩しいいいい!!)ケホッケホッぎゃあああああ」


眩しさと息苦しさに叫んでしまった…。

ん?声出た?私声出た?

やった!

と思ったがなんだか変だ。

視界はボヤけているし耳も遠い、そしてとてつもなく眠い…。


待って私どうなってるの?誰か教えて…


そんな私の願いもむなしく意識が再び遠退いてしまったのだった。

……



ぱちっ…。あっ私目が開いた。

今度ははっきりとその感覚もある。

そして目に入ったのは、私を覗き込む。金髪美女、金髪ショタ、明るい茶髪の少年。


あ…これ転生してますね。

私は、咄嗟に理解してしまった。


「おぎゃああああ(えええええええ!?)」


私の叫び声を聞いて金髪美女は微笑みを浮かべて私を抱き上げてくれた。


「※※※※」

金髪美女が私に何か話しかけている。


あっ。

言葉がわからない…転生物は言語問題はサービスしくてくれる事が多いじゃんか…うぅ。

そんな事を考えているとなんだか泣けてきた。

死んだのが悲しいのか異世界にきてしまって心細かったのか私にもよくわからなかった。


「おぎゃああああ」


しばらく泣くと私はまた眠ってしまった。


◇Side ハルベルク家


アッシュとシューマは母に駆け寄ると声をかけた。


「お母様。リクは?」

「お母様。お体は大丈夫ですか?」


リリーは、二人の息子に笑顔で答えた。

「シューマ、リクは隣で寝ているわ。アッシュありがとう。問題ないわよ。お義母様にも癒しの魔法をかけて頂いているし、明日には戦えるわ!」


「お母様。今は戦時中ではございません。どうか暫くは休まれてください…。

そして、なにと戦うというのですか…」

アッシュは呆れた口調で答えたが母が普段通りに元気があり余っている雰囲気に少し安心した。



リリーは、ハルベルク家に嫁ぐまでは男爵家の長女であった。王国の名門校を次席で卒業し、聖魔法の適正を持つ魔法使いとしては珍しく強力な魔力とそれに見合う精神力・実力もありロレアルがラーランドの妻としてハルベルク家に向かいいれた。ちなみに主席はラーランドであった。


元々人族には聖魔法の適性者は少なく、いたとしても魔力が弱いものであった。その中でリリーは聖魔法で上級魔法を使える実力があった。だが今のところアッシュもシューマもその才能は受け継いでいない。


「あっ!起きそう!」

リクが寝ているのを眺めていたシューマが声を上げた。

リリーは隣のベッドを覗き込み。アッシュも駆け寄って覗き込んだ。


「おぎゃああああ」

「よしよし。大丈夫ですよ~リク。」

リリーは優しい顔でリクを抱き上げた。


「かわいいねぇ~。」

「…右目が黒い。」

無邪気に弟を可愛がるシューマに対して、アッシュは、少し気味が悪いものを見るようにリクの目を見た。


「そう珍しいわよね。左目は私と同じ青い瞳だけど…右目は黒いのよ。お医者様は特に機能的な障害はないと仰っていたわ。お義父様は、男児でがっかりしていたけど洗礼だけは興味があるって仰っていたわね。」


この世界では髪の色や瞳の色は本人の魔法適性と一致している事が多い。世界に流れている様々な魔力はこの世界の住人の体の中で呼吸のように取り込まれ全身を駆け巡っている

そして取り込まれる魔力の質と量は個人差が大きくあり、その魔力の影響を髪や瞳は受けやすいとされていた。

極端な例を上げれば赤い髪に赤い瞳の魔法使いは、誰もが火の魔法が得意なんだろうなと想像する。実際にはそこまではっきりとした色になることは稀であるが。

その為、黒い瞳を持つリクは魔力の適正が想像し難く、また黒い瞳はこの世界ではほぼ存在しないのである。


「こればかりは洗礼を受けないとね。大丈夫ですよ~お母さんとお兄ちゃん達でちゅよ~。」 

リリーは瞳については特に気にする事もなく。リクをあやしていた。



洗礼は貴族であれば生後3ヶ月で受ける事となる。

その洗礼でおおよその魔法に関する才能が測られる事となる。

リクの適正はすぐにわかるだろう。

アッシュはひとまずそれで納得する事とした。


生まれたばかりの弟、それも肉親とはいえ将来自分を脅かす存在にならないか、ハルベルク家として強い誇りとロレアルに対して憧れを持つ少年には気になる事であった。


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