もう一人を…。
「ハロ?」
「彩夏音…、
思い出してくれたんだね。」
「うん。
思い出してきた、段々と。
でもどうして魔法のペンダントが2つに?」
「多分、彩夏音の記憶が戻って、一気にペンダントに魔力が戻り、勢い余って二つに別れてしまったんだろう。」
「そんなことあるの?
でも、二つ目のペンダントはどうすればいいの?」
「彩夏音が一人で持つには負担が重すぎる。
誰かもう一人持ち主になってくれる人を探さないと。
悪いけれど、もう一人の持ち主が見つかるまでは、彩夏音が持っていてくれないか?」
「うん、いいよ。」
ハロ、私の記憶を戻すために、頑張ってくれたのかな!?
ものすごく疲れてる。
そういえば私、このペンダントを使って、魔法の練習していたなぁ。
懐かしい!
ちょっとやってみようかな。
久しぶりだから、うまく出来るか自信はないけど…。
「お父さん、ハロ、
ちょっと魔法の練習をしてみるね。」
まずは小さな消しゴムを浮かせてみようかな。
できるかわからないけど…。
前の感覚を少しずつ思い出しながら、
そして魔法の呪文を唱えた途端、
消しゴムがドーンと勢いよく飛び上がり、天井にぶつかって、少しへこんでしまった。
えー!?
「彩夏音、きっと前よりも魔力が強くなったんだ。
おまけに今はペンダントを二つ持っているから余計にね。」
とハロが言った。
早くもう一人を探さないと。
「でもどうやって探そう?」
「ペンダントが探してくれるだろう。」