乾君との会話!
入学早々、毎日のように行われる小テストで、私は数学の結果が散々な結果だった。
私は教科の中で数学が一番苦手。
特に高校に入ってから難しくなった。
結果を見て、何とかしなければと一人悩んでいると、乾君から話しかけられた。
「どうしたの?」
私は慌てて、テストを隠した。
「ちょっとテストの結果がね…。
努力不足。」
と笑って誤魔化そうとした。
「もしよかったら、
僕のわかる範囲で教えようか?」
「えっ!?いいの?
是非お願いします。」
「いいよ。」
やったー、乾君に近づけるチャンス!
ちょっとずつ距離を縮められるかも。
「じゃあ、今度の日曜日はどう?」
「全然大丈夫!」
「図書館でもいい?」
「もちろん。」
「笹崎さんの近くの図書館はどう?」
「乾君、私の近くの図書館知ってるの?」
「うん。行ったことがあって。
カフェも併設されてるでしょう?」
「すごい、その通りだよ。」
「あの店のハムサンドがとても美味しくて。」
「だよね。私も好き。乾君も食べたことあるんだ。」
そういえば中学生の時、望優と行ったなぁ。
あの時って、望優と二人だったっけ?
何かもう一人友達がいたような…。
ズキッ、痛っ。
なぜか最近無理に思い出そうとすると、頭が痛くなることがある。
そんなこと、別にいいや。
とにかく私は乾君に学校外で会えるのが嬉しかった。