混乱?
目覚めたら、もう朝だった。
私、あのままずっと寝てたんだ。
あれは夢だったの?
あのワンちゃんもいなくなってる。
どこにもいない、
やっぱり夢?
そんなわけない、
夢なんかじゃない。
あのワンちゃんの名前は確か…、
思い出せない。
また頭が…。
そんなことより学校に行かないと。
思い出そうとすると頭が痛くなるから、思い出せない。
一体どうすれば?
学校でも勉強が手につかず、物思いにふけていた。
「どうしたの、笹崎さん?」
という声で我に返った。
乾君…。
「最近ちょっといろいろあって…、
そんな大したことではないんだけど…。」
と答えた。
「顔色も良くないよ。本当に大丈夫?」
「うん、心配してくれてありがとう。」
とだけ言った。
犬がしゃべったとか、相談出来ないことだらけだし。
とにかく頭が痛くなったり、意識がなくなったりを何とかしたいなぁ。
そういえば昨日、お父さんもいたはず。
しゃべるワンちゃんのこと、聞いてみないと。
お父さんは何か知っているのかも。
そう考えていたのに、こんな時に限って、お父さんは出張で帰って来るのは、2日後だった。
お父さんがいない間にあのワンちゃんが出たらどうしよう?
私、まるであのワンちゃんを幽霊扱いしてるよね。
そんな怖いものでも、なんでもないのに。
私はあのワンちゃんとおしゃべりしていたはずなんだから。
いつだっけ?
中学生の時?
どうして忘れたんだろう。
あのペンダントは…?
なくなってるー。
もう混乱するよ。